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NPO法人会計基準

 お手伝いをしているNPO法人の決算の仕事が3期目を迎えました。この2年は引き継ぐ前の決算の仕方を読みほぐしながら、見様見真似で決算を終えたいましたが、今期はNPO法人会計基準の本を購入して、あらためてどうあるべきかを確認しつつ、決算をやってみました。

 NPO法人は行政から独立し市民からの支援や批判という評価の中で活動を行っていく団体で情報公開、特に寄付などを中心とした資金の使い道を公開して信頼を得ることが重要です。今回、改めてNPO法人会計基準の本を確認しながら、過去の自分を仕事を確認すると、理解不足や開示不足の点が見えてきて、ちょっと反省しています。前述の情報公開の重要性を再認識したので、解りやすさを基本に決算の開示を進めていければと思っています。

 NPO法人の会計基準は、一般の企業会計基準に準拠しているので、一般原則や収益・費用の認識は共通しています。財務諸表として貸借対照表と損益計算書(NPO会計基準では活動計算書)も共通となります。
 
 一般の企業会計基準と違う部分としては、財務諸表として、財産目録の作成と財務諸表の注記の作成があります。財産目録は一般法人には作成義務はありませんが、NPO法人には作成義務が課されています。財務諸表の注記は企業会計基準にあり、共通するところはありますが、NPO法人の特徴的な開示内容として事業別損益の記載が有ります。企業会計基準ではセグメント情報等の開示に関する会計基準に示されていて、それに基づいて、公開企業の有価証券報告書では一般的に「事業の状況」の説明の項目の一つとして「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」として開示されています。

 さらに、特定非営利活動以外の事業を営む場合や、現物寄付、ボランティアによるや役務提供、無償又は安価な施設提供、使途制限の寄付金、返還義務のある助成金の未使用部分の扱い、後払いや実施期間のある助成金補助金の扱いなどはNPO法人の特有な取引として主に財務諸表の注記への記載が求められています。

 これらに理解が深まった意味では、今回原点に返って会計基準を改めて紐解いてみたのはよかったかなと思います。

 まだまだ、どう考えるべきか悩んでいる点も多々あります。頂いている補助金の剰余部分は本来お返しするのが原則となっていますが、いくつかの使用目的を明確にすれば、翌期に繰り越すことが可能で、その取扱いに関してまだ疑問があるところがあります。
 また、定款上は特定非営利活動として認識している事業なのですが、税務の世界では収益事業となっている事業(NPO法人としては、その目的から言っても非営利事業すなわち非収益事業として考えてもらいたい事業なのですが。)があり、今はまだ赤字なので、地方税の法人県民税や法人市民税も均等割りの世界で済んでいます。今後その事業が伸長すると、法人税や地方税の所得割や消費税といった点への対応が必要となるので、その準備をどうやって行ったらよいかというのも課題です。
 また、補助金事業は交付先から銀行口座の分別管理の要請があるので、収益事業とされているの事業部門の事業規模が大きくなれば、銀行口座を分離して分別管理も検討が必要だと思っています。

 まだ、考えることは多いですが、一つ一つ解決できればなと思っています。

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