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NPO法人の新事業の検討

 以前からお手伝いしているNPO法人が新しい事業の検討を始めました。去年の上期に園内での人間関係のトラブルが発生し、その対応に追われたところがあり、この一年は新事業を検討する余力がなかったのですが、ようやく人的な体制も整い、様々な団体や個人との関わり合いも増えてきたことから、代表も新しい事へのチャレンジを模索したいと思ったとのことです。代表の障害を持つお子さんも小学校高学年となり、お子さんの将来に向けた準備を事業の多様化の中で考えていきたいとの思いも持たれているようにも感じます。

 さて、新事業を行うためには(新事業に限らない事ではありますが)、人物金をどうそろえるかが大事です。
 人の面ではここの所、職員数も15名是前後から20名を超える数になった来ました。ボランティア的に関わっていただける方も増えてきています。
 お金の面では、保育園事業はおかげさまで期初からほぼ定員を充足する状態で、育成協会からの支援金も余剰が出て積立金として翌期以降に繰り越す額も相当なものになってきました。(育成協会の資金は保育事業としてしか使えませんが、定員割れなどがあった時には、人件費の源資として使えるのが心強い。)中間支援事業も法人の契約先が増えて今期からは所得割の納税も発生する見込みです。居場所づくり事業は所謂中間支援団体の金銭支援を得ながら、毎月のイベントをこなせる力をつけてきました。どの事業も私が関わりを持ったこの3年では、かなり充実感のある状況になってきました。
 物の面では、人が増えたことと、各事業がそれなりに活性化していることもあり、事業所そのものは手狭感があって、場所の移転や新園の開設といった保育所そのものをどうするかの議論が必要となってきた感があります。

 新事業の一つとして着手の準備をしているものに新設された家庭こども庁が行う保育園施設を使った子ども食堂等の地域支援があります。農水省もこれまで同様の取り組みをしていますが、家庭こども庁が開設されて事業移管がされたのかはよくわかりません。子ども食堂は衛生面の問題等もあるので、厨房施設があり調理師免許を持つスタッフがいるとしても、ちょっとすぐには手が出しづらく、とりあえずフードパントリーか始めようかと検討しています。フードパントリーとは食品の無料配布を行うイベントのことですが、居場所づくり事業が定例化しつつあることもあり、とりあえずやってみるかという感じです。どれくらいのマーケットになるのか、スタッフの稼働はどれくらいになるのか、こんなところは手探りでやっていくしかないかと話し合っています。

 もう少し先を見据えた事業としては就労支援がありますが、子供の成長過程から考えると、今対応している保育園・小学校世代のお子さんから18歳以上のお子さんへとかなり大きなステップを踏む形になり、議論が分かれています。冒頭に記載したとおり、実際に障害児のお子さんを持つ代表からすると、何かしらトライしたい気持ちはよくわかるのですが、事業のステップとしてはもう少し小さく踏み出す方がよいのではと、お話しています。実際に就労施設運営をやろうとされてい方との関わりのあるので、その方とどんなことができるか、もう少し検討できればなと思っています。

 新事業は、自分たちの事業の課題からスタートさせ、自分たちの強みを生かして、新しい市場に打って出ることが成功する秘訣と言われています。NPOのその目的に適うものであれば確かになんでもいいのだとは思いますが、いまの足元の事業でのノウハウを生かさない手はありません。自分たちが今できること、今やるべきことを着実に重ねていければと思っています。

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