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コトバの金メダル獲得数を競え!🥇オリンピックいちばん名言は、果たして誰の名言だ?

 ついに東京2020オリンピックがはじまりました。各地では熱戦が繰り広げられています。あの選手の名言は、なぜ心に響くのか。
 なぜあの監督には、リーダーとしての資質を感じるのか。答えは、コトバにあるのです。それでは一緒に、読み解いていきましょう。

上野由岐子選手の言葉は、なぜ心に響く?

 まずは、『コトバの先発投手』である上野選手。大会前の発言を聞いてみましょう。

○ 「コロナで1年延期が決まった時、最初はあと1年頑張らなきゃいけないのかと思ったけど、むしろもう1年やらせてもらえるのは感謝かな」

 名言は、聞き手に視点の変化を与えてくれるものです。予定通りにことが進まずにイライラしてしまうことがあります。でも、上野選手のように視点をチェンジすることで、気持ちを前に進めることができるのです。その結果、ソフトボール日本代表は、初戦を見事に勝利しました。そして、試合終了後に、こんなコメントを残しています。

○ 「テレビや報道を通して、たくさんの方に何かを伝えられるように、ただがむしゃらに、必死に、グラウンドで戦っていくだけ」

 ここでは、「ただがむしゃらに、必死に」と同じような言葉を並べています。商品名をたのしげな音楽とともに繰り返す、コミカルなCMをよく見かけます。何度も訴えかけることで、自然とリズム感がコトバに生まれるわけですが、このリピート法を使用すると、グッと心に突き刺さる。強い表現になるのです。

コトバの技術が支えている!宇津木麗華監督の名言

 ソフトボール日本代表監督を務める、宇津木監督の名言も印象的です。

○ 「20年間以上、自分の下で上野に投げていただいている。投げてくれている、じゃなくて、投げていただいている」

 投げていただいている。この表現こそグッとくるポイントなのです。「投げてくれている、じゃなくて、投げていただいている」と表現すると、選手に対しての敬意が、一層際立ち始めるのです。コトバを対比するとギャップが生まれ、印象が強くなります。

上野は、よく投げてくれている
→これだけだと、よくある監督コメントになります

上野は、よく投げてくれている、じゃなくて、投げていただいている
→伝える力が一気に増します


チーム最年少 後藤希友選手に学べ!レスペクトの力

○「上野さんに1歩でも近づきたいと思って毎日練習している。本当に光栄です」

 ソフトボール2戦目で好リリーフを見せ、宇津木監督からも絶賛。チーム最年少の後藤選手本人のコメントです。レスペクトの気持ちをうまく伝えることで、不可能なお願いを可能にしてしまうことがあります。
後輩の後藤選手のコメントを見かけたら、先輩の上野選手だって、悪い気はしないでしょう。秘密の投球術も教えたくなってしまうかもしれません。

岩渕真奈選手は、気遣いの日本代表だった!

 女子サッカーの初戦で同点ゴールを決めた岩渕選手の名言をご紹介します。

○ 「ゴールしたのは自分だけど、チーム全員の気持ちが乗ったゴール」

 コトバが、あったかい印象です。岩淵選手はゴールした瞬間、チーム全員のカラダの反応を想像したのでしょう。このコメントを聞いたら、チームの一体感がさらに高まるのではないでしょうか。

 サッカーには、ミスもあります。PKでゴールできなかった仲間に対する気遣いも含めて、岩渕選手は素晴らしいと、感じました。

○ 「PKのミスについては取り上げてもらいたくないので、記者の皆さんにはポジティブにお願いしたいです」

 得点のチャンスを生かせなかったチームメイトの田中美南選手。彼女を真っ先に気遣い、岩渕選手が残したフォローのコトバです。「ミス」と「ポジティブ」という逆の意味の言葉をチョイスすることにより、見事なギャップが生まれています。表現がさらに強くなっているため、記者団もおねがいを受け入れてしまいそうです。

 いかがでしたか。オリンピックは、「強い言葉の祭典」とも言える大会。選手たちが、そしてチームを率いる監督が、どんな名言を残すのか。ぜひコトバの面にも、注目してみてください。きっと、新しい気づきがあります。


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