タウシュベツ日誌を作るのに合わせて、2005年から始まる15年分の写真を一か月間ほどかけて振り返ってみました。タウシュベツ川橋梁だけを撮っているわけではないとはいえ、大部分は同じ橋の写真。一枚一枚を丹念に眺めるには、もうだいぶ撮り過ぎたようです。完結した後に見返せば、また違った感慨が湧くのかもしれませんが、今はまだいつ終わるとも知れない物語の途中。その作業に飽きないと言えばうそになります。
そんな作業の合間に目が止まるのは、もう二度と撮れない奇跡的なタイミングに出会えた時の一枚。ではなく、なぜ撮ったのか、自分でも記憶にないような写真です。いつの写真なのか、すぐに辿れるのがデジタルカメラの便利なところですが、撮った理由までは分かりません。自分の写真を見ながら当時の心境に思いを巡らせる。そんな日が来ることを、撮り始めた頃には想像もしていませんでした。もっとも、15年間も写真を撮り続けることすら想像していなかったことですが。
そして、橋がまだ崩れずに立っている2020年を知ると、「あと2、3年で崩れる」と言われていた2005年頃のタウシュベツ川橋梁が「15年くらいは持ちこたえそう」に見えてくるのが不思議です。 「今年で見納め」と言われる現在の様子は、将来振り返ったとき、どのくらい頑丈そうに、あるいは脆そうに見えるのでしょうか。