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「ブランディングとはSNSで自分を着飾ること」という大きな勘違い

スマホで始めるYouTube講師
かとうさやかです。

「自分を取り繕ったり自慢をするのってパワーがいるんですよ。だからSNSなんかでそのパワーを真正面から受け止め続けるのってけっこう疲れるんじゃないかな」
(標野凪著『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』より)


最近読んでいる小説にあったこのフレーズが妙に納得感があり、「SNS疲れ」の本当の意味が分かった気がしました。

本日は「SNSで自分を着飾ること」と「ブランディング」の違いについてです。


私は以前、ブランディングという言葉の意味は自分をきれいに着飾って実際よりキラキラして見せることだと信じていました。

それに違和感を感じたのは、SNS上で必要以上に自分を大きく見せようとしたり、自分を人気者に演出しようしている誰かの投稿を見て、ドッと疲れている自分がいたからです。


自分をきらびやかに演出することは、実は逆ブランディングになっているのではないか。


確かにSNSは、見ていてなんだか疲れる投稿と、逆につい最後まで読んでいいねして応援したくなる投稿がある。

前者は何かギラギラ悶々とした息苦しさがあり、後者は爽やかでいつの間にかその人のことが好きになっていたりする。


「ブランディングとは自分をきれいに着飾り、実際よりも素敵に大きく見せること」というのは、少し前のSNSの主流だった。

10年ほど前に「女性起業家のためのブランディングセミナー」みたいなのに参加した時、「自分を成功しているように見せましょう」「少し高価なホテルのラウンジでお茶をしたり、憧れの女性を演出しましょう」そんな話があり、当時のアメブロでもそんなキラキラした記事は多かった。

当時の私は「そういうものなんだな」と思って、ホテルのラウンジでお茶をしたらSNSにあげて「女性起業家のパワーランチ会」みたいな、きらびやかな世界にいる自分をことさら発信していた。

「周りが羨ましくなる、憧れの自分を演出するのがブランディングだ」と思いつつも、一方では心のどこかで「そんなハリボテを見せることのなんの意味があるのか」と冷めている自分もいた。

今になって思うと、私はそんな自分がどこか好きになれなかったんだと思う。だってそれは外に向けて自分を偽ることだから。


誤解なきよう、今でもホテルのラウンジでアフタヌーンティーしたりホテルランチに行くのは大好きで、むしろ当時より今の方が頻繁に利用していると思います。

でもそれは「誰かに見せるため」ではなくて、「私がその時間を楽しむため」



(ちょっと脱線して愚痴ります。最近のヌン活ブームでクラシカルな昔ながらのアフタヌーンティーを見なくなってしまったのがとても残念。芸術作品のような美しいアフタヌーンティーよりも、2,000円〜2,500円くらいでお茶のついでに普通のサンドイッチとスコーンと焼き菓子がついてくるやつが好きなのよ私は。)

(伊東川奈ホテルのアフタヌーンティーみたいな、こういうクラシカルなのがいいんですよ!)

 (脱線終わり)


違和感を感じつつも「着飾ること」をやめられなかったのは明確な理由があります。


私には「今のままの自分ではダメだ」という強い劣等感と自己否定があったから。



そのままの自分では世間からも相手にされないという焦燥感が常にあったし、自分を演出しないと社会に受け入れてもらえないと信じていた。

焦燥感や劣等感が垣間見える投稿というのは、読み手のエネルギーを奪う変な力があります。

今私が誰かの「自分を取り繕っている投稿」を見ると疲れるように、当時の私の発信の仕方も「なんか疲れる投稿」だったのかもしれません。


「自分を着飾ること」がブランディングの本質でないなら、ブランディングとはなんなのか。

私が一番好きな答えは、クリエイティブディレクター水野学さんの「ブランディングとは似合う服を着せること」という考え方です。


この言葉が私にとって一番の納得感があり、そして「きらびやかな自分の演出」をやめたら生きるのが格段に楽になった。

「自分を大きく見せる投稿」よりも「本音の自己開示や私らしさ」を発信していこう。

そう思えたら、SNSもすごく楽しくなった。

「憧れられる私」なんていらなくて、「等身大の私」が一番じゃないかと。

自分を演出することに疲れている人は、きらびやかな衣装を一枚脱いで、似合う服を探してみるのもいいかもしれません。そして私も、「似合う服を着せらせる」クリエイターで在りたいものです。


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