今年の京都は観測史上一番暑い夏
今年の夏は暑かった。「暑さ寒さも彼岸まで」との言われ通り、彼岸の中日(9月23日)になって、ようやく暑さがおさまってきたが、これからも30℃を超える日はありそうだ。
今年の京都の夏がどれほど暑かったのかを、気象庁のデータで確認してみた。
夏の暑さ指標
暑い夏と言う時、何をもって「暑い」と言えるのだろうか。ここで勝手に夏の暑さを示す指標として以下の4つを考えてみた。
最高気温:その夏の最高気温
猛暑日:日の最高気温が35℃以上となった日数
真夏日:日の最高気温が30℃以上となった日数
熱帯夜:日の最低気温が25℃以上となった日数
京都の気象観測は1880年11月から始まっているので、それ以降の暑さ指数ランキングを下表に示す。
これを見ると、最高気温は38.9℃で歴代5位。1994年には39.8℃を記録している。
猛暑日の日数では43日で、これはぶっちぎりの1位。
真夏日の日数は84日で、歴代12位にとどまる。9/24日以降も何日か真夏日があると予想され、それを加えると90日程度にはなりそうだが、昨年の96日には届きそうにない。
熱帯夜に関しては57日で、2位の2018年49日より8日も多く、ぶっちぎりの1位である。
つまり、今年の京都の夏は、猛暑日と熱帯夜の日数で、観測史上最大となっている。体感的には一番暑い夏だったと言えそうである。
温暖化
この夏の暑さは、今年だけの特別な暑さだったのか、それとも温暖化によって、このような暑さが年々酷くなるのだろうか。
そんな疑問に答えるべく、これまでの推移を調べてみた。
年間最高気温の推移
年間の最高気温は暑い夏と冷夏を繰り返しながら、傾向として上昇している。その上昇割合は100年で1.94℃である。
年間最低気温の推移
年間の最低気温は、寒い冬と暖冬を繰り返しながら、傾向として上昇している。その上昇割合は100年で4.91℃であり、最高気温の上昇率の2.5倍のペースとなっている。
京都の気温は、冬が100年で4.91℃暖かくなり、夏が100年で1.94℃暑くなった。この傾向は今後も続くと思われる。その原因は、主としてヒートアイランド現象ではないかと考えられている。
真夏日と猛暑日
上のグラフは真夏日と猛暑日の日数をプロットしたものである。真夏日に関しては、若干増加傾向にあるものの、増加は100年で20日程度で、それほど大きくない。
一方、猛暑日は1942年以降、増加しており、特に1994年からさらに増加傾向にある。
熱帯夜
戦前には熱帯夜はほとんどなかった。1950年から増え続け、2023年は59日と、観測史上最大となった。この傾向は今後も続きそうである。
猛暑日と熱帯夜の増加は傾向として明確であり、今年が特別ということではなさそうだ。つまり今後、暑い夏がもっと酷くなると予想される。
冬日
最低気温が零度を下回る「冬日」については、減少傾向が明らかである。
1880年から1910年頃は100日程度の冬日があったのに対し、暖冬だった2020年には2日、2023年は12日と、減少傾向が著しい。今までの傾向が続くのであれば、40年後には冬の最低気温が0℃以上となり、冬日はなくなる。
まとめ
今年の京都の夏は、猛暑日と熱帯夜の日数が、観測史上最大となり、体感的には「今までで一番暑い夏」であった。
これまでのトレンドを見ると、猛暑日と熱帯夜の上昇傾向は明確である。もちろん暑い夏と冷夏の繰り返しはあるものの、傾向としては、これからの夏は、今年以上に厳しい夏になると予想される。
一方、冬に関しては、暖冬化が進んでおり、京都の冬の最低気温が零度を下回らなくなるのも時間の問題である。
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