現場学校02

【現場学校レポ】イメージを言語化し、共有する|「アートディレクションの現場」(中川 直樹さん)

ライブ配信セミナー「現場学校」レポート班の藤井カオリです。
2019年2月7日に開催された、中川 直樹さんのセッション「アートディレクションの現場」のセミナーレポートをお届けします。

私も抱えていた「イメージが共有できない」という悩み。

今回はアンティー・ファクトリーの中川 直樹さんのセッション「アートディレクションの現場」。
アートディレクターに必要なスキルやアートディレクターが気にすべきポイントなど、具体例を交えながら解説してくださいました。
ディレクションという業務の中で、クライアントやクリエイターとイメージが共有できていないことで、何度も何度もキャッチボールが必要だったり、大どんでん返しが起こったりと、そんな経験が私にもあります。
今回はそんな状況の打破に役立ちそうな学びばかりでしたが、中でも私の印象に残ったものをご紹介します。

アートディレクターに必要な5つの能力。

●アートディレクションに対する自信と信念
●幅広い人材ネットワーク(カメラマン、イラストレーターなど)
●アイデアの再現性の保証
●人(クライアント)を説得できる説明と知識力
●コミュニケーション力

中川さんのお話の中で、この「アートディレクターに必要な5つの能力」こそが、今回のセッションで最も重要なポイントだとありました。
この中で私が磨いていかないといけないのは「人を説得できる説明と知識力」。特に知識力だと感じました。
アイデアを練るには、感性はもちろんのこと、デザインの根拠を裏付ける知識がやっぱり必要で、そこが弱いと自信を持った提案、プレゼンに繋がらないと反省。もっと引き出しを増やそうと思います。

アートディレクターに必要なスキル。

●イメージの言語化
●共有する手法
●各エレメントに対する知識

「こういう風に作りたい」「なんかかっこ良くない」というふわっとしたリクエストに含まれるさまざまな要因をいかに的確な言葉にするか。
それを解決するためのポイントを教えていただきました。

①ロジカルに対応できるための確認すべき事項は何なのか?
●アイデア
●表現方法/手法
●CI・VI・BI
●色・フォント・レイアウト+インタラクション
②右脳派へのディレクション
1. 意味訴求ではなく、感覚訴求すること。
2. 「楽しい」という言葉から想像する絵はみんな違う
3. 年代による感覚の微妙なズレの認識

つまり、5感(視覚・嗅覚・触覚・味覚・聴覚)全ての方向から網羅していき、イメージの共有を図ること。
自分の感覚や思い込みで走ってしまわずに、もっとロジカルに! そして、「好き嫌い」ではなく、「良し悪し」の軸を大切に!…と、ただただ反省です。

そして白熱の質疑応答!

他のセミナーとは異なる「現場学校」の特徴は、セッションの最後に講師への質問タイムがあるところ。その中で多数挙がったものや気になるものをデスクトップワークスの田口さんがピックアップして講師に質問、そして講師からリアルな声で答えが返ってくるのだ。

もちろん、セッションの途中にもその時に思い浮かんだ質問や疑問、それぞれのアウトプットがコメント欄にどんどん書き込まれていき、その様子は非常に興味深い。中には共感できるものや、自分にはなかった気づきや発想が書き込まれ、受講者同士で高めあっているのが実感できる。

では、質疑応答の中で私が気になったものをご紹介します。

①クライアントに「とりあえず作ってみて」と言われるときの対処法
ホームページを作る目的をはっきりさせた上(ゴールをしっかりと決めた上)で、まずは自分たちで流れ(確認事項)を作って進めてみる。その確認事項をクライアントに問うことで正解に近づけ、後々の「何か違うよね…」を防ぐ。つまり、「好き嫌い」の軸で進めるのではなく、「良し悪し」の軸で進め、納得させながら作ることが大事。ロジックの部分で自信を持って伝えることも必要。「感覚を言語化することで間違いが防げる」「○○っぽい」、オノマトペが感覚を伝える上で大切

②アートディレクターにとって一番大切なことは?
コミュニケーション能力も必要だが、最も重要なのはクライアントにとってベストなものを提供できること。例えば、自らの能力の範囲内で最善を作り出すのはデザイナー。アートディレクターはクライアントのために最もいいデザイナーやイラストレーター、カメラマンなどの手配をできなければならない。つまり、人脈も必要である

最後に。

セッション、質問事項ともにポイントだけを綴りましたが、イメージを共有する手法はもちろんのこと、アートディレクターが必要とするデザインや色彩、文字についての知識など、さらに具体的で実践的な内容もご解説いただき、とても貴重なセッションでした。

これまで何度も提案やプレゼンを経験してきましたが、やはり自分的にイマイチだな…と思うときは圧倒的に企画に対する根拠、感覚を伝えるための「言語」が欠けていたような気がします。今回のセッションを通じて、もっと突き詰めた企画ができるようになりたいと改めて思いました。

と、「現場学校」のセッションを視聴する度に胸にグサグサと刺さるものが…。長年やってくると惰性が生まれたり、今さら質問できないことも出てきたり。気づかないうちに凝り固まって視野も狭くなっているのでしょう。

私はこのnoteを利用してアウトプットしていますが、FBのイベントページには他の受講者からのアウトプットが次から次へと投稿されています。そんなみなさんからのアウトプットもまた、私が成長する糧に…。

自分を改革するために、私の「現場学校」は続きます。

「現場学校」の詳細はこちらから
https://gbgk.jp/




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