現場学校1

【現場学校レポ】スムーズな制作進行のカギは「先読み感覚」|「ディレクションの現場」(田口 真行さん)

ライブ配信セミナー「現場学校」レポート班の藤井カオリです。
2019年2月5日に開催された、田口 真行さんのセッション「ディレクションの現場」のセミナーレポートをお届けします。

これはどんなプロジェクトにも活かせそう。

今回はデスクトップワークスの田口 真行さんのセッション「ディレクションの現場」。田口さんは前回のオリエンテーションに続き2回目の登場です。内容は、ざっくりと言えば、webサイト制作のプロジェクト進行をよりスムーズに行うための考え方や手法について。
ひと通り聴き終えた私の感想は…、

「あ、これどんなプロジェクトの進行にも使えるわ」

でした。
webにも紙にもイベントにも、もしかしたら家事にもお片付けにも。何かを達成しなきゃいけないとき、こんな風に頭の中を整理できればスムーズに進められる! まるで気持ちよく生きるコツを教えてもらったような…。と、ここまで言っちゃうと少々大げさか。
ここからは今回の学びのポイントをご紹介していきます。

①キックオフの段階でディレクターの役割を明確に。

簡単に言えば、ディレクターはクライアントとクリエイターの橋渡し役。
だけど、仕事の範囲って? 線引きってどこでするんだろう???
それは「コレとコレとコレがディレクターの仕事だ!」とは決まっておらず、プロジェクトごとに違って大丈夫、という認識でいいみたい。なぜなら、クライアントやクリエイターがその案件において「どこまでの役割を期待しているのか」によって異なるからです。
だからこそ大切なのは、「どういった役割なのか」「どこまでを期待されているのか」をキックオフミーティングの段階で明確にしておくこと。
ディレクターの仕事の大半は「人とのやり取り」。それぞれが気持ちよくプロジェクトに取り組んでもらうことで、進行がスムーズになるのはもちろんのこと、きっとパフォーマンスも上がるに違いない。

②事前にプロジェクト進行のロードマップを定めよ。

ロードマップとは、プロジェクト進行において目的と目的に到達するまでの進み方を示すもの。その考え方や構造は至ってシンプル。

1.ゴールを定め、そこに向かう過程の中に
「決めるべきこと(マイルストーン)」を設けていく。

2.「決めるべきこと」のために必要となる作業(タスク)を挙げていく。

ロードマップを定めるメリットは、全体像と進め方が把握でき、しかもタスクのヌケを防ぐと同時に余計なタスクを除けること。
プロジェクト進行において、実はぼんやりと始まる「見切り発車」は結構ある。しかし、それではのらりくらりと進んでしまう危険性が非常に高い。当たり前だがクライアントに求められるのは、できるだけスムーズに、最短に、大体の場合はコストを抑え、そして完成物は高いクオリティーで、というもの。これらを満たすには、地図のない自由気ままな放浪旅なんてとんでもない。ロードマップの考え方、取り入れさせていただきます。

③予期せぬトラブルに備え、「先読み感覚」を磨け。

どんなに順調に進んでいても、プロジェクト進行には落とし穴が潜んでいるもの…。しかも、大体が後半になって起こっちゃうから困ったものです。そこでやっておきたいのが、事前にトラブルを予測し、その対策を前もってロードマップに組み込んでおくこと。そうしておくと、起こりうるトラブルを防ぐことができるかもしれないし、結果としてトラブルが起こったとしても、最小限の被害に抑えられる。つまり、プロジェクト進行におけるリスクマネジメントには、後々の工程に備えた「先読み感覚」が必要不可欠なんですね。

まとめだよ。

ここで今回学んだことをおさらい。

① どう進めるか? → ロードマップ
② 何を決めるべきか? → マイルストーンの設定
③何をするべきか? → タスクの設定
④どう進むか? → 進行シミュレーション
⑤ 何を残すべきか? →ドキュメント


最後の⑤は決まったことを見えるものに残すという作業。やり取りを行う中で起こりがちな「言った・言わない」を避けるため、「確実に決まったよね!」というのを紙面上やメール上に残すのです。これは日々の業務の中で本当に必要なことで、口頭でのお約束をした場合、私もできるだけクライアントと確実に共有するために、そして今後ブレさせないために確認のメールを送っています。

最後に。

スムーズな進行を実現するためのロードマップを組み立てるときに光るのが、まさに「先読み感覚」。この「先読み感覚」こそがディレクターの力量を左右するのだろう。これまで何となく感覚でやってきたことが正しかったんだ…と安心したり、もっと突き詰めなくては…と反省したり、取り入れるぞ…と奮い立ったり。あっという間のセッションでした。
しかし、この年度末の繁忙期。リアルタイム視聴が難しい。
でも大丈夫! 強い味方の「アーカイブ視聴」で、猛烈に追いかけますよ。ふふふ。

「現場学校」の詳細はこちらから
https://gbgk.jp/


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