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高卒アラサーバツイチ子持ち女子が就活してみたお話。第1話

高卒、バツイチ、子持ち、アラサー、パソコンできない、事務経験ゼロな私が、事務員目指して就活したらこうなった。

※これはフィクションです。職業訓練校に入学する経緯から、就職まで物語風にお伝えします。

・登場人物プロフィール
・今の私から6か月前の私へ
・ここ1年の出来事
・友達からの勧め


登場人物プロフィール

○神崎 文子 27歳 A型 高卒 バツイチ 子持ち
 飲食、接客サービス業で働いていた。仕事で知り合った男性と結婚、出産
 コロナの影響とご主人の事業失敗で別居。シングルマザーになった。

○中村 優香 27歳 O型 
 文子の幼馴染 彼女自身も苦労した転職を経験しており、アドバイスや
 サポートをしてくれる存在。

その他
○芋先生  キャリアコンサルタント 講師
○校長先生 訓練校の女性の先生 
○その他受講生


今の私から6か月前の私へ

今から半年前
あの頃の私に伝えたい言葉がある

「私もやればできた。だれでもやればできる。人生はやり直せる。」

私は今日、やっとスタートラインについた。
思い返せば半年前、まさか私がこれまでの人生を振り返り
これからの人生を深く考えた就職活動になるとは
夢にも思っていなかった。

世の中には、輝かしく生きている女性もいれば
私の様になんとなく生きてきて
気が付けば自分の自由もない、希望もない
生きづらくてどうしようもないところまできて気づく人もいる。

「私も輝いて生きたい」

と思う女性のみなさんに、
半年前の私がどう歩んできたのかお伝えしたいと思います。

ここ1年の出来事

私は高卒で就職した。
勉強は好きじゃなかったし、大学に行くより はやく立派な社会人になって
自分の好きな事して、素敵な彼氏をみつけて
結婚して、子供産んで、幸せな人生
そうなったらいいな~ なんて思ってた。

親をなんとか説得して あこがれの一人暮らし
地元から少し離れところにアパートを借りた。
家具を選ぶときは楽しかったな~
初めての仕事はスーパーの店員
それから飲食店ウエイトレス
そして今は、コンビニのアルバイト 
それだけじゃ足りないから、夜はお水の接客やってた。
最初お酒のからむ仕事は苦手だったけど、だんだんこの生活も慣れてきた。
欲しい服も買えるようになったし、海外旅行も台湾と韓国に行けた。
笑って好きなことして働いて、これからも楽しく生きるはず!
だったのに…

ここにきてコロナが大流行。

コンビニのバイトはなんとかなったけど、夜のお店はお休みに…
そんなタイミングでまさかの妊娠発覚!
流れで決めた授かり婚…写真だけの結婚式…
それから出産ぎりぎりまで働いた。
そしてかわいい女の子が生まれた。

…けど

それからすぐに旦那とは別居した。
理由は働かないから。
旦那は、出逢った頃はキラキラしていた。
いい会社に勤めてたし、よく飲みに来てくれた。
1年つきあってて、結婚も意識してたから授かり婚でも
私は嬉しかった。

「俺ならできる!」って、旦那は調子に乗って独立。
はっきり言って完全に勘違い野郎だった。

それから私の人生
この1年でずいぶん景色が変わったよ。
そして奴はすぐに会社はつぶしちゃって
どこかから借りてきた1000万の借金が残ったただけ。
社長夫人だって、私も一緒に喜んでたけど甘かった。
会社を閉じて、彼もこれじゃいけない!って再就職がんばってたけど
どこに勤めてもすぐ辞めてくる。
わたしもいい加減こんな不安定な生活に耐えられなかった。

「このままじゃダメになる」
「こんな奴に私とかわいい子供の人生を捧げたくない」

そう思って旦那には”離婚”を切り出し
わずか1年の結婚生活に別れをつげた。
それから実家に転がり込んでみものの…
私の両親も共働き。
子育てに協力的なんだけど
いくらかわいい孫とはいえ限界がある。

シングルマザーの道をえらんだのは私。

私が選んだ相手と結婚して、私の意思で別れてきたのに
これ以上両親に負担をかけるわけにはいかない。

「ちゃんとした会社に就職しよう」

私は毎日のように求人誌をみては
”自分にあいそうな仕事”を探した。
子どもに、ひとり親を理由に不便な思いはさせたくない…
そんな思いが強かった。
・私は、子育てと両立できる仕事がしたい。
・土日祝祭日は休みたい。
・時間は短くて定時で帰れる仕事がしたい。
・人間関係が良い職場で働きたい。
・欲を言えば正社員になりたい。
・どうせならボーナスがある会社に勤めたい。
・できるなら私が稼いで親に楽させたい。
などなど
(今になって気づいたのだけど、旦那の影響なのかわがままな条件ばかり)

なんて毎日ぼやいてた。
そして友達に助けを求めるように聞いてみたの。

友達からの勧め

幼馴染の優香に電話した。
結婚と出産の話とか、これから就職しようとしていること
色々と話しをした。

優香「ん~ん…文ちゃんが言いたいこと大体わかった~(私はぶんちゃんと呼ばれている) そうだよね~私も再就職には苦労したよ~
文ちゃんの場合、いざ仕事するってなると子供がいなかった頃みたいに簡単に決められない条件があるでしょ~、んで会社側にも雇う条件とかあるじゃない?そうなるとなかなかないんだよね~」

文子「そう~優香~わかるってくれるよね!そう仕事がないの!ってか、仕事を選ばなければ~あるにはあるけどさ~時給が安いじゃん?」

優香「そ~だよね~飲食店とかスーパーとか?ほぼ最低賃金じゃん?(2022年現在沖縄県最低賃金820円)フルで働いて手取りいくらになるのかって話だよね~」

文子「ね~大体さ~月15万位貰うじゃん?私もっと欲しいんだよね~」

優香「え?ぶんちゃん?ちょっとまって」(スマホの電卓…)
820円*8=6560円 週5日=32800円 4週=131200円
「ねぇ?最低賃金計算で基本13万だよ?手取りはもっと少ないはずだよ?
時給×160時間で計算してみて~大体月の給料がわかるから~」

文子「え?なんで計算まちがってた?」

優香「ねぇねぇ いままで残業もあったでしょ?その感覚で話してない?
まず~振り込まれる給料は”手取り”ね。
”基本給”があって、手当がもろもろ付いたのが”総支給”で
そのあと、保険と税金が引かれて”手取り”になるってことね。
「引かれるのはね~所得税、住民税、雇用保険(社会保険料)とかかな~
 文子の場合は~残業がないと、手取りで10万あるかないかじゃない?」
■給与の仕組み 

文子「あ~そうだよね~あんまり考えてなかった~
 これまで振込されたお金で生活やりくりすることばかり考えた~」

優香「子育てしてるとね~色々大変なんだよね~」

文子「そうなの~それで旦那が仕事しないって最悪じゃない~?」

優香「それね、気が付いたらがんばっているの私だけ?って(笑)」

私はお金が欲しい!って思って仕事してたけど
働いたお給料は全部私のモノになるんじゃなくて、税金と保険料が引かれてわたしが使えるお金が振り込まれていること、ちょっと理解した。
お金のこと、社会の仕組みとか何も気にしていなかったなぁ…

文子「ん~…お給料はたくさんほしいのに、税金と保険料が結構な金額引かれちゃうんだね~あまり考えてなかったな~.…」

優香「そ!だから社会の仕組みを知って仕事は選ばなきゃね~
 でも仕事選びは収入だけじゃないわ~」

文子「え?収入で選んじゃだめなの?」

優香「そう収入で選ぶと流されちゃうよ。ってか今ながされてんじゃん?」

文子「私が流されてる?生きるために仕事してるじゃん?それが流されているっていうの?」

私は自分の生き方を否定されていると感じて、怒りがこみあげてきた。
優香がなぜ”私が流されている”と言うのか、問い詰めてみた。

優香「まぁまぁちょっと落ち着いて!私も今の仕事に就くまで同じ考え方だったから言えるの。」

文子「なによ!今は違うっていうの?」

優香「そうなの。今はね、ちょっと教えてもらったことがきっかけで、こんな仕事をしてるの」

優香は名刺を私に渡してくれた。「株式会社サキホシ 担当 中村 優香」

文子「へ~今この会社で働いてるの?すごいじゃん!」

優香「すごい?ありがとう~でもね、私も1年前は文子と同じで、事務経験全くなかったのよ。」

文子「えーーー!事務未経験なのに?就職できたの?なんで?なんで?しかも名刺って正社員?」

優香「まだ正社員じゃないけどね、いい会社でさ~社員全員名刺をもって仕事できるの。」

文子「ねぇ~私も優香の会社で働きたい!ね!私は入れる?」

優香「いいけど~.…文子は本当に事務職やりたいの?」

文子「やりたいよ~変なこと聞かないでよ~…経験がない優香ができて、私ができない仕事なの?やる前からなんでそんなこと言わないで!」

優香「まぁまぁ…ちょっと聞いてね。私もそう思った時期があったの、事務仕事なんて教えてくれればいいじゃんってね~。
でもね、就活で2社に書類選考で不採用だったの。
理由は”未経験者”だからって。
その時ね”みんな未経験からはじまるじゃん!”って言い返したかったよ~
それでね、あるところに相談したの。
ちょっと就職したい会社に入れないので、なにか方法ないですか~って」

文子「え?就職の前に何かしたの?」

優香「そう、ハロワで相談したら”就労支援職業訓練校”を紹介されたの」

文子「そうなんだ~それって…お金が必要じゃないの?」

優香「実は、*無料(テキスト代は別)で受けられるのね。
私の場合は月に10万円貰いながら通ったの。」

文子「え~何それ?10万円貰いながら通えるの?すごいじゃん?
私もそれやりたい!」

優香「いいよね~私もその訓練校で自分を見直したり、パソコンスキルを磨いて資格をとって自身がついたの。そこで事務職として未経験でも即戦力になれる自信をつけて、今の会社に採用が決まったの。」

文子「へ~なんかすごくない?なにそれ?私もそこ行きたい!
やり方教えてよ~」

優香「いいよ~けど、国の制度だから手続きをしっかり確認して、どんな訓練を選ぶことからだね」

文子「うん優香が通った訓練校がいい!ねぇ!ちょっと付き合ってよ!」

優香「お?やる気出たのね~今日は日曜だからさ~平日は私も仕事があるし、自分で行ける?」
文子「…ちょっと不安だけど、やってみるよ!ありがとう!」

私の心は優香の話を聞いて、期待と不安がぐるぐる回っているのを感じた。

家に帰って両親に相談したら、逆に絶対行って来いって言われて小遣いまでもらった(笑)
「ママ がんばるからね」
最近寝返りができるようになった娘に誓った。

■今日わかったこと
・時給×160(1日8時間、週40時間×4週)で単純な月給計算ができる。
給料は、”基本給”(時給×時間)+”支給額”(手当、残業代)ー(保険と税金)で”手取り”があること
・ハローワークを通して職業訓練を受けることで、毎月10万円の給付金をもらいながら就職活動について勉強できる。
・給料で仕事を選ぶと流される。

次回「ハローワークからスタート」に続く

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