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友人・知人と一緒に起業するときの注意点〜創業者間契約ってなに?~ MSLウェビナー#3

仲のいい友人や信頼している人と起業する前に必ず知ってほしい。
もし将来、仲間割れをしたら、株や一緒につくったサービスはどうするのか。
それを決めずに会社をつくるとなにが起こるのか、リアルな体験談とその解決策を熱く語っていただいた。
起業家・スタートアップ支援のため、弁護士、弁理士、司法書士、税理士、社労士が集う南森町スタートアップ・ラボさんによるウェビナー第3弾。
まずは、前回(https://note.com/billageosaka/n/n6a1a4662132c)の続きから…

1.会社を設立する際に注意すること

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会社は1円から設立できるが、許認可を取得する事業は一定額以上の資本金が必要。
また、銀行口座の開設のため(取引先から信用を得るため)にも100万円以上にしておいた方がスムーズ。

起業家 三田先生が体験した資本金フィルターとは?
資本金が100万円未満だと…
・クレジットカードの申込で別手続きが必要
・採用サービスを使おうとしたときに断られる など

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取締役会はあってもなくても、それほど会社の運営に支障はない。
ただ、取締役会設置において、最低取締役3名、監査役1名は揃えなければいけない。
万が一、1人でも欠けてしまうと取締役会設置会社をやめるか、だれかを引っ張ってこなければならない。
→コストがかかる(やめるときには10万円単位でお金が必要になる)ため、判断は慎重に。

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市の変更に税金だけで6万円、費用込みで10万円を超える
→明確に本店所在地を決めてから定款(※)を作成しよう。
(※)定款…会社を運営していく上で必要不可欠な基本的ルールを定めたもの。


2.2人以上で起業する際に注意すること

ここからが今回のメイン!
まずは、株主同士でなにも決めごとをせずに会社をつくるとなにが起こるのか、実例を紹介。

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(※) 簿価純資産法…非公開会社の株価評価の手法のひとつ。貸借対照表上の純資産の部を株主価値と考える。客観的に現在の現実的な価値を反映しやすい。

→・一緒に起業した友人と円満に別れることができなかった
 ・株の買い取りに元の価格より多くかかった
 ・一歩間違えていたら何百万~何千万円必要だった or 株を買い取れずにリスクを抱えたまま経営していた

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株は財産のひとつで、不動産や車と同じように本人の所有物になる。
相手の財産をいくら一緒に創業した仲間だからといって、奪い取ることはできない。


そうすると、なにが起こるのか…

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例えば…決算書の承認には、50%以上の株主の賛成が必要
     新株の発行には、3分の2の株主の賛成

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たとえ競業避止義務を定めていても、民事訴訟を起こさないと止められない

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ノウハウを法律で守るには不正競業防止法における営業秘密に該当しないと難しい。
しかも、そのハードルはとても高く、大企業でも通らない。
ちなみに、顧客名簿もアクセスできる人を管理したり、権限を決めておいたりするなどのルール決めをしていないと止めることは厳しい。
会社が持っている情報はなんでも法律で守れるわけではない

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一緒に創業する仲間とトラブルが起きたときどうするのか、約束をしておこう。
実際にありそうなケースからその対策としてどんな条項を書けばいいのかを解説!

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創業メンバーの誰かが会社の役職員の地位を失った場合、会社に残った人物が指定した金額で買い取ることができる
→株を高額な値段で売られる、買い取らせてくれない問題を解決!

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競業避止義務、秘密保持義務を契約書の中に書く。
会社をつくるときに一緒に約束しておけば心理的に効力が強い。


Q.こんな契約書は有効?

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A. 違法(憲法で職業選択の自由が定められているため)

それなら…
海外で→日本で / 死ぬまで→10年間 / ウェブマーケティングをしてはいけない
→これもたぶん違法

日本で→大阪府で / 10年間→2,3年間 / ウェブマーケティングをしてはいけない
→合法か

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契約でも強制的に解雇はできない。
役員は解任できるが、66.7%以上特別決議ができるだけの議決権がないと難しい。
強制的に解任した場合、残りの期間の役員報酬を全額損害として一気に発生する。
仲間選びは慎重に

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株をいくらで買い取るのか。
株の種類:上場 or 非上場 / 譲渡先:法人 or 個人 で取り扱いが変わってくる。
今回は、スタートアップ 非上場 / 個人 の場合

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時価…会社の企業価値を表したもの

この場合、譲渡側にも譲受側にも税金がかかる
高い価値の株を安い値段で買い取ると、贈与課税が高くなるので注意。
ちなみに、贈与課税は非課税枠110万円以内なら税金はかからない。

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この場合は譲渡側のみに税金がかかる。

3.本日のまとめ

創業者間契約は婚姻届け並に大事。


4.次回予告

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会社をつくったあと、銀行や投資家からお金を集めるために必要な事業計画の作り方を解説!

Twitter:@msl_osaka
Peatix:https://peatix.com/group/7504919

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