RPAってなんだ?~国内最大級RPAコミュニティから学ぶRPAの真意~
12月7日にbillage OSAKAにてRPACommunity主催「RPA勉強&LT会!RPALT 大阪 vol.01」が開催されました。
今回は、業界初の完全なユーザー主体のRPAコミュニティ「RPA Community」が主催するRPA勉強会&LT会です。
関東で大好評を受けた、ということで、今夏は初の関西開催!多くの方が参加しました。
お菓子や飲み物をたべながら、とても和やかな雰囲気でイベントは進行してきました。
RPAの本質とは
まずはMitzさんよりそもそもなんでRPA?コミュニティなの?という部分を話していただきました。
このRPAコミュニティはなぜやっているのか、コミュニティで学ぶのはなぜなのか。東京でおよくRPAの勉強会やイベントは開催されていますが、そのほとんどがあいまい内容だったり、営業目的の偏った内容だったり、ということが多いです。また、自分からの発信もとてもしにくい。そんな環境があります。
そこで、コミュニティという形ならば偏りもなく、自分からの発信も気兼ねなくでき、真の意味で業務改善をするためのRPAの活用について学べるのではないかと考え、コミュニティでの勉強会を開催することにしました。
RPAは手段です。目的ではありません。また、業務改善や無駄を省く、という理由でも面白くありません。
無駄を省く、労働時間の削減などのネガティブなイメージではなく、空いた時間で大切な人との時間を作る、などのポジティブなイメージを持ってRPAに取り組んだ方が面白い!と考えます。その方が魅力的?かもしれません!
RPAで何ができるか、どのように応用できるのか、という観点ではなく、なぜRPAが必要なのか、そもそもニーズに対して本当にRPAを導入する必要があるのか?そういった部分を既きちんと問いただして、考えてからの導入を検討する、ということが良いです。
RPAをするかしないか、そしてRPAを活用するのは何のためなのか…。そういうところをより深く、コミュニケーションを通じて行いましょう、というMitzさんの熱い想いが伝わるお話でした。
働き方改革って?
そもそもRPAを導入しようとするのはなぜでしょうか?さきさんから昨今の働き方改革についてお話を伺いました。
さきさんは普段、声優や歌手として活躍する反面、はんだごてを利用して自らデバイスを作成してIoT接続したりと、腕前は一流!とのことです。
例えば残業時間を減らす、といった一つのことだけを改革するのではなく、一人ひとりのライフスタイルに合った働き方を改革すること。これこそが真の働き改革です。
一人ひとりのニーズに合った働く場所、時間などを改革していくことが重要です。
最近特に問題となってるのは女性の働き方について。出産、育児といったライフステージの変化により、どんなにキャリアアップして実力を積んでも、活躍できる場がない、用意されない…。などの問題があります。
そのような問題をマミートラックといい、現在4人に1人が近問題に陥っています。現在は少子高齢化で働き手も少なくなっており、このマミートラックの問題を回渇することが、労働したい人と労働者が欲しい人との両者の問題が解決できると考えています。
働き方改革といって、その方法としてRPAが必要なのか?というとそうではありません。必要なのは情報の共有とコミュニケーションができる環境です。
情報の共有はクラウドサービスを利用することができますし、コミュニケーションもchatworkやslackなどのチャットツールで解決できます。
また、これらのツールを使用することに加えて、ツールを使用できる制度とそれを認めてくれる上司の理解も必要です。これらを踏まえたうえでもっと時短や単純作業の無駄を省こう、という場面で初めてRPAが登場するのです。
働き改革は企業の働き方改革ではなく、人のか働き方改革であり、制度を作るだけではなく、それを認めてくれる上司や環境が大切なんですね。
大阪でRPAが激アツな理由
続いて大阪にスポットを当ててRPAについてお話いただきました。
万博が大阪にやってくる2025年、大阪の人口は激変します。2010年の884万人をピークに、2025年にはなんと40万人も減少するといわれています。
また、これは日本の3大都市(東京、大阪、愛知)の人口減少率の中でももっとも激しい推移です。そんな今だからこそ、日本、アジアの働き方改革のモデルとなるべく、RPAに取り組むべきだ!というわけです。
「RPAって難しそう…。」「ロボットでしょ?抵抗あるな~」と思っている人に言いたい。そんなことはないんです、と。
エレベーターだっていわゆるロボットです。ボタン一つで行きたい階数まで自分を運んでくれます。ボタンひとつで請求書が発行できることと何ら変わりないのです。
土壌がある大阪でこそ、オモロく大阪を変えていこうではありませんか!
ソフトバンクの実例から学ぶ!RPAの開発・導入について
続いて、ソフトバンク株式会社 プロセスマネジメント本部 サービス事業統括部 坂口武史さんから、ソフトバンク社内でのRPAの導入から現在までの過程やメリットについてなど、実例を交えながらお話していただきました。
前日したように、現在日本は全国的に人口も減ってきており、また、他国と比べて労働生産性が低いとされています。限りある人材、そして時間の中でどれだけ効率よく生産性を上げるのか…。そこで登場するのがRPAです。
具体的にどういった場面での活用ができるのか。様々なところで実用はされていますが、一番かつよされているのは人事、経理、総務、営業事務なのどのバックオフィス業務です。人間がパソコン上で何分もかけて行っていた単純作業を、RPAを導入することで何秒、という単位で業務が完了するのです。
RPAがもたらす効果は、「ミスが減ることによる品質向上」「業務スピードの向上」そして「業務工数の削減」なのです。
どういった産業・業種により効果的なのか、というと、これこそ本当に様々ですが、よく言われるのはバックオフィス業務が多い金融系や職業紹介系の企業です。
これだけ大きな効果をもたらすRPAですが、まだまだ導入の実情は不足しています。300人以下の規模の企業だと、まだ50%もの企業がRPAにすら触れたことがないというデータがあります。
RPAの導入自体は全く難しくありません。ソフトバンクではすでに、RPAの導入を進め、単純作業の業務をやめよう、社員はもっと付加価値のある業務をしよう、ということで現在いろいろなことを移行していっています。
1>どのようにしてRPAの開発、導入を行っているのか?
ソフトバンクではトップダウンでRPAを使用するよう呼びかける、というよりかは、現場からの発信でRPAの導入を行う方が成功しています。RPAを導入した業務の効率化には現場の業務をよく知っている必要があります。また、もし現場でRPAにトラブルがあったとき、自分たちで開発から携わっていると、柔軟に対応ができる、というメリットもあります。
そこで、現場の人を3人、開発、運用、推進のリーダーにして、現場での開発、導入を進めています。
ある部署が成功し、イノベーションを起こすと、それが隣の部署や社内に伝わって、イノベーションの共創になる、ということが起きるようにしています。
2>実例①シニア世代のバックオフィス業務改善
一つ目は、シニア世代の社員でもRPAの開発、運用が可能である、という実例を紹介しました。
ソフトバンクではある一手の年齢になると、自分の役職を次の人に引き継ぐ、という慣習があります。営業職だった社員は自分の役職を引き継いだ後、バックオフィス業務になりました。
そこでRPAの習得、開発を行っているのですが、それまでに習得していたマクロなどと比べて、習得するのは簡単だと語ります。10時間もあれば取得できるのでは?とも。
現在はバックオフィスの業務改善のために日々新しいロボットを開発中、とのこと…。
3>実例②総務部の業務時間を大幅カット!
二つ目の事例は総務部での事例。総務部では人事異動のタイミングで社員のセキュリティカードの割り振りをします。異動が決まってからの業務になるので、スケジュールはとてもタイト。数万人の社員のセキュリティーカードの情報・権限変更を立った2日間でしなければなりません。
そこで一人の女性社員がRPAを開発。「データ抽出」「データ加工」「システム登録」「カードの発行、権限変更」という4つある業務工程のうち、3つをRPAにより自動化することで、年間なんと58時間もの業務時間削減を実現しました。
開発した彼女自身の働き方改革にもつながりました。
こうした事例以外にも、ソフトバンクでは人事、総務、そして営業部門でも多くのRPAが開発、導入され、なんと24,000時間もの業務時間削減を実現させました。
1>ロボット作成を他人任せにする
これはよくありません。ロボットの作成を他人に任せると、いざ動かなくなってしまったときにどうにもできなくなってしまいます。そうすると2つ目、3つ目以降の作成をしようとは思わず、翌年にはRPAを解雇、なんてこともあり得ます。
2>いきなり大規模展開
RPAはあくまで作業の効率化であり、システムではありません。いきなり大規模で展開すると、業務の見直し、現行のシステムの改修等、本末転倒な結果になりうるのです。
3>現場からの理解が得られない
いくら管理職がRPAの導入を進めていったとしても、現場にどんな業務があるのかをしっかり理解していないと、現場での活用は難しいです。現場にどんな業務があって、そしてRPAを導入することの目的と意味をきちんと理解してもらうことが大切です。
RPA BANKより最新情報公開!
Mitzさんとさきさんが所属している日本最大級のRPAプラットフォーム「RPA BANK」。その最新データの報告もうかがいました。
1>RPA BANKのビジョン・ミッション
RPA BANKは企業ではなくメディアとしてプラットフォームを提供しています。「ロボット共に働く幸せな時代を作る。それが当たり前になる。」というビジョンを掲げ、活動しています。
各界の著名の方も、「ロボットとの協働を前提とした組織編成を考えなくてはならない。」「人類は生涯の8割を学習に充てるようになるだろう。」と語っているほど、RPAを今後の未来で当たり前の存在にしたいのです。
2>広く網羅された情報網
現在会員数がなんと75,000人以上になっており、現在最も伸びているサイトとも言えます。
また、RPA BANKは様々な団体・企業と連携しており、各種イベントや勉強会、セミナーを実施。その模様をアーカイブやコラムとして発信しています。
RPAcommunityもRPA BANKと連携をし、今後様々なイベントを開催予定です。
3>国内最大級のRPAカンファレンス
国内最大級のRPAカンファレンスも開催。2017年には2,000人だった来場者が、2018年8月にはほぼ2倍の4,000人以上もの来場者を記録しました。
また、国内で唯一PRA・AI協会の理事に支持されています。
4>国内唯一のツールフリーロボットマーケットプレイス
RPA BANKを活用して、ユーザーが開発したPRAを掲載して、ユーザー同士で購入したり情報発信・情報交換ができるようにする予定です。※2月に開催予定
RPA BANKの会員限定でRPAに関するアンケートをとりました。11月公開の最新データになります。(有効回答社数:772社)
1>どの業種が多いか
回答社数の比率はRPAに関心がある比率、と仮定したところ、もっと多いのはメーカー、次いでサービス業となりました。
2>従業員内訳
最も多かったのは大企業(従業員数1,000人以上、全体の45%を占める)でした。このデータから読み取れるのは、大企業ほど取り組む余裕があり、また関心が高いのでは?ということです。
3>企業規模のRPA導入状況
前述したとおり、従業員数が1,000人以上の規模の企業だと、すでにRPAを導入したり、トライアルの段階に入っている企業数が全体の85%をしめ、300人~1,000人規模の企業で約80%、300人以下の企業でも、実に60%もの企業がRPAに取り組んでおり、どの企業層でも2018年6月のデータから比較すると増加しています。
4>RPA推進組織
企業の中でどの組織がRPAの推進に取り組んでいるのか、というデータでは、トライアル段階では情報システム部、利用部門が推進しており、本格展開の段階ではRPA推進専門組織や経営企画室が推進してることが多いという結果になりました。しかし、この結果があるからといって、必ずしも成功している、とは限りません。
5>RPA本格展開における課題
RPAを本格的に展開している企業の課題は何でしょうか。2018年6月に実施したアンケートでは34%の企業が「開発スキル・人材の不足」と回答していましたが、2018年11月のアンケートでは28%まで減少していました。しかし、代わりに「運用体制の統制」や「組織体制」に課題を感じている企業数が増加。このことより、開発スキルは向上してきたが、運用に関して課題を感じ始めた、という次のフェーズに入ったのでは、と考えられます。
その後の質疑応答でも運用、管理に関しての質問も上がり、開発した後の展開について考えましょう、という意見が上がりました。
LightningTalk開始!
ここからは働き方やRPAについて有名の方に5分ほどの短い時間でお話を伺いました。
RPAの導入・維持などに関する問題点や注意点、アドバイスなど、各々の考え方を伺いました。
最後に集合写真を撮影して、イベントは終了しました。
RPAcommunityではスポンサー、そしてLTの登壇者を募集しています!
RPA総合プラットフォーム「RPA BANK」のホームページ(今回お話ししてくださったMitzさんとさきさんが携わっています!)
billage OSAKAはこれからもこのようなイベントを随時開催していきます!
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