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本物のリーダーとは?チームの成果を上げる3つのメソッド

1月19日、billage OSAKA内にて株式会社タバネル・株式会社夢峰 主催の「ホンモノのリーダーを目指す人のチームの成果を200%ひき出す方法【ワークショップ体験型】」が開催されました。

billage OSAKAでは2019年一発目のイベント。このイベントはワークショップを通じて、チームで成果を上げるためにはどんなリーダーになればいいのか、というものでした。


今回の登壇者は以下のお二人。

奥田 和広 さん(株式会社タバネル 代表取締役)
1975年生まれ 一橋大学卒業後、アパレル、化粧品メーカー、コンサルティング企業などで勤務。事業責任者(取締役)として最大170人の組織マネジメントに携わる。自らのマネジメントとコンサルティングの経験を活かし、OKR導入コンサルティングの株式会社タバネルを設立し、現在に至る。

内藤 大悟 氏(株式会社夢峰(ムーブ) 代表取締役 キャリアコンサルタント)
1983年生まれ。関西大学卒業後、一部上場商社にてビッグデータ活用に従事。 独立後、800人以上のカウンセリングを実施。 ヒトとデータを組み合わせた人材教育メソッドを開発し、株式会社夢峰を設立。 同メソッドは国内外の企業、自治体へ導入され昨年フィリピン国バゴ市長より表彰を受け、現在に至る。


参加者はネームプレートに名前ではなく、それぞれ呼ばれたいニックネームを記載しての参加。

とても和やかな雰囲気でイベントはスタートしました。



本物のリーダーとは?~はじめに~

まずは「『リーダー』とはどんな人か?」という問いかけからスタートしました。

事前に参加者の皆さんに考えていただいた意見を改めて聞いていきます。

「先進的な決心ができて、決断力・実行力がある人」
「皆が興味を持ってくれる人」
「常に広い視野を持って、メンバーのことを考えられる人」
「バランス感覚があって人間力のある人」

などなど…。参加者の皆さんからたくさんの意見が出たように、考えられるリーダーの像というものはたくさんあります。まずは今日話す「リーダーとは」という定義を決めておきましょう。

メンバーがいて初めてリーダーになれる。

リーダーはメンバーがいないとリーダーにはなれません。では、メンバーとリーダーの違いとは何でしょうか。

メンバーは自分で動いて自分で成果を出す人です。それに対してリーダーはチームを動かして、チームの成果を出す人のことを指します。自分個人だけ動いてもチームの成果は出ません。なので、リーダーとしてチームを動かせる人、チームの成果をあげられる人を今回のリーダーの定義とします。

「チーム」「目指す方向」「調整」を操る。

チームを動かしてチームの成果を上げられる人をリーダーとするならば、「チーム」を動かして成果を出すにはいったいどうすればいいのでしょうか。

まずチームがあり、チームにはそれぞれが目指す方向があります。目標に向かっていくと、メンバーそれぞれの事情は特性等などから調整が入ります。この「チーム」「目指す目標」「調整」をうまく運用することで成果につながります。では、具体的にどうすればいいでしょうか。

〇「チーム」には「心理的安全性」が必要
嫌われたらどうしよう、失敗したらどうしよう…という不安な感覚があると同じチームとして働けなくなります。そうではなく、信頼しあって、いろいろな意見が言える関係にしましょう。

〇「目指す方向」には「ビジョンの作成」が必要
心理的安全性が確保されたならば、チームには明確なビジョンを定義する必要があります。

〇「調整」には「目的・目標の設定・管理」が必要

この3つのステップを踏むことがチームの成果を引き出すことにつながるのです。今回はこの3つのステップをワークショップを通じて学んでいきましょう。



心理的安全性を高めよう

ここからは株式会社夢峰MOVEの清水さん進行で、チームの心理的安全性を高めるためのワークを行いました。

このワークの目的はみんなの個性が違う、ということです。心理的安全性を確保するにはこのメンバーの違いを知ることが一歩になるのです。


次のステップに移っていきましょう。株式会社夢峰MOVEの内藤さんがビジョンの発掘の方法に関してお話してくださいました。



ビジョンの発掘~「バカな?!」が「なるほど」に変わる~

チームの目指す方向を構築するために、ビジョンの「発掘」を行っていきます。先ほどのワークのチーム内の違いも大事になってきます。

AIに勝てる人の持つ3つの能力

これまで人に求められていることとは「知識を覚える」「単純な作業に熟練する」「指示に従う」ということでしたが、これらはAIの方が得意であり、かつ言ってしまえば人よりもはるかに高性能なのです。人に求められることが大きく変化したのです。

では、AIではなく人に求められているもの、AIよりも得意とすることとはいったい何なのでしょうか。それは「未来を描く」「問題を発見する」「対立を調整する」ということです。

イノベーションは何が起こす?それはあなた、かもしれない。

上記を踏まえて、経営者を対象としたビジネスリーダー調査という結果を見てみました。今後重要になるキーワードは何か、という問いに対して多く出た答えは「生産性」「発想」そして「イノベーション」でした。生産性と発想はまだわかりやすいですが、イノベーションとは何でしょうか?

いろいろな人が定義をしていますが、なかなかわかりづらい。小学生に説明するならば何と答えるか、と考えたのですが、「バカな?!」ということを「なるほど!!」ということに変えるプロセスのことをイノベーションと定義づけようと考えました。

このプロセスが、今までのアプローチとどう違ったのかを見てみると、今まではロジカル・シンキングなどで現状を論理的に考え、問題のある現状と目的・目標とのギャップを埋めていく作業だったと思いますが、イノベーションは未来創造型アプローチなのです。ます最初にこうありたいという「バカな?!」を描きます。描いた上で、それぞれの個性や強みを生かして後付けや意味づけでまずは未来のビジョンとの間を埋めていく、というアプローチです。

ジョン・F・ケネディ元大統領は大統領演説の時にこんなことを言いました。「人類を10年以内に月に運ぶ」、と。このときは誰もが月に人類が立つことを想像すらしませんでしたが、のちにアポロが月に降り立ちました。
そして人権問題の一人者であるキング牧師の有名な言葉が「I have a dream.」です。どんな夢だったのか、というと、人種差別真っただ中のアメリカで、肌の色に関係なく食卓を囲み、人格や能力で評価される世界のビジョンを描いていました。今だと当たり前ですが、逆風真っただ中で彼はこのビジョンを描きました。

このビジョンがとても大切です。ビジョンを日本語で言うと、「夢」「理想」という言葉になります。ビジョンはケネディやキング牧師のような偉大な人しか描けないのか、というと、そうではありません。

ビジョン発掘の法則

一番大切なことは、一人ひとりが生き生き輝くことができる源を見つけることです。それが皆さんの個性になります。

ビジョン発掘を体験をしよう

ここでワークを通じてビジョンを発掘することを体験しました。ビジョンとはどこから発掘するのか。それは自分の中からです。

このワークではお互いがペアになり、インタビューを行いました。お互い魅力を発見し、自分の中にある「いきいき輝くことのできること」と「自分の可能性」に気づくためのものです。

1対1で少し緊張の雰囲気もありましたが、皆さん順調にインタビューできたようです。

このワークの後は、個人ワークとして、再度気づいた自分の「いきいきと輝けること」「自分の可能性」を踏まえて、自分が、そして自分が挑戦したいことについて書き出していきました。

考える、話す、共有する…。という工程を繰り返し、自分の中の可能性やビジョンの発掘を体験することができました。



目指す方向に向けて行う「調整」のメソッド

10分間の休憩をはさみ、続いて目的と目標の設定・管理に関して株式会社タバネルの奥田さんからお話しをいただきました。

大きな目的…それは落とし穴?!

こんな話があります。レンガを積んでいる人3人に「何をしているの?」という問いかけをしたところ、

「レンガを積んでいる」
「給料を稼ぐために働いている」
「後世町のシンボルになる大聖堂を作っている」

と、三者三通りの答えが返ってきた、というた例え話があります。これは、組織の目的・ビジョンを理解・共感している方が仕事のモチベーション・生産性が上がる、ということを表しています。

しかしこの話には落とし穴があります。

「後世に残る大きな大聖堂を創るためにレンガを積んでくれ」と依頼主から頼まれたとして、あなたはどう感じるでしょうか?おそらく、「どこまでレンガを積めばいいのだろうか…。」と思うでしょう。

大きな目的に共感することは大切ですが、目的だけではなく、明確な目標を持つことが非常に大切です。加えて、会社組織の中で上司と部下の間で目標管理を行うかと思います。この時、目標管理はをしているのはあくまで上司と部下の個人間でのみ共有ですので、部下同士の協力、というものが中々生まれにくい、という状況が生まれます。(俗にいう縦割り組織)

このとき、例えば部下の進捗が1人だけ遅れているとすると、進捗がより進んでいる同僚の状況がわかれば協力を要請することも可能ですが、他の人がわからない状況だと協力も要請できません。

チームで協力するためには透明性が必要です。個人での目標管理も必要ですが、チーム同士の目標がみんなで見えていれば、チーム内で協力・助け合いが生まれるのです。

「チーム」「目指す方向性」の間にある「調整=目的・目標の設定・管理」をチームで行うためのメソッド、OKRを実践していきましょう。

OKR=Objectives and Key Result

OKRとは、1つの目的と2~5の重要な結果指標を用いた目標管理であり、4半期に1回の高頻度でフィードバック行う、全員公開の目標管理です。

〇目的     =挑戦的かつ魅力的なメッセージ
        =組織、チーム、個人の目的に一貫性がある
〇重要な結果指標=計測可能
        =簡単ではないが達成可能な重要なものに絞る

決して「あれもこれも…。」と欲張らず、重要なものに絞ることが大切です。

具体例を紹介します。アプリ開発会社が打ち立てた「あたらしいアプリを大成功させる」という目的を設定したとします。しかし、”大成功”といっても人それぞれ考える基準も違いますし、今のままでは成功したかどうかの評価ができません。そこで具体的にどうすれば成功したといえるのか、ということを設定します。

ここでは「無料版のダウンロードが一日100件」「無料版から有料版への移行が20%」「有料版ユーザーの満足度が70%」と重要な結果指標を決めました。これを決めるのがOKRです。具体的な数字で成果判断が比較的正確に、わかりやすくできるようになるのです

OとKRを設定することが一番の肝なのです。

☆ポイント☆
〇もっともっと上へ!
 
→挑戦的で果敢にチャレンジできるような高い目標設定
 ※小さな成功の積み上げではなく、大成功が大切
 ※ただし"達成率"を評価に結び付けない
〇重要なことに集中!
 →本当に重要なことに絞りこむ
 →「何をやらないのか」を決める
〇もっとわかりあおう!
 →全チーム、全個人が情報を透明化する
〇スピードアップ!
 →四半期設定、高頻度フィードバック
 ※フィードバックでは「次に何をするのか」というところまできちんと決める
 ※挑戦したことに対してきちんと承認し、前向きに調整する

上記のポイントを踏まえて、先ほどのワークで立てたビジョンにOKRを設定していきました。

大きなビジョンや目標は漠然としがちですが、明確に期限(今回は3か月で考えました)と具体的な重要な結果指標を設定するとだいぶん目標に対しての行動が見えてくるようでした。


今回は個人でワークに取り組みましたが、チームや組織でコミュニケーションをとりながらOKRを設定することが大切です。全員の力を高めること、同じ目的に向かうこと…。OKRを共通言語として高頻度でフィードバックを行うことが大切です。



3時間というボリューミーで濃厚な時間はあっという間に過ぎてしまいました。リラックスするために皆で軽く体操をして、最後に3か月後に自分に対して「自分レター」を書いてイベントは終了しました。

☆自分レター<4行日記>☆
①事実
→今日一日印象に残った出来事、客観的事実。
②気づき
→「①事実」から得られた発見、ひらめき、感想、印象を直感的に。
③教訓
→「②気づき」から何を学んだか一般化、抽象化する。
④宣言
→「私は」で始まる「こうありたい自分」になっている状態を肯定文で。



その後の懇親会もたくさんの方に参加いただき、さらに参加者同士の交流や意見交換などがされました。



実際のワークショップを通じて実践的にチームの成果を上げるためのメソッドを学べたイベントだと思います。すぐにでも取り入れたいですね!




株式会社タバネルさんのホームページ


株式会社夢峰MOVEさんのホームページ




billage OSAKAでは今後このようなイベントを随時開催します!


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