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あなたはどうする?オフィスの課題をAIで解決!~ビジネスプランコンテスト~

12月1日、billage OSAKA内にてBOND-BBT MBA事務局、大阪大学 中川ゼミ、株式会社MJE主催の「「AIを用いたオフィスの課題解決」 ビジネスプランコンテスト」が開催されました。

BOND-BBT MBAとは
大前研一さんが始めたオンラインビジネススクール。英語と日本語で最先端のビジネスを学ぶ。「よりよい自分と世界への変革を目指すHot Spirits & Cool Skillsな仲間たち」


今日では、働き方改革、労働生産性の改善という2つの社会課題を軸に、オフィス改革の必要性が叫ばれています。そのひとつの手段となるべきものが、AIであることは広く社会に認知されています。しかし、AIを用いたオフィス課題解決については、決定的なかたちはまだ提案されていません。

そこで今回は、自由な発想から「AIによるオフィス課題解決」の事業モデルを構想することをテーマに、8週間のプログラムを進めてきました。さらに、本科目の講師である大阪大学中川功一先生のゼミに所属する大学生チームも加わり、全7チームでプレゼン発表およびブースセッションを行いました。


審査員は以下の4人

審査員
・大阪大学 中川功一准教授
・株式会社MJE 代表取締役 大知昌幸
・株式会社MJE 常務取締役 営業本部 部長 松井淑樹
・株式会社MJE 執行役員 CDO 吉田柳太郎

以上です。

それでは、さっそくプレゼンテーションを始めていきましょう!


フリーランスのためのメンターAI

日本ではフリーランスの数がどんどん増えており、2018年には副業も解禁され、今後よりフリーランス人口は拡大していきます。駆け出しのフリーランスにとって、稼ぎたい、という想いと現実にギャップが生まれてきます。

そんな駆け出しフリーランスの悩みを解決するために、メンターの存在が必要と考え、「戦国AIメンター」というサービスを考えました。

自分の尊敬する理想の戦国武将をメンターとして提供するサービス。スマホの中から情報を自動で吸い出し、AIによって記録・分析することで、吸い出した情報をデータベース化をします。その情報をもとに、どのように時間を使えばいいのか、どのようにキャリアを積めばいいのか、などをユーザーにアドバイスします。

特に、成功しているフリーランスの「時間の使い方」と「キャリアの積み重ね方」のデータを分析し、どのようにしたら成功するのか、ということを分析します。

まず「時間の使い方」は、一日の業務量を成功している人と比較する、移動時間を効率的に提案、そしてスケジュールの空き時間を健康のためのサポートに充てる、等を提供。
そして「キャリアの積み重ね方」では、成功者のキャリアの積み立て方と現在の自分とのギャップを提示してアドバイスにつなげます。

また、AIで同じ悩み、業界、志などを持っているアプリユーザー同士をつなげることで、フリーランスにとって資産となる人脈形成の提供もします。

これらの要素を歯車のように掛け合わせて「フリーランスのためのプラットフォーム」を創ります。


「もう一人の自分」で業務量軽減

日々の忙しい中で、「もう一人自分がいたら…」と感じたことはありますか?

日本の有給休暇の消化率がとても低く、休むことに罪悪感を感じたり、休んでも仕事が気がかりで休めない、という声が聴かれました。その中で9割の人たちが「もう一人の自分が欲しい!」とアンケートで答えています。

そういったニーズに対して、不在でも仕事が勝手に進んでくれるシステム・サービス「影武者AI」を提案します。

ウェアラブルの端末やPCから自分の情報を学習させ、自分と同じことを考えられるAIを作成します。そしてオフィスにギミックを置いて自分の代わりに業務をする、というものです。定型業務をAIに任せ、空いた時間を有意義に利用できるようにします。

機能として、自分好みの情報を整理・収集したり、会議に参加して議事録を作成したり、部下へのアドバイスを任せたりということを考えています。パーソナルAIに近い形で業務代行を行います。

まず、イノベーターをターゲットに共同開発をし、アーリーアダプター(市場の人気に敏感にアンテナを張っている人)へアプローチをかけ、SNS上でインフルエンサーに宣伝をしてもらい、展示会などに出展、プロモーションという流れで市場へのアプローチを考えています。


一人ひとりに合わせた“癒し”を提供

サービス名は「IYASHI」。

一日パソコンをどのくらい利用しているのか?というアンケートを取した結果、51.6%の人が5時間以上、29%の人が8時間以上利用していることがわかりました。目の疲れ、肩こり…。オフィスで働いている70%の人が精神的・肉体的にも疲れが出ているというのです。

そこで「忙しなく働くあなたに『癒しのひととき』を提供する。」という使命のもと、「IYASHI」を考案しました。オフィスで働いている人の症状に合わせたハーブティーを提供するサービスです。

その日の体調や気分をAPI連携をしたスマホなどで回答し、その回答結果をもとに、ハーブティーを提供します。ハーブティーは、オフィスにドリンクバーのようなものを設置して提供。

「社内コミュニケーションを活性化させる」という副産物も視野に入れています。今までは喫煙所がコミュニケーションの場として使用されていましたが、健康志向等でコミュニケーションの機会は減少。このサービスで、「ハーブティー・コミュニケーション」として社内のコミュニケーションを活性化させられます。

ハーブ市場はニッチではありますが、最も成長が見込める市場です。BtoBtoCで展開していき、IT企業等で勤めるOLをターゲットに考えています。カスタマイズ性の高い健康志向の飲料もマーケットではまだあまりないので、可能性はあると考えています。


働きがいは適切なフィードバックで解決

プロジェクトメンバーで「職場の課題とは何なのか?」というディスカッションをしたところ、共通して出たのは「フィードバック」という言葉でした。

フィードバックと働きがいについて調べたところ、フィードバック能力の高い上司の部下のエンゲージメントが高い傾向にあり、また、積極的にフィードバックを求める上司はリーダーシップの能力も高くなっている、というデータがありました。

私たちが考えるサービスは「ちょっといいフィードバック」。このサービスは簡易・簡潔、効果的なフィードバックプラットフォームです。

主要機能は3つです。
「週1回の70文字アピールとフィードバック」により、進むべき方向性のすり合わせを活性化させます。部下から頑張った度合いなどをアピールをします。「双方向のフィードバック」は、上司の評価に対して部下から上司へのフィードバックを匿名で送れる機能です。

そして「AIによる効果的なフィードバック」は、マネージャーやメンバーのフィードバックによるAIの支援機能です。例えば上司からのフィードバックがネガティブで原因等の解明ができていない時、AIから適切なフィードバック方法が提案される、という機能です。中小企業等のミレニアム世代のマネージャー層へのフィードバックの指摘があまりなされない、という課題を解決します。

シンプルで簡潔なやり取りで差別化を図り、ターゲットとして大都市のITベンチャーを想定。プレイヤーとしてのノウハウはあるが、マネージャーとしてのノウハウがあまりない、という課題へアプローチをします。


失敗を前向きな成長につなげる

「失敗は成功のもと」。失敗が自分を成長させているという経験は多くの人にあると思います。失敗から学ぶことはある、という認識を持っている人は8割もいる、と言われていますが、失敗した当人はそうは思えないこともあります。失敗してそこから学びを感じられないなんてもったいないと思いませんか?

そこで、失敗を恐れず、失敗をエネルギーにして成長できる「しくじり先生」を考案しました。失敗して気持ちがへこんでいるときはまず気持ちを前に向ける必要があります。その気持ちを励ましてくれて、その上で頭のもやもやを整理してくれ、失敗から学びを得て次につなげられる、という製品です。

主な機能としては3つ。
1つ目は「励ましと頭のもやもや整理」。ここでAIを活用します。励ましと思考の深堀りをすることで、問題解決のヒントを得るサポートをします。
2つ目は「失敗の学びを記録&リマインド」。しくじり先生のサポートをもとに、ユーザーが学んだことと自分で考えたアクションプランを設定し、設定したタイミングでAIがリマインド通知をする機能です。
3つ目は「他の人の失敗を学びにする」。他の人の失敗を参考にして学びを得られる機能です。同じような失敗をした人をリコメンドして、「自分だけではないんだ」と気持ちを軽くします。

カウンセラー、社労士、産業医院、病院等をステークホルダーとして想定しています。このステークホルダー全員が働いている人の気持ちを楽にしたい、という同じ想いでつながっていることが特徴です。

失敗を恐れず、前向きに成長につなげられる事業にしたいと考えています。


AIで地域課題をまるごと解決

インバウンド向けユニーク体験観光支援アプリ「UNIQ Navi」。インバウンド客の顧客データを利用して、地方活性化の支援を行うサービスです。

過疎化が進んでいる地域には寂れた商店街が増えています。都市部に比べて、地方の労働生産性も年々下がっています。地方こそ労働生産性に課題を抱えているのではないか?と考えました。また一方で、地域のインバウンド需要が増加しており、観光こそが地方の活性化になるとも考えています。

地方を訪れる外国人は「ユニークな体験をしたい」と考えています。UNIQ Naviはインバウンド向け観光地のにユニークな体験の情報を提供し、地方の興味へと繋げます。ツアーや体験の通知機能をアプリに持たせることで、ユーザーに使いやすさや便利さを提供します。将来的にはAIを利用して地方方言にも対応した翻訳アプリにし、地元の人とよりディープなコミュニケーションが取れるようにアップデートしていきます。

一方で、観光事業者向けには簡単予約管理画面、旅行者への情報提供などサポートをし、加えて、現場での訪日外国人の受け入れ体制の支援をすることで、インバウンド向け事業の徹底サポートをしていきます。

将来的には、インバウンド客からのデータを蓄積させ、インバウンド客の行動実績やPR効果などからインバウンド客と観光事業の需要をAIで解析します。これらを様々な地域に対してフィードバックし、地域の課題解決等を解決するためのコンサルティングをして、地域の課題を解決します。


あなたの会議に付加価値を

※ビデオプレゼンだったため、写真はありません。

皆さんは会議と聞くと「つまらない」という言葉がよぎるのではないでしょうか。ある調査によると、企業の会議に関する課題として一番多く聞かれるのが「会議に無駄が多い」ということでした。

私たちが提案する「Minutes Bank」は会議前、会議中、会議後の課題を解決し、会議の付加価値を高める会議アプリケーションシステムです。

会議前には、過去に開催された会議の議事録が検索でき、会議の議題の無駄が省け、また会議中には、会議中の音声を自動でアプリ画面上に入力。また、同画面上ではデジタルホワイトボードも利用できるので、フレームワークの挿入や発言のドラッグ&ペーストも可能、同時進行で議事を整理でき、共通理解の醸成に貢献します。また、会議後は自動でToDoリストの作成や議事概要の作成をし、ToDoに関しては担当者へ自動で進捗フォローをします。
また、社内会議を分析することで、社内会議の効率化や決定事項の履行促進のアクションもできます。そして、アプリユーザー企業全体の会議のビッグデータにアクセスし、同業他社や異業種をベンチマークすることで、自社の会議の課題の客観評価に生かしたり、業界の課題、そして最新のトレンドなどに触れることで、経営判断や意思決定の迅速化に貢献します。

昨今の中小企業では企業の枠を超えた連携が必要とされています。Minutes Bankでは、議事録に記された課題を解決しうる企業をAIがマッチングすることも可能です。会議の言葉が付加価値となるエコシステムを創造します。


以上、ビデオプレゼンを含めた7グループからのプレゼンでした。



10分間の休憩をはさみ、続いてブースセッション(質疑応答)を行いました。



ブースセッションが終了し、一番良かったと思うチームへの投票を経て…。いよいよ審査結果発表です。

まずは中川先生からの全体講評をいただきました。

中川先生
今年は例年の中でも抜群でいいビジネスモデルが提案されていたと感じました。お題が「オフィス」と定めていたので、『誰のためなのか』『何のためなのか』ということが非常に明確でした。
上司からのアドバイスがもらえないフリーランスのため、忙しい中小企業経営者のため、ストレスや疲れを感じているOLのため、成長中のベンチャーの社内のコミュニケーションを活性化させるため、これから働く若い社会人のため、地域の労働生産性向上のため…。
すなわち“コアバリュー”がしっかりしていました。また、例年は採算性や実現性などを審査項目に入れていたりするのですが、今年は入れませんでした。なぜかといいますと、AIのような新しいものが普及していくには、誰の課題をどのように解決していくのか、ということを考えることが重要だからです。
新事業創出において、イノベーションにおいて最も大切なことは、どういった社会課題に対してどういった解決を与えるのか、ということです。


ここで結果発表。まずは中川先生から。※ここからは写真とコメントを掲載します。


中川先生 『戦国AIメンター』

コメント
「これからの時代を考えたとき、フリーランスが増えていくという、大きなニーズをとらえている、という点と、フリーランスがどうあがいても手に入れられないものをテクノロジーで提供する、という点で選びました。」


株式会社MJE CDO 吉田柳太郎 『IYASHI』

コメント
「リアリティ、魅力的、技術的といった、自分のマインドセットと近しいところにあると感じたものを選びました。またこのプランは、消費者動向を知るという形のデータベースであり、その動向をデータベース化することで、それを生産者に届け、生産の効率化につなげることができ、そこから生産者へのビジネスが生まれるというところまで見えればいいな、という期待をして選びました。」


株式会社MJE 常務取締役 営業本部長 松井淑樹 『IYASHI』

コメント
「特に着眼してみていたのは、収益性、実現性です。仕事をしている中で、集中力が大切なポイントであります。その中で健康志向というところにポイントを置いていたのが魅力的でした。また、AIを活用して健康状態に合わせたドリンクを提供する、ということが健康志向の今の時代にマッチしていたと思います。」


株式会社MJE 代表取締役 大知昌幸 『ちょっといいフィードバック』

コメント
「今回は経営者目線で見させていただきました。このアイデアが最も会社の課題である上司と部下のコミュニケーションの多様化に対応できており、会社の経営の手助けになるのかな、と思ったことと、実現性についてイメージしやすかった、と思ったので選びました。」


選ばれた皆様、おめでとうございます!

ちなみに会場の投票での得票数を開示します。

ちょっといいフィードバック … 15票
IYASHI … 13票
しくじり先生 … 7票
(投票総数 44票)

最後に交流会をして、イベントは終了しました。


イノベーションとは多数決で選ぶのではない、クリエイティブマイノリティがイノベーションを巻き起こす。

そして様々な価値観を持つ者同士が出会い、コラボレーションをすることでイノベーションが生まれる。

これからも新しい柔軟な発想で、これからの社会にイノベーションを起こしていくことを期待します!


最後にみんなで1枚。



billage OSAKAはこれからもこのようなイベントを随時開催していきます!


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