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なるほど・ザ・ワーズ 坂口克洋(著)

[著者略歴]
坂口 克洋(サカグチ カツヒロ)
1949年 東京都生まれ。
1972年 慶應義塾大学法学部政治学科卒業。
都内の大手百貨店に入社、定年まで在籍。
2011年 インテリジェンス コンサルティング コーポレーションを設立、社長に就任。
2023年 龍谷大学文学部・短期大学部同窓会寄付講座「キャリア開発論」講師として在籍。それまでも、数校において「キャリア形成」の講師を経て現在に至る。
 
人生相談家、就職ジャーナリスト。特に定年後の生き方についてアドバイスを行う。


「プロローグ」


 現在の混沌とした社会・激動する国際情勢。このような環境の中で、人人は何を考え、どのような事象を目標にして、どうやって日日楽しく暮らしているのでしょうか?「冗談じゃない、楽しくなんてとんでもないよ!」というのが、実態でしょうか?何故なら、昨今の世界の動きを顧みてみますと、当然のことながら、明るいニュースは余りなく、逆に暗いそれは、枚挙に遑(いとま)がありません。

 その中で、主なモノとしては、次のような出来事が挙げられます・・

 ・2019年12月8日→中国の湖北省武漢で最初に確認された、新型コロナウィルスの感染者の発症

 ・2021年12月17日→2020年3月から続けてきたゼロ金利政策を解除し、量的緩和策も当該月で終了

 ・2022年2月24日→ロシアによるウクライナ侵攻開始

 ・2022年3月15・16日に開催されたアメリカの連邦公開市場委員会(FOMC)にて、政策金利であるフェデラル・ファンド(FF)金利を0・25%引き上げ、0・25~0・50%にすることを決定。

 ・アメリカ&スイスの銀行破綻

  2023年3月10日→アメリカのシリコンバレー銀行が経営破綻、同3月12日にシグネチャー銀行の事業停止(経営破綻)

  2023年3月19日→スイス金融最大手のUBSによるクレディ・スイスの買収

 ・北朝鮮による再三にわたる大陸間弾道ミサイル「火星17」(ICBM)の発射訓練

             等等

 暗いニュースばかりを列記しましたが、明るい方の主なモノとしては・・

 ・2023年3月17日→労働組合の中央組織「連合」は、今年の春闘の賃上げ率が中間集計で、3・8%だったと発表。これは、物価高と人手不足を背景とし、29年ぶりの高い水準

 ・2023年3月21日→ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での日本代表チーム「侍ジャパン」の優勝

 ・2023年5月8日→新型コロナの感染症法上の位置付けを、現在の「2類相当」から、季節性インフルエンザ等と同じ「5種」へ移行

 等等くらいではないでしょうか!(まだまだいっぱいあるかもしれませんが)

 さて、日日の生活の中で、悪い出来事や自分にとって嫌な事はいくらでも起きますが、なかなか良い事象は発生してくれないものですね?!何故、こうなってしまうのでしょうか?自分なり人人の欲が、深過ぎるせいでしょうか?あるいは、人が自身に課された課題を、きちんと果たしていないが故でしょうか!

 しかし、ここ3年間においては、自らやるべき事柄をきちんとやろうとしても、前述の新型コロナウィルス問題が発生して以来、それはほとんど不可能になったのです。何故なら、「外出するのは、できるだけ避けてください。」なり、「不要不急の外出は極力控えてください。」となって、自身の心身両面に亘る行き詰まりを解決するために、何かアクションを起こそうとしても、それがほぼ全て禁じられていた状況において、どうしても行動を起こすのは無理だと言わざるを得なかったからです。人人の日常生活に関しては、仕事はその多くがリモートワークになり、同時に公私ともに人が集まることが、ほとんど禁止に近い状態に追い込まれたのです。

 さらに悪いことに、この間で2022年には、ロシアのウクライナへの軍事侵攻に対する経済制裁により、原油や液化天然ガス等の輸入を西側諸国が徐徐に止めるようになった結果、極端なエネルギー不足に落ち入り、世界各国の物価は顕著な上昇を見せたのです。それに対して、我が国においてはそれを補塡するような給料の上昇は見られず、一般庶民の生活は苦しくなる一方でした。

 流石に、「これは拙い!」と、政府も考えたのでしょう?!経済団体連合会(経団連)を通じて企業へ賃上げを要請し、それに応えて大手企業や中小企業の多くが、労働組合の中央組織である「連合」の要求通りに、昨今見られなかった高い賃上げを受け入れたのです。余談ながら、連合の3月17日の発表によりますと、賃上げ率は中間集計で平均3・8%となったそうです。これは何と、29年ぶりの高い水準とのことです。

 繰り返しますが、何故こう不都合な事ばかりが、起きてくるのでしょうか?それは、世界的にごく一部の指導者・首長等の人達が、自分の利益や欲を優先し、実行に移したからではないでしょうか?!勿論、その他にもいろいろな原因があるのでしょうが。このように、自由な行動が禁じられたも同然な環境においては、人は何もしない方が良かったのでしょうか?「ただただ、時間が経過するのを待っていろ」と、いうことだったのでしょうか?実際に、世界中の人人が、2~3年間ほぼそのような行動、つまり自制して自主的な活動は控えていた訳ですが。

 しかし、これでは「人の生き方」としては、余りにも淋しいですよね。生活者のモチベーションは、全く上がらなかった筈です。とはいえ、世界的なコロナ禍の中、自分のやりたい事を優先して行動した結果、死に至ってしまっては、元も子もなくなってしまうのですが!

 2023年に入り、世界各国において、やっとある程度自由な活動が出来るようになりました。そうではありますが、前述のようないくつかつ要因により、世界中でほとんど全ての物の値段が上がり、人人との日日の暮し向きはかなり苦しくなっているのが実体です。故に、それに対処すべく前記の如く、今年に入り29年間著しい上昇を見せなかった日本企業の賃金も、やっと各労働組合の要求が通り、多くの生活者がホッと一息ついた次第です。

 そうであれば、これからは明るい未来が開けてくるのでしょうか?希望に溢れる将来が、待ち受けているのでしょうか?素朴にそうであることを、ひたすらに祈るばかりです。だって、約この3年間人々は外へ出て行動することを、じっと堪えていたのですから。では、今後は自由に羽ばたけるのでしょうか?これまで行動を制限されてきたが故に、「さあ、これからは徹底的に生活をエンジョイしよう」と考える人がいる反面、その意欲が失なわれてしまい、「今さら、もういいよ」と感じている年配の方もいるのではないでしょうか?「このままで良い」と、思うようになってしまったのではないですか。つまり、「今のままでは楽しくも面白くもなんともないけど、まあ人生ってこんなもんなんじゃないの?」と、考えるようになってしまった人達がいても、決して不思議ではないですよね。「もう以前のように、動き回るのは面倒くさいよ」と、思う方がいるかもしれません。

 でも、しかしです。それでは、絶対にダメなのです。折角人生100年時代になった今、一時(いっとき)でも「生きてるって、良いことだなあ」と、感じられる時間を過ごさなければ、いけません。昨今、コロナ禍でほとんど何もできない毎日を過してきた分だけ、今こそその失なった3年間分の充実した時間と日日を、取り返さなければならないのです。いくら人生が100年時代になったとはいえ、この付けは非常に大きいですよ。だって、中学生・高校生においては、入学してからマスクをすることが義務化されて、卒業するまで顔全体やその表情をお互いに見たことがないというような、非常に悲しい残念な現象が起きていた訳ですから。人の一生の中で、一番多感な且つ最も大切な時期をですよ。こんな淋しく辛いことはない筈です。

 従って、全ての皆さんの人生は、「これから」です。存分に、「生きているって、こんなに楽しいんだ」と思える日日を、少なくとも3年間分何としてもリカバリーしましょう。その上で、さらにビビッドな人生を送りましょうよ。

 ところで、前述に関連しますが、人には何年生きても一つだけ不思議なことがあります。「それは何?」ですが、何故人間には自分にとって嫌な事や不都合な出来事が、ウェルカムな事象より多く起きるのでしょうか?逆の現象が多くあっても良いと思うのですが、何故かなかなかそうはなりません。世界には80億人の人人がいて、彼ら皆が自身にとって喜ばしい事象が起きることを望んでいるのですから、そう簡単に自分にとってだけ、都合よく事は運ばないんでしょうかね?でも、これも考え方一つですよね。不都合な事柄の方が多いのは確かですが、辛い事を辛いと思うからいけないんですよね?!何故なら、そういう出来事が起きたら、「それが当たり前であり、普通なんだ」と捉えれば良い訳ですから!

 さて、それが事実であるのなら、それはそれとして理解し納得するのですが、一つだけハッキリしていることは、「今現在以降の自らの人生を、より素晴しいモノにしないといけない」と、いうことです。そうでなければ、折角人生100年時代になっても、寿命が伸びた分だけ、逆に生きていることが苦しくなってしまうような気がします。

 「そのためには、どうすれば良いか?」ですね、問題は。昔から、「病は気から」と言われていますが、人に起こる現象の受け止め方も、自分の気の持ち方を変化させて、如何様(いかよう)にも前向き且つポジティブに変えられますよね。では、「その具体的な方法は?」ですが、先人が残した、山程ある「格言」を学んでそれらを修得した上で、自身に降り掛かってくる事象なり問題を、素直に受け止めればよいのです。それを日日繰り返していれば、その後何時かは分かりませんが、必ずと言って良い程、今度は「良い事」が継続して起こるようになります。何故なら、常に「正しい行いをしている者に、正しからざる事が起きる筈がない」からです。そんなことを信じて、行動してみては、如何でしょうか!

 では、具体的にはですが・・

 「古人が残し、昔から言い伝えられている格言を一つでも多く自らの頭にインプットし、それらを実践する」ことです。その上で、例え辛く苦しい事件が起きたとしても、それらを嫌がって毛嫌いするのではなく、「今この時に、この出来事は自分にとって必要なんだ」、「起きて当然なんだ」と、平然と前向きにそれらを捉えて、対応すればよいのです。

 現実には、人間に起こる事柄においては、8割なり7割の確率で、嫌な出来事が発生するのではないでしょうか?しかし、それらを悲しまず、たんたんと受け入れる器量を持った人が、有意義な人生を送り幸せを手にするのです。その目的を達成するには、文中に書いてある種種の格言等をまず読み込んでその意味とコンテンツを存分に味わい、自身のモノにして自分なりに咀嚼し、それを行動としてアウトプットすることが求められる訳です。

 以上、地球上で起こる事象の多くが、皆さんにとって決して歓迎すべきモノではないと思われますが、本書によってその捉え方と対処の仕方をしっかり学んでいただいた上で、少しでも有意義で自身が納得できるこれからの人生を、過ごしていって欲しいと考えております。従って、そうするための一つの指針として本書を認めましたので、是非とも最大限に活用していただきますよう、切に願う次第でございます!


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