見出し画像

美女狩り 大塚 保昌(著)

[商品について]
女性は美しく生まれただけで、
     可愛らしく生まれただけで、
          罪なのだろうか…

 この物語の主人公、赤木二郎(三十八歳)は、立地条件の悪い場所で小さな居酒屋をやっている。数少ない常連客をつなぎとめておくため、昼間の空き時間を利用して便利屋をやっている。
 もう開店時間が近づいているというのに、仕込みをする気配すらない赤木。カウンターの丸イスに腰を下ろしたまま、ぼんやりした目が一点を見つめたまま、頬杖をついている。空いている右手がウイスキーのボトルに伸びる。目の前に置いてあるグラスの中で溶け始めている氷。無造作にウイスキーを入れる。そのまま口元へ、そして飲んでいる。いや、飲んでいるというよりも、流し込んでいるという表現の方がぴったりかもしれない。そんな動作を何度となく繰り返して、重苦しそうなため息吐き出している。そのため息に紛れてか細い声がこぼれる。自分自身になにか言い聞かせている感じで、思い出したようにその言葉にうなずいていた。(本文から引用)

【著者紹介】
大塚 保昌(おおつか・やすまさ)
港区高輪で二十数年、店を営業しながらめまぐるしくうつり変る風景に、とまどいながら気がついたら物語を考えておりました。
「逆も真なり」「マリアはナンバーワン」そして本作、読んで頂いてありがとうございます。
私の心は今夜も、なにか面白い場面に出会わないかナァ…とさまよっております。次の物語りは、次があれば、うれしいのですが……。
書籍出版
0男の出世ゲーム / 2012
マリアはナンバーワン / 2015

電子書籍出版
0男の出世ゲーム / 2017
美女狩り / 2018


ここから先は

116,390字

KAPPA

¥1,500 / 月
このメンバーシップの詳細