ホラー映画を求める

どうも、カゲプロに親しみぎっくり首を嗜んだ者です。

私はあることをきっかけに1年ほど引きこもっており、その間せめてもの娯楽として映画を見漁っておりました。その中でも特に進んで視聴していたのがホラー映画

それまで特段見たこともなく、怖いものが得意ではなかったので見ようとすらしておりませんでしたが、今では映画といえばもっぱらホラー映画を視聴するのみとなっております。

今回は「なぜそうなってしまったのか?」について、自分なりに考えたことを書いていきます。
※この記事は自己満足でしかないので、同じような状況に陥った方だけご覧になられる方が良いかと思われます。

過去記事↓

きっかけ

さて、引きこもりになった理由についてですが、あまりに個人情報すぎますのでぼかしますと、警察のお世話になってしまったのであります。
被害者側であったために心へのダメージは大きく、一時は1人で外も出歩けぬほどになりました。
そこで救ってくれたのがAmazonプライムビデオ。ステマでもなければダイマでもありません、私からの個人的な感謝です。

数多くの作品を手軽に無料で視聴することができたため、邦画洋画アニメ関係なくひたすら見漁りました。
もちろん、レンタルや購入が必要となっているタイトルもあり、それらに関しては近所にあったTSUTAYAが支えてくれました。ステマでもなければダイマでもありません。私からの個人的な感謝です。


どうにも合わない青春映画

元々小説を映像化した邦画などは当たり外れが大きく、あまり恋愛を含む青春映画も好んだわけではなかったのですが、見れば涙脆い私は普通に感動していたためその当時も見ようとしたのですが……

もぜんっぜんおもんない。

いやほんまにおもんない。そんなに人生うまく行くかいな私なんかポリの世話んなってこんなに心病んで恋人がいようがいまいが関係無いような状態やのに周りの人間みんなこんなんなんかいな

などとひねた考えが頭を埋めつくし、映画どころではなくなってしまいました。

これはいけない。
こんなものを見続けてはさらに惨めになって目も当てられない精神状態になってしまう。

そう思った私は、親近感を求めてイヤミス映画を見始めました。


心地好すぎるイヤミス映画

湊かなえさんなんかはイヤミスの女王ですよね。
他にも角田光代さん、櫛木理宇さん、乙一さん、薬丸岳さんといった方の小説はこれまでも読んでいたほど、「小説はできるだけ胸糞悪くなるような内容の方が読み応えがある」という信条で私は生きていました。

どうやらこの精神状態だといつも以上に楽しんでこのジャンルを見れるのだと分かり、邦画はもっぱらイヤミス映画ばかりになりました。
(……薬丸岳さんの「天使のナイフ」だけは状況が当時の私とリンクするところがあったため読み直せずにいます)

紙の月
八日目の蝉
死刑にいたる病
GOTH
告白
少女

このあたりですね。
こうもイヤミスが続くともっと過激なものもいけるんじゃないかと、忌避していたくせに私の目と手はどんどんホラー映画へと伸びていきました。


大正解のホラー映画

まず見たのは「エスター」
いわゆるジャンプスケアではないですがヒトコワ系の不朽の名作ですね。
おばけが出てこなかったのと、主人公夫婦の間抜けさ、展開の意外さから「恐怖」にはあまり目がいかず、ホラー慣れしていない私に最適なタイトルでした。
また、友人に無理やり見せられた初ホラー映画が「ハングマン」という最低最悪なストーカー男の話であり、それもまたおばけが出ず、ターゲットの家族は凶行に気づかない、超展開という要素であったため、そのシナジーから見れたものと思われます。

次に目をつけたのは王道も王道の「シャイニング」「シックス・センス」「エクソシスト」「スクリーム」
一気に古めのタイトルを網羅し、私はちゃちな全能感に溺れました。

くっそ楽しい。

まだ映像技術が発展しきっていない頃にスタッフたちが頭をひねりながら生み出したホラー演出。いずれも怖くないということはなく、きちんとゾッとはしましたが、驚かされても笑みが零れるほどで、自分にはこんなにもホラー耐性があったのかと歓喜したものです。

簡単に幸せになれるラブストーリーとは違って理不尽に訪れる死の恐怖。
アマプラを漁る手が、TSUTAYAのホラー棚に伸ばす手が止まりません。

「ドント・ブリーズ」「PET」「SAW」「グッド・シリアルキラー」「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」「ミッドサマー」…etc

もう節操なしです。
スプラッタも見ます、ガチ怪異も見ます、因習村も見ます。
立て続けにこんなにホラー映画を見ていた事実を列挙して、書いている今の私の方がむしろ恐怖していますが、当時は全く何も感じなかったのです。
※ちなみにオススメは「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」、イマイチは「グッド・シリアルキラー」です、ご参考までに。


なぜ正解だったのか?

殺人願望はありませんし、夜の日本家屋は怖くて歩けません。そんな私がホラー映画を見続けられた理由、それはきっと


自分が一番不幸だと思いたくなかったから。


私が現実で味わった恐怖が、作り物に劣るのならば私は幸せ者なはずなのです。
個人情報ゆえぼかしておりますが、何を隠そう私の尊厳は死にましたし、身体は傷つき、心もすり減って私は一度死んだものと自分のことを考えています。
それほどの精神状態を経験したとあれば、生ぬるい幸福を浴びるのは辛く、むしろ様々な理不尽を浴びれば浴びるほど自分の現状を肯定することができ、心は軽くなるのです。

しかし映画は所詮、作り物。
心の渇きは絶えません。
私は今でも、私の恐怖を、傷ついた尊厳を、上書きしてくれるような作品を探しています。

蛾が嫌いすぎるのでポスターからして「羊たちの沈黙」を見れずにいるのですが、本編にたくさんの蛾などは出てくるでしょうか。
見たことのある方はぜひご教示ください。

虫つながりで「ミスト」にも食指が動きません。見たいのですが。

ひとまず次は、韓流のホラー映画でも見ようかな。
私の恐怖が上書きされますように。
また、同じ境遇の方々の傷も、ホラー映画であれ別の何かであれ、癒されますように。

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