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生きづらさから始まった

こんにちは。タップダンサー・振付家おどるなつこです。
この夏は、仲間と共に10年間任意団体として活動してきたあしおとでつながろう!プロジェクトのNPO法人化準備を進めています。今年はコロナでタップのイベントなどもほぼ行えない状況ですが、これを機に、より多くの方に楽しんでいただけるコンテンツを着々と進めていますので、どうぞお楽しみに!

前置き

私は今、横浜のYOXOイノベーションビジネス講座に参加して、言葉でより伝えるためにはどうしたら良いのか、勉強させていただいています。ダンサーとしての訓練は身体で語ることに特化していきますが、言葉に関してはまだまだ。文章は書くのも読むのも好きですが、パッと伝わるためには要約が必要ですね。講座の学長:ヤフーの伊藤羊一氏は「1分で話せ」などの著書もある方で、プレゼンの極意をさらりと教えてくださいます。先日も、ああ、これはとても大事!思ったことがあり、企画そのものだけでなく、私個人の動機について考えてみようと思いました。

名のる

タップダンサー・振付家のおどるなつこです。
と、この文章の初めにも書きましたが、パフォーマンス業界ではこの名のりは大切です。現場によって、「振付家の or タップダンサーの」と片方だけ名のる場合もありますし、ここ数年は、「あしおとでつながろう!プロジェクトの代表で」という枕をつけてから名のることも多くなりました。

私はシングルで育てた子が成人したのですが、成人までは〇〇ママ、〇〇さんの保護者、と呼ばれたり名のる場面も多くありました。離婚していちいち姓が変わったりするなかで、自分で決める名のりの大事さをつくづく思いました。2005年からの日記

大人になったら、自分で自分に名前をつけ、名前に冠をつけて名のるのです。石垣りんさんの「表札」という詩もそんな気持ちを後押ししてくれました。

自分の住むところには
自分で表札を出すにかぎる。

自分の寝泊まりする場所に
他人がかけてくれる表札は
いつもろくなことはない。   (石垣りん「表札」の一部)

あしおとでつながろう!プロジェクトを始めて、多くの障害のある人々と時間を共にするようになって気づいたことがありました。彼らは感覚や好みに個々に違いがあって、得意不得意があります。私と同様に。

私と何が違うかといえば、言葉で自分を説明できるかどうか、かもしれないと思いました。「製パンの〇〇です」など、されている仕事を冠にされる方もいらっしゃり、仕事に誇りを持っていることが伝わります。ここからさらに、その人が最も興味を覚えていることを冠にできたらどうでしょう?誰にも絶対真似のできないエキスパートな部分を!
「瞬間記憶の**で宛名書きをしています」「秒針まで正確な時刻管理の〇〇で機器設定をしています」「車の音聞き分けの▲▲で、」「リズムキープの△△で、」「触覚選別の■■で、」「全体把握の●●で、」
私が一緒に踊っている仲間には、こんなふうにいくつもの冠がパッと浮かぶ、際立った能力のある人がたくさんいます。

アーティスト特性と障害特性

私の実感ですが、アーティストの多くは変人です!(知人友人の皆様ごめん!もちろん自分も含めてです!)
何かに取り憑かれてしまって、それに夢中になり、夢中になれる環境を整えて、やり続けた人が生き残っています。つまり、変人に特化する日常を選べた。その日常から昇華された作品は、唯一無二の美しさを持っています。変人とは平均的ではない、ということですが、特化したらそれは宝です。
例えば、実演家の多くは毎日数時間稽古をしています。毎日です。仕事があろうとなかろうと、稽古や探究や創作が自分の仕事、と信じて稽古するわけです。この時点では、それが世の役に立つかどうかまだわからないので、パッと見は、遊んで見えるかもしれません。でも、それが可能な環境を整えてきたのです。

この、”ある一つのことを飽きもせずにやり続けられる”というのを才能の一つと定義すると、私が出会ってきた知的障害と分類されている人の多くが該当します。
タップダンサーという職能から観察した場合に、耳がよくリズム感が正確で、振付を一度覚えたら忘れない方が多い。この傾向は、平均的な人よりもタップダンスに向いている?といえるほどです。個人の希望があることが前提ですが、それを表現として昇華していくには、観客との関係が必要です。
私も、ひとり籠もって稽古するだけでは成長できなかったはずで、未熟な頃からお客さんの前に立つ機会をいただいて、表現を学んできたのです。踊ることで、何が伝わり、何が伝わらないのかを。
だから、彼らにも表現の機会があれば、表現力は増していきます。それはこの数年の活動でも明らかになっているのですが、未熟な時期に仕事の機会を得られる、ということは、おそらくどんな仕事の成長にも必要なことかと思います。しかし、特に障害がある人においては、表現以外でも社会参加が限られてしまい、さまざまな成長の機会が著しく少ないのが、今の日本の現状と言えます。

非営利活動の動機

なんだかとっ散らかってしまいました。
今日は、私がなぜ、あしおとでつながろう!プロジェクトの非営利活動を、単なるボランティア活動で終わらせずにここまで強くやってきたのか、を振り返ってみました。
この日本で、感覚過敏で居場所に困り、水商売をしながらダンサーであろうともがき、シングルで子育てした、10代からの長期間、さまざまな生きづらさを全力で跳ね除けていた、過去の自分がいます。
おそらく、そんな過去の若者を助けたい気持ちがあったのだろうと思います。子育て中にドイツ国際平和村を訪問したことで、これから育っていく子どもたちの通る道が楽しいものであることを願う気持ちが、重なったのでしょう。
個人的な動機を話すことがあまりなかったにも関わらず、これまで共感し、共に活動してくれた仲間に感謝!

生きづらさを感じている全ての人が、自分の好きなことに夢中になれる毎日。そんな新しい未来は、どんな世界につながっていくだろう?

応援、よろしくお願いいたします!



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