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コミュニケーションが変わる

こんにちは。あしおとでつながろう!プロジェクト代表おどるなつこです。タップダンスを通じて、障害のある人をはじめとしたさまざまな人が対等に踊りあう場所を開いてきましたが、集うことのできなくなった2020年2月26日以降、新たな活動方法を模索中です。
このnoteでは2017〜2019に行ってきた「アート×福祉」活動事例報告をアーカイブしております。有料パートに報告書などのデータもアップしておりますので、ご興味ある方はぜひマガジンをご購入ください!

さて、6/1になり、様々な市町村で新型コロナ感染防止対策ガイドラインが出ていますね。対応でご多忙の方々、本当にお疲れ様です。どうぞ、休めるときに休まれてください。

さて、ウィズコロナ時代、これからの私たちにはどのような行動が求められているのでしょうか。そして、どのようなサポートがあると豊かな日々を創っていけるのでしょう?

新たな生活様式を探る

 ・横浜市の文化施設利用ガイドライン
 ・沖縄県名護市では大ホールの無料開放

新型コロナ感染症対応として人の集まる場で現在求められている行動は、おおむね以下のようです。

1.人との距離を2M以上とる
2.歌ったり大声を出さない 
3.呼気の激しい運動は不可
4.共有するモノにはなるべく触れない

この状況に、広い場所を無償提供するという名護市民会館の提案は、集う習慣を維持しながら次の芸術様式を模索するためにも有効な支援策ですね!

私はダンサーであり、盛り上がれば呼気の激しくなりがちなジャンルですので、(文化施設で人を集めるダンスイベントを行うのは難しいなぁ)と制約を確認していたのですが、ふと、なんだかどれも聞いたことのある制約だな、と感じたのでした。

元々制約のあった人から学ぶ

あしおとでつながろう!プロジェクトでは、”障害のある”と分けられる人々と共に活動してきました。身体的な制約だけでなく、自らの決まり(こだわりといわれることが多い)を守っている方が多数いらして、それは、障害特性と呼ばれています。

1.集団活動に入りづらく常に半径5mほど外側にいる
2.発語がない/緘黙もしくは聴覚障害により発声に自信が持てない
3.激しい運動に耐えられない・動きたいが輪に入れない
4.他者とモノを共有することは難しい

私たちはなるべくその身体感覚を尊重したまま、共に活動してきたのですが、これは、上記のガイドラインにある、感染症対策ガイドラインの制約と重なりませんか?
つまり、コロナ下の私たちが、理解してもなおこれまでの日常を送りたいと思ってしまう制約は、人によってはこれまでにもずっと感じてきたことなのです。

では、この制約のために、起きていた不利益とはどんなことでしょう?

1.同様の集団行動を取らないために一緒に授業が受けられない
2.話さないために何も理解していないと思われてしまう
3.何かあると困るからとダンススタジオや体育館で受け入れてもらえない
4.給食などモノの共有が必要な場で持ち込みの許可が必要

個別支援級はじめ、対応も取られていますが、できないんだなと諦められていた部分も多かったのではないでしょうか。
このことを改善しつつ、新たな生活様式を考えてみました。

1.身体的距離を取ったまま、体験を共有することを当たり前にする
 →WiFi無償化、通信講座の一般化、オンラインアート体験の開発など
2.発語しないままの意思疎通方法の選択肢を増やす
 →字幕・音声ガイド・ユニバーサルサインの浸透ほか
3.その人にあった運動を十分酸素の得られるスペースで個別に行う
 →半屋外開放スペースの設置
4.携帯用マイグッズの開発と常備

仲間の顔を思い浮かべると、やはり直接的な人的サポートも必要ですね。けれど、もし平均的な人が上記対応を取るようになってコミュニケーションのとり方が変わったら、サポートなく活動できることも増えるかもしれません。

無邪気に人が集まるってなんて素敵なことだったんだろう!と思う私は、これまでが恵まれていたのです。コロナ以前からそういう機会がなかった人は、今もたくさんいます。ですので、この機会に、さまざまな人がちゃんと参加できる新たなアート形態を創り出したいと思っています。

さまざまな参加のしかた

緊急事態宣言下で、在宅ワークとなっていた福祉施設のタップメンバーに、私たちの活動スライドショー作成を依頼しました。

これを作成されたTさんは、在宅ワークでむしろ落ち着いて仕事ができた方です。知らない場所では目に入るものや他人の行動に反応しすぎてしまい大変なのですが、それは外の世界に興味がないこととは違うのです。
何らかの方法で外の世界で起こっていることと関わりたい、非常に好奇心の強いTさんが、あたたかい眼差しで、仲間たちの活躍したイベント写真をまとめてくださいました。私はこの眼差しにジーンと感動し、これが、主に後方支援のTさんのベストな参加方法であるようにも思いました。

多様な基準を包括する

そもそも、効率よく作られている都市部においては、さまざまな基準が、企業で働く大人のテンポ感、距離感でつくられているように感じます。
農村部ではどうでしょうか?
過去の事業の事例報告から考えたいと思います。

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