- 運営しているクリエイター
記事一覧
寂しさに襲われたなら
激烈な寂しさに襲われることがある。
時々、そして、コントロールできる程度の。
保育園のお迎えに、僕だけ誰も来なかったような寂しさ。
実際、そんなことはなかった。遅れても必ず誰かが来てくれた。
そういう体質なんだろう。
そう思って、何事もないフリができる。きっと周りの人は気づかない。
その程度の寂しさ。
神様になれるかもしれない
世界中の生命が全員眠りにつくまで、見守る神様がいるという。
気が合うじゃないか。
ぼくも家人が眠っている顔を見るのが好きだ。
「俺より先に死んではいけない」
昔そういう歌があったけど、ぼくはそうは思わない。
大切な人たち全員の最期に立ち会い、手を握り、眠りにつくのを見届けたら、ぼくは一人、安らかな眠りにつけるだろう。
カニクリームコロッケ
名古屋のとあるファッションビルの中で、僕は夕飯を食べることにした。
ちゃちな飾りがしてある、ちっちゃいレストランで。
客は僕ひとり。
注文を取りに来たウェイトレス。
白いブラウスにグリーンのチェックスカート。
世界は何て美しいんだろう。
カニクリームコロッケ。
ウェイトレスが運んでくれる。
生まれ変わったら、僕はウェイトレスになりたい。