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武道とマインドフルネス

先日、この本を読みました。

瞑想と脳の関係から、特別ではない、日常から取り入れられる休息法について、物語形式で解説されています。
実践してみてますが、中々難しい。本の中でも一朝一夕で出来るようなものではないとされていますが、継続することで身についていくそうです。

本書の主人公は日本から研究者として渡米したものの、心身ともに疲弊してしまった女性です。彼女が変わり者の教授に教えを請い、マインドフルネスを使って自身の回復とアルバイト先のベーグル店の立て直しを行うものです。
「世界のエリート」ということで、海外での研究やトップ企業で取り入れられている事例も紹介されていますが、由来は東洋の仏教にあるという話があります。
そこから考えたことは、武道・武術はこのマインドフルネスに通ずるものがあるのではということです。

スポーツなど、体を動かすことは現代人にとって疲労回復効果のあるものだということはもはや知られた話。
現代人は姿勢が固定されがちで、運動による適度な肉体疲労はトータル、肉体回復になると言われますし、脳疲労や精神安定につながります。
ただ、サッカーや野球は様々な情報を処理しています。
対して、日本の武道、とりわけ「型」の部門の場合、意識はとにかく自分に向いていきます。その時の思考は「今ここにある自分」に向いています。

私は学生時代に弓道をしていました。
当時は競技として、的中を意識していましたが、本書を読み振り返ってみると、弓道はマインドフルネス・瞑想に近いのではないかと思いました。

一挙手一投足で呼吸を意識し、体の細部まで自分の動きを操作するような感
じです。これは「マインドフルネス呼吸法」「ムーブメント瞑想」に似ていると感じました。
「正射必中」という言葉がありますが、正しい型であれば的中する、逆に言えば正しい型でないと安定した的中にはなりません。
この正しい型を目指すために、行射の際には自分の体がどうなっているかを点検することもあります。これは、ボディスキャンに近いものがあります。

私は弓道をしていたので、偏っていますが、武道の特に「型」は同様な発想ができるのではないでしょうか。
武道の達人と言われる人の凄みはここからくるものなのかもしれません。

学生時代にマインドフルネスの考え方を知っていれば、弓道への向き合い方も違い、もっと自分の成長につながっていたのかなと思ったところです。

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