Seabinという海洋ゴミ回収装置

Youtubeショートで流れてきた動画。
RICE MEDIAさんという環境問題への取り組みなどを扱っているユーチューバーさんの動画で、Seabinというものが取り上げられていました。

Seabinとは?

Seabinと書いて「シービン」と読みます。
海洋プラスチックが問題になっており、2050年には魚<海洋プラスチックの構図になるらしいです。

Seabinは海や湖に設置しておくだけで、自動でゴミを吸い込み、水だけをポンプで排出するというものです。
2~3日程度放置しておけばゴミが集まり、定期的に集まったごみを回収するだけでOK。
1回の設置で最大20㎏のゴミが回収できるそうです。

食品トレーやペットボトルなどの浮遊ゴミのほか、表層油や汚染物質、2㎜までのマイクロプラスチックも回収できます。

導入実績

Seabinはオーストラリアで開発されたもので、海外を中心に普及しています。
日本でも少しずつですが導入されているようです。
熊本県でビーチクリーンの活動をされていた東濵孝明さんが取り扱いにこぎつけ販売会社を設置、普及に取り組まれています。

熊本市の江津湖で実証実験が行われたほか、京都府宮津市で設置され京都海洋高校の生徒さんに研究に使われているとか。
また東濱さんのルートとは違うようですが、日本栄船㈱(㈱商船三井のグループ会社)が広島市と協力し、広島港の市営桟橋に設置しました。

取り組みの意義

SDGsのうち、「11 住み続けられるまちづくりを」「14 海の豊かさを守ろう」に繋がるものです。
勝手な印象として、日本の、特にネットという不思議な世界でSDGsは「企業が利益やPRのために使っている」「偽善だ」と批判的な印象を持たれている印象があります。
確かにメディアも「SDGsや環境問題への取り組みって素敵だよね」という感じで表面的な扱いしかしていないような気もします。

ただ、海洋資源に対する問題はそんなキレイごとや上から目線にする話ではないと思います。
私自身の考えは「美味しいお魚を食べ続けたいよね」という欲塗れのものです。
海や川が汚染されるとそれを摂取した魚は食べられなくなり、数も減っていきます。日本海・太平洋・瀬戸内・そのほか海峡や水道、様々な条件の海に囲まれている日本にとって、海洋資源は誇るべきものであり生命線の1つではないでしょうか。
自分たちの食生活や経済を守るためにこういった取り組みは絶対に必要です。

国や自治体こそ取り組むべき

たぶん、Seabinって高いですよね。結局は輸入品ですから、それだけでコストがかかります。また、設置してしまえば簡単みたいですが、集まったゴミの回収は必要です。回収活動自体で収益化というのもなかなか難しいと思われ、企業であればCSR活動にとどまるでしょう。
企業や民間団体がやるのを待つようではなかなか進みません。国や自治体が積極的に投資すべきではないでしょうか。
水産業を守るのは行政の使命です。
キレイな海→安全な水産資源→地域の魅力発信という自治体ならではの成果になるのではないでしょうか。
海洋ゴミの回収活動を研究対象にすることで、学術的な意義も見出せます。

その活動が広まることで、ビジネスチャンスを見出す人が出てくれば、自立した動きになり行政は手を放してもいいかもしれないですね。
設置すればいいというものではありませんが、行政だからこそできることではないでしょうか。
キレイごとと言われてもいい、パフォーマンスと言われてもいい、すぐに成果がでなくてもいいから、未来へ投資すべきと思います。

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