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おでん鬼
2020年7月22日 17:11
とある射撃場の受け付けに薄汚く痩せぽちな男が一人訪れた。男はこの頃もう、死にたくなって、たまらなく、首に縄をかけ吊ってみたり、家中の錠剤をかき集め手当たり次第に飲んでみたりしたのだが、死の淵をなぞるばかりで未だ、彼自身望まないままに生きてしまっていた。しかしそれも今日までだろうと思う。人を殺めるためだけに作られた兵器を己に向ければ、それはもう確実だろうと、考えついたからである。受付に立つ見事に
2020年7月22日 17:36
吹き荒ぶ寒風が男の肌を粟立たせた。「すみません、マフラーありませんか。」「それならキリンのペニスがございますよ。」「ええと、それは表現というか、商品名ですか。」「いえいえ、正真正銘、サバンナの風を切り、おそらく命を紡いだ、キリンのペニスでございます。」「ええと、それはそういう使い方をするものなのですか。」「それは私の決めることでなく、あなたの決めることでございます。」「でも、そんなも