CDショップ

昔、CD屋でバイトしていたことがあって、その頃はまだCDがそれなりに売れていた時代だった。

あれからずいぶん時間が経ち、毎月毎月ポストロック、マスロック、ポストメタル、エレクトロニカ、ブレイクコア、ノイズ、アンビエント、といったようなジャンルのCDをせっせと買い漁っていた私も、サブスクリプション全盛の今となってはCDをほとんど買わなくなった。
もちろんサブスクリプションが全ての楽曲を網羅しているわけではないから、中古盤を取り扱っている店にはたまに行ったりするものの、新品のみを取り扱っているCDショップにはここ数年足を運んでいない。

今、住んでいる田舎のショッピングセンターにあったCDショップも、いつのまにか雑貨屋さんに変わってしまったし、CDショップ自体ある程度の人口密度の都会に行かなければ見かけないものになったような気がする。

つい先日、用事があってその都会に出る機会があったので、CDショップに立ち寄ってみようと店の前まで行くと、店頭の1番目立つところにアイドルとアニメの美形キャラのポップやポスターが立ち並んでいた。
かつてあれほど自分の家の庭のように出入りしていた場所が、自分には全く無関係の場所のように思えて、そのまま踵を返して店内に立ち寄ることはしなかった。

きっと中に入れば昔と同じように、洋邦問わず名盤と言われるようなものは置いてあるのだろうし、それなりにマニアックなものあるのだと思うが、もう自分が定期的に来るような場所ではないのだな、と少し寂しくなった。

誤解のないように言っておくと、アイドルやアニメ関連の商品に何か言いたいわけではなく、私がバイトとして働いていた頃にも当然あったし、お店の売り上げを支える大切な商品だった。私自身、当時は邦楽全般の担当だったのもあって、アイドルのCDやアニメのサントラやキャラソンの手書きポップなども作っていた。
お店はお客さんの需要の高いものを優先的に売りたいわけで、今はそれがアイドルやアニメのCDなんだな、とシンプルに思う。


かつての私にとっての憩いの場も時代に合わせて変化していっている。

私も変わって行かなければならない。
次の憩いの場を求めて。

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