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日銀利上げのメリット①

一つ目。
金利がつくことによって、「銀行」から「融資」を受けやすくなる。

「え、金利がない方が借りやすいんじゃないの?」

まあ、「借りる側」から見ればそうですよね。
でも、「貸す側」からちょっと考えてみてくれませんか?

だって貸しても利子つかないんですよ。
儲けがなければ、株主に怒られるじゃないですか。
だから「国内投資」に「後ろ向き」になる。
しょうがないからどうするか。
そりゃあ「海外投資」をするしかないじゃないですか。だって「金利」あるから。

そして、借りる側(企業)もです。
銀行はお金を貸してくれないし、バブルの時みたいな「貸し剥がし」も怖いから銀行から借りない。(本当に大変だったんですよ。潰れかかった大企業も結構あるんですから。)

だから、
「内部留保」をため込む。
「新規投資」もしない。
「賃金」も上げない。

そんな悪循環がずっと続いてきた日本。

それがようやく終わるのです。

その間の実態がどうだったか、みなさんご存知ですか?

銀行は国内で利益を得られない分、※海外での投資を盛んに行ってきたんですよ。

農林中央金庫が大火傷したじゃないですか。1.5兆円の赤字。あれ、米国債運用の大失敗ですから。

一方、愛媛の地銀の伊予銀行は大成功。96億円の大儲け。欧米の金利上昇前にヘッジなし外債に切り替え、円安による為替メリットをしっかりと享受しました。

こんな感じで、金利のつかない日本を諦め、海外への投資を続けてきた日本の金融機関。

なんと世界2位の規模だったそうですよ。
一方で国内への投資はどうだったかというと26位だったそうです。
(2021年までの10年間合計OECD調べ)

これが日本の低成長の正体。

全部、金利がなかったせいです。

それに「金利が上がる直前」に「投資がたくさんある」って知ってますか?
みなさんだって消費税上がる前に「まとめ買い」したりするでしょ。

今、海外から日本に投資が戻ってきています。
TSMCの半導体工場やMicrosoftやOracleのデータセンター、Costcoの新規出店、スバル自動車の矢島工場新建設などなど。

「利上げ」が投資と消費を喚起する、これ、海外では常識です。

ほらね、メリットあるでしょ。


※〔補足〕8/2と8/5の日本株の大暴落で「銀行株」がムチャクチャ売られました。
日銀が金利を上げるのになんでそんなことが起こるのかわかりませんでした。だって、普通利上げしたら、銀行は儲かるじゃないですか。

専門家もいろいろ説明してくれているんですけれど、いまいち腑に落ちない。
多分、本当のことが言いにくいのかな、メディアに向かっては。
で、自分なりに考えたのが次の二つ。

①「銀行株=高配当株」は日本人が大好き。絶対にNISAでコツコツ買ってくれる。海外投資家、特にヘッジファンドが押し目買いで吊り上げて、業績関係なくピークで売り抜けた。NISA標的説、マスコミは絶対報じないです。すごい忖度。

②米国は今後利下げする。おそらく最終的には中立金利の2.5%(最近はもう少し上になっているかも、という議論あり)まで下げたいはず。そこまで下げられると当然銀行の業績は下がる。日本の民間銀行は事実上米国で儲けているから、アメリカの銀行と同じ。だから早めに売り抜けた。

まあ、こんなところかな。でも、アメリカの地銀株上がっているんだよね。やっぱり①がメインシナリオのような気がする。


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