2016/7/12の日記〜レッドクロス運動、船から降りる、港で手を振る〜
思っていたよりも太い針だった。針は左腕の肘の、反対側の薄い皮を突き破り、静脈へと射しこまれる。その間、看護師はレッドクロス運動(下肢筋緊張運動)を勧め、僕は言われた通りに伸ばした足を重ね、5秒力をキープし、そして5秒間力を抜いた。これを繰り返すことで筋肉の収縮により血管が圧迫される。その圧迫を利用し、心臓から流れてく血液を脳へ多く届け、副作用を防ぐわけだ。僕は空いている方の手で教科書を開き文字を目で追った。文字はうまく文章を構成させる間もなく、思い思いに視界を駆け抜け、僕を置