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天皇杯 3回戦

 本日はサンフレッチェ広島のマッチデイ、天皇杯の3回戦だ。正式名称は天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会で詳細は以下のサイトを参照してほしい。

 天皇杯を簡単に説明すると、J1、J2のチームとアマチュアを含む各都道府県代表、アマチュアのシード1チームによるトーナメント戦のことである。普通に考えるとトップカテゴリーであるJ1が優勢となるが天皇杯はそうはいかない。いわゆるジャイアントキリングが度々起こり、プロといえど決して油断はできない戦いなのだ。

 そんな天皇杯であるが昨シーズン、サンフレッチェ広島は悪夢のような結末に終わった。社会人サッカークラブのおこしやす京都に大敗、2021年の日本サッカー界最大のジャイアントキリングと呼ばれた。これはおこしやすの奇跡とも呼ばれているが実際に京都は強かった。しっかりと対策され完敗したと思わされた試合内容であったのである。しかし今季のサンフレッチェ広島は違う。スキッベ新監督の下で一新したチームは天皇杯の悪夢を振り切り2回戦を突破し本日の3回戦、横浜FCとの一戦に臨む。

 横浜FCは現在J2に所属しているが昨シーズンまではJ1にいたチーム。今シーズンはここまで好調でJ2の2位にいて、このまま難なくJ1に復帰しそうな勢いのしっかりと実力のあるチームだ。それに加え、サンフレッチェ広島は中3日でアウェイでの戦いになり難しいゲームになると予想される。天皇杯ならではのノックアウト方式、一発勝負の手に汗握る、白熱したゲームになりそうだ。

 サンフレッチェ広島は現在J1リーグ5位である。先週土曜の第17節 セレッソ大阪戦で勝利し5位に浮上した。正直なところ開幕前にリーグ前半戦を終えてサンフレッチェがこの順位にいると想像できただろうか?もちろん期待や願望はあったが、昨シーズンまでのチーム状況や新監督のチーム合流が未定なこと、ホームグロウンの選手のみの加入が補強と見なされていなかったことなどを理由に今シーズンは残留が目標という見方もあったはずだ。開幕から5戦勝利無しとなると今年もかと嘆きの声も聞こえただろう。しかしそれは結果だけを見た判断で、今シーズンは開幕から確かに違いが見て取れた。勝ちこそなかったが不安はなく、何度も記事に書いたが期待だけがその都度大きくなっていったのだ。

 スキッベ新監督の目指すサッカーが浸透しだすとそれは結果になって現れるようになる。チームに若きスター選手が誕生し、アカデミー出身期待の星でレンタルバック選手の覚醒、得点力不足が露呈していたチームが複数得点で勝利したり、先制点を取られても逆転勝利するようになったりと、あきらかにチーム力が向上しているのである。その監督は月間優秀監督賞を取り、様々なところでその戦術や選手起用法などが評価されている。非常に頼もしい限りだ。しかし私はスキッベ監督の優れているところの一つとして確かな分析力と合理性があると考える。攻撃で得点の確立が高いのはやはりクロスボールからのシュートだ。その確率の高い攻撃にフォーカスし、かつ何所からシュートを打つとさらに確率が高いかを把握し、その数か所にクロスを入れる練習と、そのクロスに合わせてのシュート練習に明け暮れる。さらにそのシュートがこぼれた時に詰めるというタスクを担う選手をつくりだす。そんなことは皆知っているよという単純明快な基本の"き"をクオリティ高く実現しているのがスキッベサッカーのマナーと私は見ている。そしてさらに大事なことは選手のメンタルだ。

 選手たちは皆チームの雰囲気が良く、楽しいサッカーが出来ていると口にする。はっきりと自分たちが表現するサッカーが相手を上回り勝利をつかむことが出来ていると自覚している証拠だ。やはりこの自信、自己肯定感がよいコンディションを生み、良いプレーにつながるのだと思う。いわゆる出ないあと一歩が出たなどというプレーだ。選手たちがそう思い楽しくプレーしているのだから観ている側も楽しいに決まっている。特に前試合のセレッソ大阪戦の逆転勝利は感極まるものがあり多くの方が感動した名勝負だった。それを証明するかのごとくサンフレッチェ広島の仙田社長からファン、サポーターにむけて感謝と感動を伝えるメッセージが発信された。内容からは仙田社長の熱い気持ちが容易に読み取れ、社長もまた我々と共に感動を共有したファン、サポーターの一人なのだと実感できる。いいクラブではないか。

 私はこうやってサンフレッチェ広島の記事を書いているがそれはファン、サポーターに向けてというよりは、サンフレッチェ広島のことを知らない方々に向けて書いているつもりだ。少しでも興味、関心を持ってもらいたくて書いている。この記事も誰かの目に留まりちょっとでも興味をもってもらえたら幸いで、そんな皆さんにサンフレッチェ広島を強くお勧めする。にわかでも何でもいい、一緒に楽しいことを共有しようではないか。私はそのうちサンフレッチェ広島がちょっとした社会現象になり、やがてはカープの様に全国的な社会現象になるのではないかと大いに期待も含め予測している。

ODA SYCLE
小田

 

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