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鰹(かつお)出汁

出汁とあなたとわたし

娘さん、出汁といえば、まずはやっぱり「鰹出汁(かつお)出汁」。

君が生まれて2年半、母は変わらず顆粒だしを使っていました。
そもそも出汁をひくという行為が選択肢にはなかったのと、
出汁パックは、捨てる時に出汁がらがもったいない気がしていました。
(お茶っぱはもったいないと思わないのは、なぜだろう)

今思えば、毎度の食事の時間を十分に楽しんでなかったのかな。
いまでは顆粒だしと出汁パックでも香りとうま味が段違いと思えるし、
もっと丁寧に出汁をひくと、その香りでお腹が空くくらい。
おいしい匂いも、食事を楽しむ重要な要素でしたね。

君はお味噌汁が大好きだだったね。
ばあばの家で出してもらうお味噌汁は、
毎回おかわりして、ばあばを喜ばせていたよね。
ばあば、出汁、ひいてたなぁ。

そんなことを思いながら、鰹出汁の基本を学びます。

鰹節の種類

鰹節にもいろんな種類があるようです。

荒節(あらぶし)
市販の多くはこの荒節で、カビをつけない製法。

枯節(かれぶし)
荒節をカビ付けすることで、発酵&熟成し風味が増す製法。
カビつけ2回以上で枯節、3回以上で本枯節。

血合い抜き
臭みや雑味が抑えられた風味になる。

血合い入り
こちらのほうが味が強い
「おかか」と呼ぶのはこっちらしい。

糸削り(いとけずり)
トッピングにつかわれるもの。

薄削(うすけずり)
文字通り、薄く削ったかつお節。
短時間でうま味、香を取りたい時に向いている。

  • かつお枯節削り節(血合い抜き) 上品でまろやか。

  • かつお枯節削り節(血合い入り) 濃い味わい。

  • かつお削り節(血合い入り) 花かつおに代表されるやつ。

厚削り(あつけずり)
関東圏の麺所はこれでしっかり煮出した濃厚な出汁をとる。

まだ経験したことはないけれど、一度は鰹節を削ってみたい。
君がもう少し大きくなったら、一緒にやってみようか。
いつかの日まで、部位くらいは覚えておこう。

雄節(おぶし)
背側のパーツ。赤身であっさり。

雌節(めぶし)
腹側のパーツ。雄節より脂肪が多いのでコクが出る。

亀節(かめぶし)
2.5kg以下の小型のかつおで、片身そのままの姿。

覚えることがたくさんあるね。

鰹節のうま味

鰹節でとった出汁は、わかりやすく美味しい。
なにが美味しく感じさせるのか。

鰹節のうま味=イノシン酸
お魚やお肉もこのイノシン酸がうま味のもと。
主に動物性のうま味のもとと覚えておけばいいかな。

うま味は掛け合わせるとパワーアップするそうなので、
これから掛け合わせ実験も楽しんでみたいと思います。

鰹節の健康効果

娘さん、鰹節は素敵な効果がたくさんありますよ。
母はもっと早くに知っておきたかったと後悔しています。
今からでも・・・間に合え!

・ダイエットしやすい体にする効能
・病気や怪我をしにくい体にする効能
・体や心の疲労を緩和してくれる効能
・若さを保つ効能

和食の旨味-小林食品株式会社

鰹出汁のひきかた

気を取り直して、出汁のひき方を学びましょう。

調べてみると、料理人のこだわりによって様々。
出汁ポットやコーヒーフィルターで注ぐだけでも美味しく取れると。
水出しでも十分らしいじゃないですか。
要は、個人の好みでよろしいと解釈しました。
面倒なことは続かないので、自然と自分に合う方法に落ち着きます。

いや、ちょっとまって!
やっぱり一回くらい、基本のひき方にチャレンジしましょう。
違いを知りたい。

薄削
だいたい、水1ℓに対して、かつお節30~40g。
水が沸騰する前に鰹節を入れて、火を止めて数分おく。
鰹節が底に沈んだ頃に、濾す。
この時、出汁ガラしっかりを絞る。

厚削
だいたい、水1ℓに対して、かつお節20gくらい。
水が沸騰してから中火にして、ふつふつした中に鰹節投入。
アクを取りながら、10分くらい煮出して、濾す。
する前に鰹節を入れて、火を止めて、鰹節が底に沈んだ頃に、濾す。
この時、出汁ガラは絞らない。

  • どうやらポイントは、
    ・煮えたぎったお湯じゃない
    (沸騰前とか沸騰して火を止めるとか、85℃という解説が多い)
    ・ぐつぐつ煮出すと灰汁が出る
    ・ちょっと蒸らす?

    のようです。
    このあたりを押さえておけば、わりと美味しいのではと思います。

母は薄削、厚削の両方にチャレンジしてみました。
当然ながら、出汁をひいている時の香りがとても良いです。
水出しだと、この感動がない。
ただ、簡易なひき方と丁寧にとる場合の味の違いは、
よくわかりませんでした。

そう、母の舌はそんなに繊細ではなかったのでした。
何事にも大雑把な母です。
「なんかうまい!」この気持ちを大事にしたいと思います。

娘へ

基本を知って損はしないかと。
1回くらい、正統派な鰹出汁をひいてみるのも楽しいと思います。

だけどポットにフィルターをセットして、
熱いお湯を注いで、ちょっと蒸すだけでも、
十分においしい。

香りで心も満たされます。

眉間の皺をのばしたい、そんなときに出汁をひいてごらんなさい。
体の強張りがほわ〜っと抜けて、優しい表情になるはず。

どう、なった??

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