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昆布(こんぶ)出汁

出汁とあなたとわたし

娘さん、わかめが大好きなのに、昆布を食べないのはなぜですか。

母はめんつゆを買う時、なぜか「昆布だし入」の商品を手に取ります。
理由は特にありません。
あ、冷蔵庫を確認したら、ぽん酢も昆布だし入でした。
昆布だしが入ったものが美味しい、という潜在意識があるようです。

しかし、昆布から連想するのは、お正月のおせちに入っている、アレです。
あとは酢昆布、おつまみ昆布。
シガシガして美味しいもの。
それが昆布。

昆布で出汁をひいたことはありませんでしたが、
思えば、おつまみ昆布を口に入れて、
口の中でじゅわ〜と出汁をとっていました。
世界一簡単な、昆布の味わい方は、
じゅわ〜のあとにシガシガすることかもしれません。

君も食べてごらんよ。

そんなわけで、今日は昆布出汁の基本を学びます。

昆布の種類

昆布の種類もいろいろあります。

ほとんどが北海道産で、北海道のどこで取れたかで味が違うそうです。
さらに、採れた浜、等級、養殖か天然かでランク付されているようです。

真昆布(まこんぶ)
最高級の昆布。
函館〜室蘭あたりで採れる。
肉厚で上品な甘さ。
関西で好まれるようです。

利尻昆布(りしりこんぶ)
利尻島、礼文島、留萌以北〜稚内〜網走あたりで採れる。
島で採れたものは高級品。
透き通った薄味。
京都料理で好まれるようです。

羅臼昆布(らうすこんぶ)
知床半島の根室側の沿岸にのみ生息。
希少なうえに、他の昆布より製造工程が多い。
黄色味をおびた、濃厚&香りもしっかりした出汁が採れる。
ラーメンスープや佃煮に使われる。

日高昆布(ひだかこんぶ)
日高地方で採れる。標準和名は三石昆布。
リーズナブル。
磯の香りが強く、やや濁りやすく、甘味も少ない。
煮上がりが早いので出汁以外の料理にもよく使われる。

長昆布(ながこんぶ)
三石昆布の変種のひとつで、昆布類最長。
出汁には不向き。
昆布巻き系料理に使われる。

がごめ昆布
粘りが強く、フコダインを多く含む(食物繊維!)。
松前漬けはこれ。

厚葉昆布(あつばこんぶ)
その名の通り、厚みがある。
佃煮、塩昆布、昆布巻きなどの材料。

細目昆布
古くから採取されているが、現在の採取量は少ない。
粘りが強い。
とろろ昆布、きざみ昆布に加工される。

昆布のヒエラルキーたるや。
羅臼昆布を近所のスーパーでみつけて買おうかどうしようか、
迷った挙句、一度帰宅しました。
日高昆布の5倍くらいのお値段でした。
でも、一度くらいは!と勇気を出して買いに行きました。
日高昆布よりやわらかくて、少し塩気が強く、食べ応えを感じました。

昆布のうま味

昆布のうま味=グルタミン酸。
昆布のグルタミン酸が発見され、「うま味」と名付けられたことで
「うま味」の知名度が上がったそうですよ。
ほかには、トマトとか貝とか、動物性も植物性もあるんですね。

また表面に白いカビのようなものが浮いていますが、
これはマンニットといって、昆布のおいしい成分のひとつ。
取らないほうがおいしい出汁がとれるそうです。

昆布の健康効果

娘さん、昆布にも嬉しい効果がたくさんありました。

・頭の回転のために
・丈夫な骨のために
・のどをすっきり、風邪をひきにくいからだのために
・消化力のために
・血圧を一定に保ち、血管を強くするために
・血糖値を安定させるために
・アレルギーのために
・減塩のために
・ダイエットに
・きれいな肌のために
・ストレス解消のために
・ツヤのある髪・爪のために
こんぶネット- 一般社団法人日本昆布協会

こんぶ出汁できれいになるわよ!

出汁のひきかた

昆布の出汁のひきかたは、鰹出汁より面倒な印象です。

まず準備
表面を軽く拭く。
(白い粉はうま味成分なので洗ったり、擦りとったりしない)
表面から十分なうま味がでるので、切り込み入れたり細かくしない。
(ぬめりと雑味のもとになる)
軟水を使う。

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だいたい水1ℓに昆布20g
水に昆布を入れて1時間くらいつけて戻す。

火にかける
弱火にかけて、沸騰する前(60℃)で火を止める。
60℃の目安は、昆布の表面や鍋のふちに細かい気泡が出てくるころ。
昆布を引き上げる。

鍋の前でじっと待つ時間がつらい・・・。
そういう母は、やはり水出しの一択です。

しかし水出しだとなんとなく薄い気がしてしまう。

だしの研究(柴田書店)」によると、
60℃で1時間抽出するのが最もグルタミン酸が抽出されたと書いてあるし、色々調べていると60℃説が多い。

ということで、一度ケトルで沸騰させたお湯を容器に移し、
ちょっと放置してから昆布を入れることにした。
たぶん60℃よりちょい高めの温度で昆布を投入しているけど、気にしない。

リーズナブルな日高昆布でも、わりと昆布感を感じられる(気がする)。

ランクの高い昆布も試したいけど、
大きくて高いわねぇ。
小さなパッケージで売ってくれないかしら・・・。

娘へ

基本を知って損はしません。
しかし、昆布出汁をひくのは心と時間に余裕がある時に限ります。
余裕がない時は、ああ、じれったい。

じっくり昆布出汁をとることで、心に余裕ができたらいいのに。
母まだ、そこまで成熟していません。

昆布出汁は他の出汁との相性も良いので、
水出しで冷蔵庫にいつでも入れておくと便利ですよ。
さあ、昆布出汁を飲んで一緒に昆布ビューティーを目指しましょう。


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