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タイプロレスSETUPに、新日本プロレスからザック・セイバーJr、エル・ファンタズモが来襲~2024年3月23日

タイのプロレス団体、SETUP Thailand Pro-Wrestring は、現在、バンコクのラチャダー地区にある Circus Studioで2カ月に1回の定期大会を行っているが、3月23日の大会「EP:17 BANGKOK STRONG STYLE」でも、会場は超満員と盛況だった。

3月23日大会のポスター

この日は新日本プロレスからザック・セイバーJrエル・ファンタズモの参戦があり、通常以上の集客を見込んで、SETUP側は席数を増やして対応、通常300人程度で会場は満席となるが、この日は500人は観客が入っていた様子。ちなみにSETUPのチケット代は500バーツ程度で、高騰するコンサートやムエタイのチケット代と比べると、手頃な価格と言える。タイのプロレスファンは絶対数が少なく、さらに他の格闘技のファンとは、あまりリンクしないことを考慮しても、なかなかの賑わいと言える。タイ在住の欧米人、日本人のファンも多く、観客席は国際色豊か。

超満員のCircus studio

タイのプロレスファンは、地上波テレビで放送されていたWWEなどのアメリカのプロレスに慣れ親しんでいることから、SETUPもアメプロ的な要素も強く、キャラ付けした各レスラーが繰り広げるエンターテイメントは非常によく練られ、観客の心も掴んでいる。

著者は2年前に某サイトでの連載で、2回ほど、SETUPについて取り上げているが、2年前と比べてあらゆる面で数段レベルアップしている様子。現在、タイには2つのプロレス団体があるが、SETUPが頻繁に活動を行っており、より洗練されてきた印象を受ける。

SETUPは、日本のプロレス団体とのコラボも多く、ここ最近は毎回、日本からのゲスト参戦があり、そちらもファンにとっての楽しみのひとつ。元々SETUPは、女子プロレスラーさくらえみ氏がタイで設立した我闘夢舞(GATOH-MOVE)がその母体となっており、日本のマット界にもコネクションがある。

2024年1月大会で久々に参戦したさくらえみ

これまで、DRAGON GATE、DDTプロレスなどからレスラーの参戦があったが、SETUPが今年より、新日本プロレスが中心となったアジアを統括するプロレス組織、APWF(アジア太平洋プロレス連盟)へ参加することになり、新たに新日本プロレスとも繋がりができた。そして、今回、ジャックセイバーJrとエル・ファンタズモの2名が参戦となった模様。その他、香港、マレーシア、フィリピン、インドからもゲスト、レギュラー参戦しているレスラーもいる。

香港からは、ほぼ毎回に渡ってサニーZが参戦しているが、筋骨隆々とした肉体と陽気なキャラクターでタイのファンの心も掴んでいるようだ。今回はタッグマッチで世界中を転戦するハンガリー人レスラー、ベンジ(BENJI)とタッグチーム・GYM BROSを組んで、SETUPのケビンポンドハブのST.JOHN COLLEGE コンビと対戦し、連携技を見せてこれに勝利した。

香港のサニーZとハンガリーのベンジーのコンビ対SETUPのBTコンビ
タイのファンの心を掴んだサニーZ

SETUPにも個性的で魅力のある選手が揃い、今大会も全8試合をそれぞれ見どころのあるものとしている。タイ名物のバイクタクシーのーコスプレで人気があったPスチャートは、あえてそのキャラを封印して、札束を見せびらかす成金キャラのアノント・アロンゾとタッグチームを組み、ハイソキャラで活動し「タイマッサージ攻撃」を編み出している。また、今回、ベテランで若手選手のコーチを努めているパクサも復帰、古式ムエタイファイターの新しいキャラを模索中の様子であった。筋肉キャラのバイタル・ハスデンなど初期から活躍するレスラーが前座で華を添える。

テリー・ディーゼルはかつて著者が某サイトで取り上げたこともあるレスラーで、以前カッパ・ロックスターで活動していた時は日本の東スポにも取り上げられたことがある。ヘビィメタルバンドPast Of Painを率いて音楽活動もしているが、日本に自費でレスラー留学し、高山善廣氏とリングに立ったこともある。当時、高山氏はテリーに「タイの力道山になれ!」と激励したという。

貫禄のあるテリー・ディーゼル、GATOH-MOVE時代に「EKバキ」のリングネームで活動

テリー・ディーゼルはこの日第2試合のタッグマッチに登場、延髄蹴りで、ミッキーワイルドをリング外に叩き出し、そのままミッキーの相方のジェニーに得意技の、Falling Sanctuary (ダブルチョークバックブリーカー)を決めて勝利した。かつてはSETUP、そしてGATO-MOVEでもチャンピオンだった身であり、今後もベルト争いにも絡んでくると思われる。

そしてこの日、ダブルメインイベント、SETUPの双璧のエース、シバムジョナサン・ジョンソンがそれぞれシングルマッチで、ジャック・セイバーJrエル・ファンタズモと対戦したが、いずれも好試合を見せた。シバムは元SETUP王者だが、現在は無冠。ジャック・セイバーJrとも当たり負けておらず、17分に寄って緊迫した攻防が繰り広げ、最後はジャック・セイバーJrが腕ひしぎ逆十字固めでギブアップ勝ちを収めた。

シバム対ジャックセイバーJr

ジョナサン・ジョンション対エル・ファンタズモ戦は、ジョナサンの持つSETUPオープンウェイト王座を賭けての試合となったが、目まぐるしく攻防が交替する展開が続き、最終的にジョナサンが20分過ぎにエル・ファンタズモからフォールを奪い、ベルトの新日本プロレスへの流出を防いだ。

ジョナサン対エルファンタズモ

次回の5月25日の大会「EP18:CLASH OF THE TITANS.」では、シバムとジョナサンがメインイベントで対戦し、ベルトを争う。東京女子プロレスから瑞希選手が参戦し、SETUPの女子レスラーのマッチャ、昨年9月に日本デビューを果たしたタイの微笑み王子、モノモスと3WAYマッチで対戦する。この試合は、モノモスがオネエキャラで売っていることもあり、SETUPオールアジア女子タイトルマッチとして行われる。

今後もSETUPについては、各選手を個別に取り上げるなど詳しく紹介していきたい。

5月25日のEP18では、瑞希対マッチャ対モノモスが実現。現女子王者はマッチャ。

 ↓ ↓ 大会の告知、ニュースなどはSETUPのFACEBOOKページなどでアップされる

↓ ↓ 記事で紹介した3月23日大会、EP17の動画


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