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孤高の侍ファイター、中村慎之介がタイのリングに復帰~2023年1月14日のラジャダムナンスタジアムより

2023年1月14日、バンコクのムエタイの聖地、ラジャダムヌンスタジアムで行われた”RAJADAMNERN KNOCKOUT”シリーズに、日本人の”侍ファイター”中村慎之介選手が登場しました。

中村慎之介選手は、2017年より拠点をタイに移し、ライト級を主戦場に戦っています。これまで積み上げた戦績は、なんと50戦、31勝17敗2分で、タイ、カンボジアを中心に中国やマレーシアでの試合も経験しています。

私がたまたま中村選手の試合を観たのは、3年ほど前のバンコクでのMX MUAY XTREMEというテレビシリーズの興行で、通常のボクシンググローブではなく、MMA用の薄いグローブを着用した、近年広まっているスタイルのムエタイでした。

日の丸の鉢巻きを締めてリングインし、静かな佇まいで、観客に日本人が誰もいない完全アウェーの中で黙々と戦う姿に心を惹かれました。

※中村選手過去記事はこちら  ↓ ↓ ↓

昨年はコロナ渦の中でブランクがちとなったキャリアを一旦リセットさせる意味で、日本に帰国し、長期休養に充てていました。

1年間のブランク、日本での休養を経てタイに戻った中村選手は、2022年大晦日に組まれた復帰戦で、1月14日と同じ”RAJADAMNERN KNOCKOUT”シリーズにてタイのアーミー・フィティフォートファイトクラブ選手に判定勝ちを収めました。

12月31日のラジャ・勝ち名乗りをあげる中村選手

1月14日の試合は、前戦からわずか2週間の間隔で組まれた、再起2戦目となります。

当初は、1月13日が試合日でしたが、前日の12日に日程が14日に変更になってしまいました。実は中村選手の復帰戦は、2022年12月初旬にプノンペン遠征で行うはずでしたが、これはカンボジアへの出発日に試合が流れたことが伝えられました。タイやカンボジアの試合は、なかなか一筋縄ではいきません。

14日のラジャダムヌンスタジアムは、中村選手はセミファイナルでの出場となりました。同興行は「KO率80%!」と謳ってはいるものの、実力が拮抗したもの同士の試合が多いためかなかなかKOシーンは見られません。

それでも、外国人選手が多いこのシリーズは、タイ人選手よりもバチバチに打ち合ってKOを狙う選手が多く会場も盛り上がります。

この日はタイ人対フランス人、タイ人対ラオス人のタイ対外国人選手の試合の他に、フランス人対イラク人、日本人対モロッコ人の外国人対決が組まれました。

中村選手の相手はハイカム・バザードアカデミー選手でモロッコ人選手です。(ポスターではイラン人選手と表示されています)

2022年終盤のブアカーオ対三浦孝太、ブアカーオ対佐藤嘉洋戦は3階席までぎっしり満員のラジャダムヌンスタジアムでしたが、この日は外国人観光客を中心に3~4割の入りといったところでした。

試合前の入場待ちの時間~第5試合の終了を待つ

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そしてセミファイナル、ラジャダムヌンスタジアムにアニメ「クレヨンしんちゃん」の主題歌「オラはシンノスケ」が響き渡ります。本物の”シンノスケ”が使用する、この入場曲は、掴みとして充分すぎるインパクトです。たまたま会場に訪れた日本人観光客には大うけの様子でした。

タイでも「しんちゃん」「シンノスケ」は有名なので、彼の名前は憶えやすいと思います。この選曲は中村選手曰く「主催者が勝手に選んだ」とのことで、正直恥ずかしかったとのことです。

リング上では二選手のワイクルー(試合前のタイ式の踊り)があり、その後でゴングが鳴らされます。積極的なハイカム選手は、タイのテレビでのムエタイファイトの常連で、中村選手と同じくタイで実績を積んでいます。

ハイカム選手は試合開始直後からサウスポースタイルで繰り出すハイキックなど、派手な攻撃で中村選手を襲います。

私は中村選手g2週間前に試合したばかりと知っているためか、彼が試合開始から疲れているような印象を受けました。派手な攻撃に戸惑い、それでもなんとか防御して対応、受け手に回っているように見受けられました。

ハイカム選手は応援団がリングサイドを占拠して、大歓声が送られています。それに釣られて、観客席の多くを占める外国人観光客もハイカム選手に声援を送り、中村選手にとってアウェーの雰囲気となってしまいます。

決定打は許さないものの、終始積極的なハイカム選手の攻撃に中村選手が押し込まれる絵も思い浮かんでしまいます。「大丈夫か、大丈夫か、、」祈るような気持ちでリングの彼を見守りますが、よく見るとハイカム選手の派手な攻撃は中村選手のガードの上ばかりで決定打はほとんど当たっていません。

中村選手はボディへの膝蹴り、右ミドルキック、前蹴りなどで終盤持ち直しましたが、初回の採点はハイカム選手に振り分けられそうです。中村選手は椅子に座らず立ったままでインターバルを過ごしていました。

2ラウンド、相変わらず派手な攻撃のハイカム選手だが、中村選手は初回に感じた疲れてそうな感じも消えて、ハイカム選手に右ミドルを何度も打ち込みます。しかし、ハイカム選手も攻撃ペースは落ちません。

最終3ラウンドは、開始直後に顔面にわずかにかすめたハイキックに中村選手はフラッシュダウンを喫します。レフェリーは確認できず、ノーカウントでスリップダウンの扱いです。

手ごたえを感じたハイカム選手は一気に責め立てます。それもうまく対応した中村選手、首相撲からのヒザが有効で最後はうまくハイカム選手を投げてリングの上に転がし、会場をヒートアップさせます。

そして試合終了のゴングが鳴ると中村選手は右手を挙げて、勝利を観客にPRしました。

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気になる判定の結果ですが、残念ながらジャッジは3人ともハイカム選手を支持しました。

初回、立ち上がりが良くなかったものの、攻撃的なこの相手によく盛り返し、2ラウンド、3ラウンド共に中村選手が取ったように思いましたが、相手のほうが見栄えが良い攻撃だったのかもしれません。

前戦からの試合間隔がもう少し空いていれば、とも思いましたが、これがタイで戦うということなのでしょう。

再起2戦目を終えた中村選手、次は2月5日にタイ南部のクラビでの8人トーナメント出場が決まりました。勝ち続ければ、1日で3試合(3ラウンド)を行うことになるというハードなトーナメントです。

ブランク前でも、これだけ次々と試合は組まれなかった気もしますが、本人は「組まれた試合をこなすだけです」と答えています。

14日のラジャダムヌンスタジアムの試合は、モロッコ選手の応援団の声援も判定に少なからず影響した気もします。

私は知人(日本人)との応援でしたが、初めての中村選手の応援となった知人も中村さんの試合の展開に熱くなり、今後、中村選手の試合には毎回応援に駆け付けたいと言うほどです。

タイ在住の日本人の方、観光でタイに来られる方、是非タイで戦う中村選手の試合観戦、応援をお勧めしたいです。毎試合、熱戦を繰り広げ、彼の試合は目が離せないところがあります。


試合予定は中村選手の個人のFACEBOOKページや、所属ジム(JITTI GYM)のFACEBOOKページで案内されますので、チェックしてみて下さい。

中村選手のプロフィール・リンク
(友人申請が必要)

https://www.facebook.com/profile.php?id=100009172732532

JITTI GYM リンク

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