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タイボクシング界のホープたち~世界王者候補を紹介

サワディーカップ
(2022年3月4日に某サイトで掲載)

今回はタイのボクシング界のホープたちを紹介したいと思います。

現在、タイではミニマム級に2人の世界チャンピオンを抱えています。WBCのパンヤ・プラダブシリ選手と、WBAのノックアウト・CPフレッシュマート選手です。

現世界王者を超えて、一般層にも広く名前を知られているのは、元WBCスーパーフライ級王者のシーサケット・ソールンビサイ選手です。

2月の世界戦はコロナ感染騒ぎで残念ながらキャンセルとなってしまいましたが、タイの一番のビッグネームとして、まだまだ次のチャンスがやってくるでしょう。

これから世界戦線に飛び出すホープについてですが、まず、スーパーバンタム級のプロスペクト、ナコンルアンプロモーションがバックアップする、チャイノイ・ウォラウット選手(Thattana Luangphon)を紹介します。

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これまで、15勝(12KO)0敗1分とKO率は高く、その風貌と倒しっぷりから、私は勝手に「タイのアーロンプライヤー」と名付けていますが、公式のニックネームは”ROCKMAN”です。

ここ2戦は元WBOバンタム級王者プンルアン、元WBCライトフライ級、WBAフライ級王者コンパヤックと、元世界王者相手に2戦連続判定勝ちと、KO勝ちを逃して試練を迎えました。

次戦以降でまた倒し屋ぶりを取り戻してほしいところです。かつての辰吉丈一郎さんを彷彿させる天才タイプですが、倒しに急いで雑になることもありますので、その辺りを修正すれば、更に可能性が広がっていくのではないでしょうか。

チャイノイ選手は、現在、WBCアジアスーパーバンタム級王者で、WBC世界ランキングでは9位です。松浦大地選手など、日本人選手とも対戦経験があります。

ナコンルアンプロモーションでは、5年前にWBCフライ級王座決定戦に出場(メキシコのエルナンデスにKO負け)したナワポーン選手(Nawaphon Kaikanha)が、バンタム級に階級を上げ、現在WBC世界バンタム級1位となっています。

51勝(41KO)1敗1分の戦績を誇り、毎試合、確実な試合運びで勝利を収めています。

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ギャラクシープロモーションのセーンアティット・ルークサイゴーンディン選手(Phoobadin Yoohanngoh)も現在、注目度を上げています。WBAアジアスーパーライト級王者で、スピードとパワーで、これまでに12戦全勝7KOを誇ります。

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セーンアティット選手は実家がムエタイジムで、格闘一家の中で、幼いころからムエタイに慣れ親しんできました。今は、まだ18歳で、元WBA世界王者デンカオセーンを彷彿させるイスラム教徒のシュマグと呼ばれるスカーフを頭に被ってリングインします。

ギャラクシープロモーションのテレビシリーズのメインイベンターでもある彼は、2020年に行われたタイ人ホープのトーナメント戦”THE FIGHTER”でも、強豪を相手に勝ち抜き、優勝を飾りました。

階級は重いですが、年齢的にも先は長く、今後、大きなチャンスも訪れると思います。

ミニマム級の2人の世界王者は、共にペットインディープロモーションに属していますが、この2人の他に同プロモーションのメインイベンターと言えば、井上拓真と対戦したペット・CPフレッシュマート選手(Tasana Salapat,64勝1敗)と、比嘉大悟と対戦したことのあるゴンファー選手です。

このうちの、ゴンファー・CPフレッシュマート選手(Jakrawut Majungoen)ですが、比嘉選手にはKO負けしたものの、OPBFチャンピオンになる前の福永亮次選手や、藤岡飛雄馬選手とも対戦して勝利しています。

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こつこつと戦績を積み上げて、41勝(20KO)1敗1分の戦績を誇る、WBCアジアスーパーフライ級王者です。ゴンファー選手は、かつてはスーパーバンタム級のWBCアジアタイトルを手にしたことがありましたが、階級を2つ下げて、勝負していく予定です。

サーサクンジムで世界王者2人とともに練習しており、世界のレベルを身近に感じている強みがあります。

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以上がタイの3大プローモーションの選手ですが、最近第4勢力として注目を集めるタンテレコンプロモーションでは、サーム・タンテレコン選手(Nattapong Jankaew)がWBAアジアスーパーフライ級王者として活動しています。

9勝5KO無敗のサーム選手には、WBAレギュラー王座挑戦のうわさもあります。

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また、同プロモーションでは、元WBAスーパーフェザー級王者”リトルタイソン”ヨーサナン3Kバッテリーの息子、ジャッキー・タンテレコン選手(Chaiyapong Phongwankittikun)もフェザー級で無敗を継続しています。

ジャッキー選手は4戦4勝4KOの戦績を誇りますが、1年半のブランクを作っています。

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日本ではグリーンツダジム所属選手で、オダサイ便でも何度か取り上げた21歳、ウルフボクシングジムのタノンサック・シムシー選手(Thanongsak Simsri)は、コロナ禍の中でも精力的に試合をこなし、21勝19KOの戦績を残しています。

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この3月27日には、タノンサック選手はABFのアジア王座決定戦に出場予定です。日本では京口チャンピオンへの挑戦が叶いませんでしたが、現在、ライトフライ級世界ランキングではWBO4位、WBA10位にランクされ、世界王座挑戦の機会もやってくると思います。

タノンサック選手の弟、20歳のシティサック・シムシー選手(Sitthisak Simsri)も9勝9KOと、ミニマム級でパーフェクトレコードを残しており、今後が楽しみです。

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↓ ↓ 続編 (2024年6月) 

セーンアティット選手の2021年12月の試合

チャイノイ選手のKO集

タノンサック選手の2022年2月の試合



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