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「視写」でわかること

こんばんは!小谷ちいです!

夏休みが明けて、早速授業の地域、まだ夏休みの地域など様々ですね。

1年生は、初めての夏休み、楽しく過ごせたことでしょう!
前回の話題もありましたが、1年生の夏休み明けに「学校に行き渋る」児童が少なからず出てきます。(私も必ず経験しました)
その時は、保護者と協力して、まずは学校に来ること、不安をとことん聞くこと、出来たことを認めること、保護者に連絡し家庭でも褒めてもらうこと、でした。


さて、表題の件です。
1年生の1学期に「ひらがな」の読み書きにかなり慣れてきました。
この活動をもとに夏休み明けから「予定を書く」事を始めるクラスもあるのではないでしょうか?
また、国語では「詩」の教材も出てきます。

夏休み明けから「書くこと」が増えてきます。
ここで、児童の「書くこと」の様子をよく観察してみましょう。そうすると、多くのことが分かります。

1.黒板に書いてある「予定を書く」
2.先生が口頭で「予定を話し、記憶して書く」
3.国語や算数で、黒板に文字を書き「視写する」
4.国語の「詩」の教材などで、教科書からノートに「視写する」

この4つの「書く」。視機能や記憶など使う領域が違います。

ただし、すでに通級や作業療法などを受けて支援を受けている場合は、必ず「合理的配慮」を確認し、実践しましょう。
例えば、「黒板の文字が写しにくいから、黒板の文字を書いたホワイトボードを机に置いて書きやすいようにする」
「マスに文字を書くことが苦手なため、予定をタブレットの写真で保存する」など、その子に負担にならないよう、配慮をしましょう。

それ以外の児童について、以下のように考えてみましょう。

1.3について

この場面での「書く」場合、「首を縦(上下)に動かし、遠くの文字を見て、近くのノートに書き」ます。
首を縦に動かしますが、同時に
①「目も上下に動かして」います。また、
②「遠く、近くを見るため同時にピントを合わせ」ます。
さらに
③「見た文字を覚える」場面では「文字として認識する」か「文字を音に変換して認識する」かで変わります。
④「ますの中に文字が書けているか」
⑤「形が整っているか」

授業や生活の中で、「この子、この時は書くのが遅いなあ…」と思うときは、以上の4点の中で、どこが苦手そうなのか、じっくり観察してみましょう。
①②の視機能の場合では、学校で出来ることとして、まずは、「席を前の方にし」、繰り返し「黒板の字をノートに書く」練習をしたいです。
繰り返してもなかなか上達しない場合は、視力(視機能)に問題がある場合もあります。(現在では3三時健診で弱視などかなり診断がでることが多いですが)
③の場合は、「短期記憶」がうまく機能していなかったりあまり高くない場合があります。これは、繰り返しても、なかなか上達はしません。最初は1文字ずつになってしまいがちですが、繰り返し練習すると3~4文字まで覚えて書くことができます。
配慮する児童で「WISC」の検査をしている場合は、その数値を確かめます。
④⑤については、「視機能と書くこと(脳機能)の連携が取れていないため、うまくマス目にかけない」場合があったり、「マス目が薄くて見えていない」場合もあります。
個々で大切なことはマス目に文字が入っていなくても「頑張って書き切れたね」と認めることです!!
マス目に文字を入れることは、その子にあったいろいろな支援が必要となります。特別支援コーディネーター等に相談をしましょう。

2について

小学校1年生では、まだ「聞いて書く」という活動をあまり経験していないと考えましょう。
そのため、「聞きながら予定を書く」事は良い訓練になります。
なぜなら、「こくご」や「さんすう」など、何度も聞き、書くことができるひらがなが多いからです。
最初は予定で「聞きながら書く」事に慣れ、その後いろいろな言葉を「聞きながら書く」用にすると良いです。

聞きながら書くことが難しい児童は、先ほどの上記の③に当たります。
「ひこうき」「ながそで」等の4文字ぐらいまでは書くことができますが「とうがらし」「たけとんぼ」等5文字以上になると、何故かかけなくなる場合もあります。これも、個々の「短期記憶」が影響します。
なかなか伸びない児童もいますが、予定だけでなく、国語の授業の中でも「聞いて書く」を繰り返し練習したいです。

4について

この場面の場合「首を横(左右)に動かし、左に置いてある教科書の文字を見て、右のノートに写し」ます。
首(身体)も左右に動かしますが、
「目も左右に動かし」ます。また、
⑦「距離は近いとは言えピントを合わせ」ます。
「見た文字を覚える」⑨「ますの中に入っているか」⑩「形が整っているか」事も1.2の場面と同様です。
視写が苦手な児童は、どこでつまずいているか、よく観察してみましょう。「黒板の文字は早く写せるのに、教科書の文字はなかなか写せない」という児童もいます。

このような観点で児童を見ることによって、その児童の得意・不得意を見つけることが出来るかもしれません。

先生が、児童の「特徴」を見つけて「配慮」し、学習支援をする事で、児童は自信をもって学習に取り組めるようになりますよ!

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