リヴァイ兵長は何を追い続けてたんだろう

突然の。

最近やっと進撃の巨人を全部読み終わったんですけどもね。

*結末読んでない方は、ネタバレ的な内容あるのでご注意ください*

開始当初から、多分に漏れずリヴァイ兵長かっけぇぇぇってなってた一人なんですけども。

リヴァイ兵長って業が深すぎませんか・・・

私多分いま、進撃の最後の方の兵長と同い年かちょっと上くらいなんです。
その歳になって、兵長の今までを思うと、なんかさ、違うよね感じることが。

兵長って、ずっと優しいじゃないですか。
ずーっと部下思いで、何やかんや面倒見良くて、
年端のいかない部下が死にそうな顔して追い詰められてたら、優しくない優しい言葉をかけてくれる。

でもその一方で、延々と仲間を失い続けていて、
そもそも調査兵団に入ったのも、自分の大切な人を守るためで。

なんか兵長って、

今目の前にいる、自分の手の届く範囲にいる大切なものを、ただそれだけを一生懸命守ろうとして、それをずっと貫き通した人のように思います。

エルヴィンには俺の見えてないものが見えてると言っていた。

多分、兵長にとっては、目に見える世界、自分の両手が届く範囲の世界が全てで、それを大切にして守ることが正しいことなんだと思う。

だから、正反対のエルヴィンに引き寄せられたのかなと。

団長は、自分の手の届く範囲がたとえ犠牲になろうとも、その先を見る人。
もっと大きな何かを見てる人。

すっごい小さい世界に当て嵌めて申し訳ないけど、何かを変革するようなパイオア(いわゆる経営陣)とその参謀とはまさにこの関係性だなと思った。

どっちも必要。凡人には一切理解できない、この世の先を見てる人。
その人の本のわずかな一片を何となく理解して、それを現実的に具現化できて道を切り拓ける人。

得てしてパイオニアって変人というか、一歩間違えればとんでもなく恐ろしい思考を持ってて(フロックがのちに彼を悪魔というのも頷ける)、団長とかまさにその感じ。

一方で兵長の方が私はとても現実的なように思う。
団長の夢物語に少し希望を持ちながらも、地に足をつけて、今までの経験を糧に、バランスをとってこの世界に存在している。まさに参謀。

だから兵長のモチベーションはずっとずっと、自分の守りたかった人たちが、望んだ世界にするってことにあった気がしまして。
だから、アルミンのことも団長のことも、自分には到底わからない感覚を持ったやつって線引きしてる感じがあった。(いい意味で)

死んでいった仲間たちが、見たかったもの。望んでたもの。満足する世界。

満足する世界、っていうとでっかいけど、きっと兵長は、自分が「悪くない」と思った人たちが、笑って、満足して生きていける結末がそこにあればいいって思っていただけな気がする。

兵長自身がどうしたいとかじゃなくて、きっと、彼らが望む結末であって欲しかっただろうし、
世界よりも自分の手の届く範囲の人たちをずっとずっと大切にしてきた人なんだと、なんか思う。

それってすごく人間らしくて、とても人間で、素敵だなと思う。

もちろん、団長みたいな悪魔のような人も、エレンみたいな死に急ぎ野郎も、ハンジさんみたいな変態も全員必要で。

ただ多分、兵長が人気なのってそうゆうことなんじゃないでしょうか。

兵長ってあんまり、でっかいこと言わないなと。

とりあえず目の前にいる大切な人たちを守って、その人たちが健やかでいれることを優先してて、それを実行してる人な気がしる。しる。

大人なんすよね、一番。


何かのタイミングで、兵長って何のために戦ってんだろな。ってふと思ったんですよ。

うまく言えんのですが、、
巨人ぶっ殺したんねん!もあるかもだけど、背景を考えるとそれだけじゃなくて。でも団長みたいに世の中をひっくり返したい!世の中の秘密をあばいたる!みたいな願望があるようにも見えなくて。

で、色々思いを巡らせた結果、彼の大切に思う人たちが、彼をただ動かしてんだなあと思ったというか。

しつこいが一番人間らしい。

自分が今守れる大切なものを最優先にして守ってきて、これからもそうする人なんでしょう。

映画のGOでさ、真っ直ぐ腕を伸ばしてみて、一回転して拳がひいた円の大きさがお前の人間の大きさだ

その真ん中にいて手の届く範囲に手を伸ばしてればお前は傷付かずに生きていける

そうゆう生き方どう思う?

みたいなくだりがあります。その生き方はだせぇって話で、ボクシングっていうのはその拳で枠を突き破って、外から何かを奪うことだみたいなことなんですけども、

兵長も生まれたときから多くを奪われてて、そうして奪うことを覚えて。そしてでもその中で大切なものを見つけて腕の中にいれはじめて。
たくさんのものを抱え込んで、たくさんの命をまた外から奪われて、でもまたそれでも多くのものを抱えて、失って、抱え方を学んで諦めを知りながらも、でも今度こそって思いながら生きてきた人なような気がするんです。

多くは語らないけど、きっと、ただただ今この瞬間に、自分が大切に思うもの、自分が信じたいものを大切にし続けた人だったんだと思う。そうゆう意味ではエレンと似てる気もする。でも兵長の方がずっと大人だった。

普通の人間が、あんな感じの世界観に放り込まれたら、多分普通じゃいられないだろう。きっと変にかかってしまうに違いない。

兵長ってある意味一番常識的で、共感できるから、だからとても魅力的なんじゃないかなって思った。

正直、結末読んだときに、とんでもなく悲しい(エレンー!!ってなった)と同時に、兵長、生き残ってくれたのはマジで嬉しいけど、ハンジさんも団長も全員いなくなってもうて、これから何をどうやって生きていくんや、、と思ったんです

でも、兵長ならきっと、また両手に抱えたい大切なものを見つけてくれるだろうと思う。
そしてきっと、失った仲間たちもずっと彼の心に住み続けるんだろう。

だって、普通の人だもの。

普通の人は、失っても悲しくても、また自分が広げられる腕の円の中に大切なものを見つける。
大切なものを見つけたら、守らずにいられないし、失いたくなくなるし、愛おしく思う。

それが人間だと思う。

残りの兵長の人生が、これからも大切な人を守り続けるための人生でありますように。


それでは〜〜


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