#0051 「家事と仕事と幸福度」:育児は人類で最も重要な仕事
12月7日~8日の2日間に亘り、「家事と仕事と幸福度」というテーマで木下斉さんがVoicyで昭和型価値観からの脱却とアウトソーシングのススメを説いていらっしゃいました。こちらを聞いていて、自分が育児休暇を取得していた頃を思い出したので、今日はそちらについて触れたいと思います。(2629文字)
○昭和型価値観の影響
戦後、日本は朝鮮特需を追い風に一気に工業化してライジングしました。男性は企業の労働力として、女性は家庭の労働力としてリソースを集約した方が工業化社会において効率的だったのでしょう。男性が仕事、女性が家事、といった昭和家庭モデルが確立されたのだと思います。
また、終身雇用・年功序列・企業年金・退職金制度という正社員特権を企業が設けて労働力を囲い込みます。それにより、正社員の男性が会社に人生を捧げ、女性は家庭に貼り付けるという構図の固定化が進みました。サザエさんやドラえもんなど、アニメの多くでこの家族像が基本かと思います。
私はぎりぎり昭和生まれで昭和の余韻の中で育ちましたので、アニメやドラマなど様々な媒体を通じて、男性が仕事して女性が家庭という構図を自然と受け入れ、10代の頃は違和感はありませんでした。2000年代から女性の社会進出という言葉を聞くようになり、20代から価値観が大きく変わっていきましたが、まだまだこの家庭像が日本人の価値観に定着していて、これを土台に「女性の社会進出」を語るので、女性が家事・育児をやりながらも外で仕事をする(男性は従前と変わらず)という女性に過剰な負担を強いていて(Voicyでは富山県のデータが紹介されていました)、それが今様々な点で大きな歪みを生み出しているのではないかと思います。
○育児は人類で最も重要な仕事
私は2020年12月~2021年4月まで育児休暇を取得し、その間、妻にフルタイムで働いてもらいました。生後6か月の娘と2人で過ごすという時間は尊いものでしたが、ワンオペ育児の大変さは身に染みて感じました。肥満気味の体質でしたが、おかげで10キロ痩せましたw
育児休暇を取っているのに会社から電話が入ったり(向こうは休みだと思っている)、本当に迷惑極まりないことも多々ありながら、男性は外で仕事するのが当たり前で、「家にいる=仕事してない」という捉え方が、「育児休暇=仕事してない」という誤認と、育児(家事含む)を軽視する価値観を醸成しているとじみじみ感じたものです。
「育児休暇中もこの時間は育児の時間、この時間は仕事の時間って決めてリモートワークしてよ」と全く理解していない発言もされながらもガン無視して取得しましたが、会社で仕事している人間が家事・育児を理解していないために育児休暇が取得できない空気が作り出されているんだなと思います。(育休前ですが、首の座っていない時に泣いている我が子を左手に抱きながら、右手でノートPCを打ちながらExcelワークしたこともありました…今思い出すだけでも会社への怒りが湧いてきます。)
育児休暇中にサイボウズの青野社長が出演されたNewsPicksの番組(下記リンク)を見ました。「ワークライフバランスを充実させる育児の扉」と題して視聴者と対話をする形でお話をされていました。この中で今でも強烈に胸に残っている言葉があります。
それは、「子育ては人類最大の仕事」
子育ては未来を作ることであり、企業にとって子供は未来のお客様でもあるのだから、それを大事にしないでどうするといったお話もされていました。
たしか、この番組でこのnoteのタイトルである「女性の社会進出を言うのに男性の家庭進出は言わない」というコメントもあったように記憶しています。
私は私なりに緊張感をもって育児に向き合っていましたし、仕事のこと(とくにキャリアのこと)もどこかで気になっていたので、この番組を見ていたのですが、青野社長の言葉には本当に救われました。
私だけでなく、心身ともにつらい思いをしている妻もこの番組を見て、青野社長の言葉で救われ、夫婦とも心にゆとりが生まれました。近くに親などの頼れる人がおらず、仕事に育児に奮闘している多くの人は、多かれ少なかれ負担を感じていると思うのですが、育児が人類で一番大事な仕事と思って、育児に100点満点を目指さないで、子供が元気であればOKと思って取り組んでいけば良いのかなと思います。
私は決して器用な人間ではありませんが、育児にボーンとダイブして人生観が変わりましたし、視野が広がったと感じています。まずは女性が社会進出するなら、男性は家庭進出しようよ。とシンプルに思うのです。
○得意な人にお願いすれば良い
とはいえ、人には好き嫌い、得手不得手があります。家庭にいたい女性もいれば、家庭にいたくない男性もいるでしょう。ならば、苦手なものから無理なくアウトソースすれば良いと思うのです。
しかし、日本人は、洗濯機や掃除機など便利な家電製品を生んできたにも関わらず、食洗器やルンバやホットクック(これはマジで天才的家電です)などで自動化させたり、資本主義の国であるはずなのに、家事代行サービスやシッターなど新しいサービスを利用することに抵抗します。
我が家も、子供が生まれてから、食洗器、ルンバ、ホットクック(レシピが大量にあります)、アレクサ・・・とハイテク家電をどんどん導入して自動化を進めていきました。とても楽になりました。今では掃除や料理が息抜きのエンタメになっています。そうすることで、時間にも心にも余裕を持たせることが必要だと思います。
あとは、家事代行やシッターさんです。毎日依頼するほど金銭的余裕がないので、家事代行は月に1回、シッターさんは週1程度の頻度でお願いをしていて、掃除の裏技や収納方法を教えてくれたり、シッターさんからは子供との接し方の工夫や親の前では見せない一面を知ることが出来たり、単なるアウトソース以上のメリットがあると思います。子供も親も、複数の人と触れて学びながら成長していくと思うので、臆することなく、家事のプロ、育児のプロの力を借りて良いと思います。
○産後ドゥーラさん
とくに我が家は産後ドゥーラさんにたくさん助けていただきました。産後、妻のホルモンバランスが不安定で大変だったので、メンタル的な部分を含めてケアをしていただけました。こちらの本を読んで知りましたが、もっとたくさんの人に知ってもらいたいなと思います。
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