サルベージ 夢現
視界より消し去る術を探さむと心に鬼の住まふ秋の日 03.秋
ぬばたまの闇にさし伸ぶ指先に夢か現か絡み来ものは 03.冬
夢とだに思ふ心に夢住まふ鬼の住まへば現となるや 03.冬
同化する様にも見ゆる街並みは怨嗟抱きて闇に争ふ 04.冬
捨て果つる間なく時なく積みたれば夢見も傷も我の身の内 05.01.13
音(ね)と言へぬ音(おと)で魂削りゆく線香花火はちりちりちりと 05.07.
頬一つ叩けば戻る縁など欲するほどに落ちたくもなく 05.08.1.
張る意地を意地だと笑ふ我の居て解す音色を待つも笑へて 05.08.1.
降る雨に増したる川に出で消ゆる水泡(みなわ)にまして儚きものと 05.08.17.
三界に棲家持たずば今さらに思ふも詮無し来し方行く末 05.08.14.
ただ夢に頼みを掛けていきいくと我を思ふや近しき君は 05.08.17.
いつしかと返ることなく重ぬれば近きが遠き仲らひとなる 05.08.17.
忘れむと強ひて流する事言が底に渦巻き夢に出づるや 06.09.08.
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