鎮痛剤
切れたぞと静かに叫ぶ血の声に向かうキッチン夜更けにひとり
安静の二文字にすがり今日もまた寝て起きて寝て食べてまた寝て
経験の数の違いと一言で分かれてしまう医者と患者と
頑張るはアタシではなくアナタだとメス持つキミに言い放つ我
我慢などなににもならぬと悟るまで掛かった月日を数えてみたり
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親不知の抜歯が終わった。
全身麻酔のおかげで、それこそ寝てる間に。
術前の診察で「お互い頑張りましょう」と言ってくれた主治医に「私は寝てるだけですから、先生頑張ってください」と言ってしまった。
…だって、事実だもん。私頑張りようないもん…
久々の一泊入院。日頃、自分の聞きたい音だけで生活してることを実感。話し声、寝息、咀嚼音などなど…病院にWiFiあって良かった。
3日かけて腫れて3日かけて引くから
と最初に言われたとおり、帰宅後からぷくぷくと頬が成長?した。
痛み?わからない。蜂窩織炎を起こした時に比べれば、歯茎が少し疼いている程度。
でも、疼痛時にと鎮痛剤を20回分もくれた。
疼痛?どんな痛みのこと?と調べてみると、怪我などの外傷によって治癒にむけて起こるみたいなことがかかれてあった。
治るための痛み…
そか、治さないとダメなんだよな。
夜に眠れないのは嫌だから、試しに飲んでみる。
効く!!
今まで、我慢出来るものは我慢してやり過ごしてきた。痛くても動けるだけ…と。
昔々、頓服って名前で処方される痛み止めは、我慢できない時にって感じだった気がする。飲まずに済むなら飲むな!的な。
出来るなら感じなくていい痛み、取り除ける痛み、誤魔化してOKな痛みに耐えることなんてないってことか…
今どの程度痛むのかって、痛みがないのを基準にしないとわからないってことにも気づいた。
何かを堪えるってことは、その分余計に体力消耗してるってことだよね。QOL下がるじゃん!!
生まれて初めて鎮痛剤に頼る。
本当は痛いんだよ。だから、動き過ぎないように…と思いながらする生活。
小指の爪ほどもない親不知。綺麗に3つに切断された歯。
お前のせいでーっ!
と思わなくもないけど、お前もアタシの身体の一部だったんだよな。そう思うとなんだか可哀想な気もする。
血流が良くなると、ドクドク感のある鈍痛があるから、動き過ぎないように様子見しつつ家事をサボリ中。
3日腫れて引くのに3日。本当にこの通り行ってくれることを願って。