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髪形から見えてきたもの

美容院が苦手。
美容院じゃなくて、今はヘアーサロンていうの?ズボンがパンツ⤴、アベックがカップル、茶店がカフェになったように。

以前「散髪行かなきゃ」って呟いたら、同僚に「いい年した女なんだから、散髪じゃなくて、カットって言いましょうよ」と注意されたことがある。
うぅ…、メンドクサイ…。

ここ最近は、自らパッツンと裾だけ切っている。ゴムで束ねたままプツンと切ればOK。微調整は数日かけて徐々に。一度にやると後悔先に立たずになって泣きをみるから。


それでも、今思うと10代から20代にかけては、美容師さんのダメ出しにもメゲズにオーダーをムリクリ通してた。

オーダー1.ムッシュ
学生時代に、全然世代でもないのに突然ムッシュ(わかりますか?今は亡きかまやつひろしさんです)のようなパイナップルヘアーになりたくて…。(今のパイナップルヘアーとは随分違うみたいです。画像検索して引きました。さすがにこれは無理だわ…)
美容師さんにこの「ムッシュ」は伝わったけど、「なんで?」という顔をされた。挙句に旋毛が頭の天辺にないと、綺麗にパイナップルの先が開かないから無理だし、あんなふうにカットしてしまうと戻れないよと。
いやいや、それでも構わないから。
結局、天辺に旋毛のない身に出来ることは、毎朝ドライヤーを駆使して、毛を立てること。でも、それも天然と養殖の違いは明らかで…。
でも、やってみたいをやってみた充足感だけは勝ち取った。

オーダー2.アフロ
これも突発的に。今みたいに小顔がどうのと言われる時代でもなかったけど、頭身が著しく小さい数字だったので、どうせならもっと小さくしてやれ!っていう逆の発想で、頭をデカくすればいいじゃん!って。(今考えるとこの発想もおかしい)
でも、これまた美容師さんに、手入れが大変だからと猛反対される。で、あれこれ相談の結果、本格的な櫛も通らないようなのじゃなく、少し緩めでそれっぽいのにしてもらう。それでも、アフロ用の櫛じゃないと頭皮まで辿り着かなかったけど。翌日職場で思いっきり笑われたけどね。20歳そこそこの女子のアフロって変なのかな?

オーダー3.コントで使う10円〇ゲが付いてるようなカツラのショート
ベリーショートにしてみたくて、思いついたのがこのオーダー。美容師さんは「は?」っていう顔してたな…。まぁ、これは言ってみれば普通のベリーショートだから、特に問題もなく。だけど、言い方っていうものがあるだろ?と、知人に言われた。だって、お洒落な髪形の名前なんて知らないし…。

この後、トンとヘアースタイルに拘らなくなった。その理由をちょっと考えてみたんだけど。

ムッシュとアフロの時点でわかる通り、そもそもやってみたい髪形と髪質・毛量・頭の形etcが合わない。たいてい、美容師さんに「ちょっと無理かも…」と溜息つかれてしまう。そうして、いつしか諦めから行きついたのが、今の状態。やりたい髪形に出来ないなら、もう何でもいい。0か100かの発想。

「面白そうだからやってみよう」で、ヘアースタイルを決めていたあの頃。どう見えるか、見られるかなんて、ヒトサマのことなんか考えちゃいなかった。どうしたいかだけの妙なエネルギーがあった。全て自己責任だしね。
ヒトサマからどう見られるかを意識し始めた時に、やってみたいことを自分から叶えていこうとしなくなった。

切っ掛けは、子育てが一番大きかったと思う。限られた時間の中で取捨選択をしているうちに、手放しちゃったんだと。遣り繰りが下手なんだな、きっと。
白髪染めを(これも「おしゃれ染め」っていうのか?今は)始めたのも、接客のパートを始めたから。チラホラ白髪で、だらしなく見えたらヤバいなと。
この時期に、実は髪の毛をグリーンにしたくなった。映画スワロウテイルの三上博史の髪色に憧れて(憧れる髪形がほぼ全て男性っていう辺りがどうなんだろう?と、今自分でも思ってますが)。これも客商売には不向きだろ…と、いつかやってやろうと胸の奥底に仕舞い込んだまま。

以前、子育て真っ盛りのママさんが、ウィッグを付けている理由を説明しているのをテレビでみた。美容院に行く時間やセットする時間を考えたら、ウィッグをつける方が効率的だと。優先すべきことを考えて、その中で自分のやりたいこともきちんと叶えてる。ホントもう目から鱗。昔の私にそこまでのものはなかった。

結局私は、妻や母とか従業員という役割に、自分で勝手に作り上げた「求められていそうなもの」に、振り回されてただけなんだと。その幻想を振り払うだけの気持ちとエネルギーがなかっただけ。

今、色んな役割を一つずつ降りて行ってる。
…だから、もう少し白髪の量が増えたら、グリーンにしてやろうかと、今せっせと育ててます。SIRAGA。






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