【イベントレポート】WHO AM I?〜何者かを語るイベント 〜 #1 東京脱出俳優のパイオニズム
1月19日、俳優の久留飛さんによるトークイベント「WHO AM I?〜何者かを語るイベント 〜 #1 東京脱出俳優のパイオニズム」が開催されました。
秋からOPVのスタッフもされている久留飛さん。俳優という職業や、なぜ浜通りへ来たのかなど、彼の本性に迫ります。
イベント背景は、彼の切実な声から。
まずは、チラシをご覧ください。
「アイツこの辺でよく会うけどぶっちゃけ何やってる人なの?」
非常に当事者性の高い一言です。
このエリアは非常に多様な人流があります。
・旅行・観光
・移住者、Uターン
・事業進出やPJに伴う派遣や出向
・公共セクターによる案件
・インターンや各種プログラム
などなど。
地域への来訪が一回きりの人もいれば、不定期来訪、中期滞在、2拠点など、グラデーションもさまざま。
放っておいても新顔がどんどん出てくるため、情報量過多となります。
地域に関わっているとまちゆけば見かけ、イベントに行けばばったり会うなんてこともしばしば。
軽く話した程度だと「なんかよく見かけるけど、結局何者かよくわかんないアイツ」ということになってしまいます。
久留飛さんもご多分に漏れず、難しいシチュエーションに多々面したそうです。
ならば腹の底まで曝け出そう!ということで、勢いで企画が立ち上がり、言い出しっぺの久留飛さんが第1回ゲストとなりました。
イベントレポートを、ハイライトでご紹介。
Greatest ShowmanのBGMを流しながら、19時半にイベントはスタート。
(ぜひ皆様もこの曲を流しながらご覧ください笑)
まずはイントロダクションとして、俳優という職業や表現するということへの解像度を高めるていただきました。
曰く、俳優とは「他者の凝縮された人生を自分の身体を通じて表現する仕事」。
私たちにとっては普段画面の向こうや、ステージの向こうで見るだけの、俳優という存在に関し、案外演ずる人自身がどう捉えるのか、聞く機会に恵まれませんでした。
ユニークな表現に、聴衆の関心が集まり始めます。
俳優は嘘が上手いという巷の噂。
決してそんなことはなく、むしろ「虚構の中で、嘘をつかないこと」が大切。
なるほど、虚構の中の虚構となってしまっては意味がなく、いかに作中の存在を限りなく自分に憑依、投影させるのかがリアリティをうむという事かと受け取りました。
どうして東京を脱したのか。
普通の俳優であれば、機会を求めて東京や大阪など大都市圏に出ていくのが世の常です。
震災時にインドにいたため、少し福島の出来事に対する「遠さ」を感じていたこと、俳優としてだんだんと世間から世間から隔絶されていて、一時期は俳優活動をやめようとさえ思った時、浜通りへの縁ができたこと。
全身から強いメッセージが伝わってきます。
そして小高を選んだ理由として、民間劇場 Rain Theatre の存在をご紹介されていました。
今ほど表現の機会に溢れていなかった浜通りにおいて、柳美里さんが立ち上げたブックカフェ「フルハウス」をはじめ、の灯台のようにあり続けた場所は、特別なのかもしれません。
なお、彼は昨年行われた常磐線舞台芸術祭における作品「マスク」にも出演されています。
もう一点、「ふらっと来てもなんとかなるのが小高だよ」と声をかけもらったことも背中を押してくれたと語られていました。
移住を含め、活動の領域を大きく変えるときはとても不安になることは、想像に難くはないです。
ただ、助けてくれるコミュニティがいることで、最後の一歩になったとのことで、地域の懐の深さが感じられますね。
俳優としてありたい姿やこの地でやりたいこと、現在の活動についてもお話しくださいました。
今回、浜通りでアート活動を隆盛させる「ハマカルアートプロジェクト」の一環で、アーティストを招聘するコーディネート活動をされています。
今回の招聘アーティスト緒方彩乃さんにもお話をいただきました。
活動の様子は一連の投稿をご覧ください!
最後に、東京脱出俳優のパイオニズム(パイオニア精神)を語ってくださいます。
外からやってくる「風の人」と共にいながら、地域に根を張る「土の人」に恵みをもたらす「雨」のような存在でありたいと言葉を残し、会を締めくくったのでした。
今回、シリーズ第一回と前例もない中で無事に走り抜けてくれました。
これからもThe Greatest Showman久留飛さんの活躍をお楽しみにご期待ください!
編集後記
シリーズ第1回となるトークイベントが無事に終了し、ほっと一安心です。
ゆるやかな企画会議から始まり、いつの間にか20人以上が集まり盛会に終わりました。
中にはいわきからご来訪いただいた方も。久留飛さんの人望のなせる技ですね。
今回のイベントのスタイルをフォーマット化し、今後も不定期開催の予定です。ゲストが次回の人を指名するというスタイルも、今回久留飛さんが発案くださいました。次回はOWBスタッフのあの人!
お楽しみに!
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