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【平成中村座】小倉遠征記|旅の着物を振り返る

11月1日(水)から3日(金・祝)にかけて、福岡県北九州市小倉に滞在しました。お目当ては同月26日(日)まで上演中の平成中村座小倉城公演です。

今回は移動日も含め、まる二日間着物を着用。着物歴1年・初心者の旅を記録しておきます。


どの着物にする?

二泊三日の今回の歌舞伎遠征。初日は夜の部、二日目は通しでの観劇を予定していました。移動は新幹線で、片道約5時間というなかなかの長旅です。二泊三日の詳細はこちらの記事にまとめているので、よろしければご覧ください。

【平成中村座】小倉遠征記|二泊三日着物観劇の旅

着物一つに帯二つといった具合に荷物を減らしたいところですが、これが悩みどころ。というのも、今回の平成中村座でおろしたい着物がありました。袷で仕立てた吉兵衛さんの着物です。千社札柄で、歌舞伎や大相撲がモチーフになっています。

細か〜い文字が書かれている札もあります

袷の季節になったらすぐにでもおろそうと決めていたのでした。ちなみにこの着
物、八掛にも千社札の柄が入っています。なんてかわいいんだ。

しかし移動日に着て汚すリスクを高めたくはない。さらに今回、観劇日はいずれも最高気温25度超えの予報……ということで、初日は万一汚れてしまったときの目立ちにくさ・快適さという観点から一枚、そして二日目に(暑さは覚悟のうえで)千社札柄の着物を一枚。二日間違う着物を着ることにしました。

帯揚げと帯締めはその日の気分で選ぼうと、それぞれ何種類かずつ持参。半衿、長襦袢、草履は両日同じものにしました。長襦袢は爽竹のものです。

なお観劇予定のない3日目用に、トップス、パンツ、スニーカーも用意。そんなわけで60lのスーツケースでちょうどいいくらいの、なかなかの大荷物となりました。

着物の記録と振り返り

初日

着付けてから半日以上、
もろもろ着崩れているのはご容赦ください

着物
11月ではあるものの、前述の理由から濃いグレーの紋紗を選びました。蚊絣のような柄の江戸小紋です。何の帯でも合わせやすくて、この夏活躍しました。

この着物にしたことで、移動中も「汚さないだろうか」と気にせずに済んだのがよかったです。何より軽いし涼しい。

ただ着付けに際して、三角上げをするときに衿を伸ばしきれていなかったようで、出発して早々衿元が浮いていたという。反省。


唐花文様の膨れ織の名古屋帯です。軽くて締めやすく、移動にちょうどいいと思って選びました。はじめて仕立てた帯で今の好みとはやや異なるものの、重宝しています。

帯揚げ、帯締め、足袋
紫、水色を基調に、小物類も同系色で揃えました。足袋は紫のカラーソックス足袋を着用。今回はじめてソックス足袋を履いたのですが、ストレッチ素材で伸びるとはいえ、25.5cmの足には案の定サイズが小さく……くるぶしが出てしまって、歩くときに視界に入ってものすごく気になりました。結局自分にとってストレスになるので、合うものを選ばないとだめですね。

半衿
TSUBAKIANさんのワイヤーブレイド半衿/ボーン。刺繍の半衿で、色味は生成に近い印象です。TSUBAKIANさんはみやぶんぶんさんのYouTubeで知って、今回はじめて購入しました。半衿初心者の身としては、何より合わせやすくてよかったです。

草履
旅先では徒歩移動が多くなるので、カレンブロッソのカフェぞうりを選びました。

鼻緒がグレー、天がえんじっぽい色味です

カフェぞうり、本当に歩きやすい……。初日も二日目もそれぞれ1万歩程度歩いたのですが、何の問題もありませんでした。

二日目

帯は上下違う柄で、
そのためか意外といろんな着物になじみます

着物
初おろしの付下げ。黒がベースで、袖と、左肩から裾にかけて千社札の柄が入っています。確か30種類以上の型を使って染めているという話だったような……歌舞伎役者だと團十郎、中車の名前とか、「南座」の文字も入っています。

この日昼の部の席は一列目のいちばん上手で、『風流小倉俄廓彩』では目の前に虎之介さんが。自己満足に過ぎませんが、贔屓の視界に入る席でこのお着物を着られてよかったです。

そして最高気温26度だったこの日、袷は確かに暑かったものの、なんとか耐えられました。劇場内は冷房が効いているので問題なし。


こちらも吉兵衛さんで仕立てたもの。染めの袋帯です。柄は隈取や歌舞伎の演目名。手持ちの着物と合わせやすいので、よく使っています。軽いし柔らかくて、締めやすいという点でもお気に入りです。

帯締め、帯揚げ
帯締めは赤とグレーの丸組のもの。帯揚げは一日目と同じです。

そのほか、半衿も初日同様にTSUBAKIANさんのもので、足袋は白のストレッチ足袋を履いていました。

何を妥協すべきか

ということで反省はあるものの、両日とも予定通りに着物を着られたのでした。半日以上着たまま×2日間、修行のようです。ホテルに着いて帯をといたときの開放感ったら……。

着物旅行としての課題は、やはり荷物の多さ。今回海外旅行サイズのスーツケースを持って行ったところ、新幹線移動に際して荷物を上に持ち上げられず。足元に置くわけですが、5時間近くそうしているものだから足の血流が止まるかと……。こうなると荷物を減らしてスーツケースも小さくするか、そもそも飛行機を使うしかない。次回に向けての考えどころです。

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