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逃げ回っていた私が管理職になった理由|スクラ1期生 藤原舞さん<前編>

働く女性がチームで成果を上げるためのスキルを学ぶオンラインスクール「スクラ」。初期にスクラに参加し、チームワーキングを学んだ修了生たちは、その後、職場に戻ってどのような働き方やキャリアの景色の変化を感じているのでしょうか?

スクラを運営するNOKIOO取締役・小田木朝子が修了生にインタビューする、名付けて「あの人は今?」企画。今回のお相手は2020年7月にスクラを修了した1期生の藤原舞さんです。


楽器メーカーで研究職一筋。スクラ1期生の舞さん自己紹介

小田木:早速ですが、舞さんがどんな会社でどんなお仕事をされているのか、自己紹介をお願いします。

舞さん:音楽と楽器に関するメーカーに入社以来、ずっと研究のお仕事をしています。子どもの頃から音や音楽は人を元気にする力があるなと思っており、どうやったらあのような力が出せるんだろうと考えていました。今、それを追究する毎日を送っています。

小田木:すごいですね!音楽や楽器の研究職一筋というその道のりももちろんですが、何より子どもの頃に興味を持った疑問がそのまま関心になって、探求することが仕事になっているなんて!

舞さんの研究テーマはどのような分野なんですか?

舞さん:音を聞いたときに「明るいな」「この音が好き」とか感じることを「感性」と呼ぶのですが、その「感性」について研究しています。

「感性」は目に見えないものなので、研究者同士でもお互いに何を感じているかわかりづらいです。すると、コミュニケーションでもミスが起きたりします。そこで、よりスムーズに良い楽器づくりができるよう、「感性」を見える化する研究をしています。

小田木:研究対象の「感性」だけではなく、研究者同士のコミュニケーションも含めて仕事の範囲なんですね。

育休前に感じた2つの手詰まり感。相反する思いがあった

小田木:舞さんが立ち上がったばかりのスクラの門を叩いてくださったのは、4年前です。当時、なぜスクラに参加しようと思われたのでしょうか?

舞さん:2つの手詰まり感があったからです。1つは、当時、これから迎える育休をキャリアのプラスにしたかったのですが、どうしたら良いのかわからなくて…。

小田木:今の舞さんの一言は深いですよね。育休をプラスにしたかったということは、そのままだとマイナスになっちゃうという恐れや思い込みがあったということですよね。

舞さん:そうなんです。私はその時、職場で育休を取る技術者としては第1号だったんです。そのため、周りからは「大変だね」と声を掛けられ、キャリアに対してマイナスの空気感がありました。私自身は何事もプラスにしていきたいというポジティブな気持ちがあったのですが…。

小田木:職場には「キャリアはしばらく止まっちゃうけど、頑張れよ」という空気感があった。でも、舞さんとしては育休をマイナスよりプラスの機会にしたかったんですね。

舞さん:はい。もう1つは、年齢的には管理職を期待される頃でしたが、自分の中では「マイナス1,000パーセント無理です!」という気持ちで、全力で逃げていました(笑)。逃げたまま育休に入ったため、復帰後の私はどうなるのかなという手詰まり感がありました。

小田木:なるほど、面白いですね。育休はポジティブに変換したいけれど、キャリアのステップアップに関してはマイナス1,000パーセント無理だと逃げていた。このまま逃げ切れるだろうかという不安の中、スクラに参加してくれたんですね。

全力で逃げていた管理職の仕事。視点を変えたら、道筋が見えた

小田木:それから4年経った今、どうなりました?

舞さん:実は今、管理職をやっています。

マイナス1,000パーセント無理だと言っていたときは、自分の周囲にいた上司像に縛られすぎていました。ビジョンをしっかり立て、俺に付いてこいというタイプの上司が多かったんです。だから、「自分にはもう絶対無理でしょ」と思っていました。

小田木:なるほど。でも、どう変わったんでしょう?舞さんから見える情報は変わらないわけで、舞さんの側の何が変わったのかなと思い…。そこが一番の関心ポイントです。

舞さん:マネジメントという仕事と自分の強みの架け橋が見えるようになった、というのがとても大きかったです。

小田木:それ、イメージできます!マネジメントという言葉は知っていても、じゃあマネジメントとは何をすることかというと、漠然と「上司がやっていること」と思いがちです。でも、マネジメントは「上司がやっていること」ではなく、「チームの成果を最大化すること」だと定義づけができ、自分のやり方でゴールを達成する道筋が見えたんですね?

舞さん:まさに、そうです。スクラの中で、マネジメントと自分の強みの解像度が上がりました。

強みについては、わかっているようで、わかっていなかったなと感じます。会社の中にいると、いつの間にか会社の考え方に染まっていたりします。例えば、こういう仕事ができる人が優秀とみなされるんだろうなとか。

でも、スクラで普段接することのない業種や色々な価値観・バックグラウンドの方とお会いして、自分が会社の中で作ってきた物差しだけではなく、もっと広い視点で自分の強みを見ることができました。さらに、このような色々な方が集まる場でも通用するなら、割と強い強みなのではという自信もわいてきました。

小田木:客観的な理由が見つかったことで、自分の強みに確信が持てたんですね。先ほど、ご自身の強みとマネジメントの架け橋を見つけられた、とおっしゃいました。架け橋とはどんなイメージですか?

舞さん:例えば、マネジメントの役割として、以前はビジョンを設定することばかりが頭にあったのですが、みんながやりたいと言うことに対し、リソースを用意したり、調整をしたりするのも大事なマネジメントの仕事だと気づきました。自分は色々な人の話を聞いて整理するのがすごく好きなので、これならやってみようと思えました。

小田木:自分の強みを活かした役割なら担えると思ったときに、マネジメントを引き受けてもいいかなと思えたんですね。

続きは後編をご覧ください!

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本企画はVoicyとの連動企画です。本稿はVoicyでの対談に補足を加え、編集したものです。
生対談は小田木のVoicyチャンネル「今日のワタシに効く両立サプリ」でぜひお聴きください。