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#476 失敗をすぐに取り戻そうとしてしまう癖について

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、とにかく頑張るスタイルの両立から卒業したいあなたのためのオンラインスクール育休スクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

今週もスタートしました。
新しいタイプのタイトルコールを作ってもらったのですけれども、「とにかく頑張るスタイルの両立から卒業したい」これは、第一子を産んで、復職した当時の私に言ってあげたいメッセージだなと思います。
とにかく頑張ることでしか、両立って成し得ないと思っていたのだけれども、「とにかく頑張る」というのが、完全に思考停止してたなと。
今だったら本当にそう思えます。
このタイトルコールに、もしピンと来る方がいらっしゃいましたら、私たちが運営するオンラインスクール育休スクラ公式ウェブサイトで、いろんな情報発信やイベント開催をしていますので、良かったらのぞいてみてください。

漫画「弱虫ペダル」から、ぐっとくる言葉

今日は月曜日ですけれども、皆さん、週末はどんなふうにお過ごしでしたでしょうか。
私の最近の週末の楽しみは、漫画タイムですね。
次女ちゃんが唯一付き合ってくれるのですけれども、この放送でも過去に取り上げましたが、今はまっているのは、『弱虫ペダル』という漫画です。
週末に読んでぐっと刺さるエピソードがありましたので、今日もこれを放送で取り上げさせていただきたいと思うのですけれども。

まず、その話は何ですか?という方のために、基礎情報をインプットしたいと思います。
弱虫ペダルは、高校の自転車競技部のお話なんですね。
高校に自転車競技部のなかった私には、全然イメージがつかないのですけれども、細いレース用の自転車ってあるじゃないですか。
ロードバイクというのですけど。
このロードバイクでチームを組んで、一般道や山道を含む、いろんなコースでレースをするという話なんですね。
インターハイでの頂上決戦を繰り広げるという、熱めの漫画です。
私は今この漫画にはまっていて、熱いし、人の個性がぶつかりまくりだし、「これはビジネス書なんじゃないか」というくらい、人生でぶつかるいろんな壁に対して、ぐっとくる言葉をいっぱい投げかけてくれるんですよね。

人は失敗をすると、すぐに取り返そうとする

そんなわけではまっているのですけれども、週末私がぐっと掴まれたのは、こんな言葉でした。
人は失敗をすると、すぐに取り返そうとする
必死で慌てて拭い去ろうとする。
早く早くと結果を急いでしまう。
でも、そうしている間は拭えないよ。】
こんな言葉がありました。ドキってしませんか?
失敗をすると、すぐに取り戻そうとしてしまう。
焦ってその失敗を拭い去ろうとするし、なんとか取り戻そうと結果を急ぐけれども、そうやってる間は絶対に拭えないし、取り戻せないよ。
そんな話だったんですね。

この背景はどんな背景だったかというと、弱虫ペダルに出てくるチームの中で最強王者と言われている神奈川県代表の箱根学園という高校があるのですけれども、この箱根学園が、インターハイ3日目の最後の最後でゴール前のデッドヒートになったのですけれども、主人公のいる千葉県の総北高校に、本当に僅差で負けちゃったんですね。
この最後のデッドヒートを繰り広げたのが、主人公の小野田坂道くんと、箱根学園の一年生エースの真波山岳くん。
坂道くんと山岳くんですよ。
山を登るために生まれてきたみたいな二人が、最初はチームで走っているのですけれども、チームのメンバーが仲間を勝たせるために、体を使って、最後には離脱していくんですよね。
つないでつないで、つないだ最後のゴールを、この二人がデッドヒートを繰り広げて、最後に勝敗がついてしまう。
箱学の真波くんが負けてしまうわけです。
絶対王者としての学校の看板だとか、これまで先輩が、とにかく自分を最後に勝たせるためにつないできたレースを、最後の最後で勝てなかった。
こういう失敗を背負っちゃうわけですね。
インターハイが終わって、真波くんが「自分のせいでチームが負けたんだ」と、自分を追い込んで毎日必死になって、見ている方がしんどいような練習をしているのですけれども、そんな真波くんにかけた、東堂先輩の言葉がこれだった。

喪失を受容するプロセス

私は、スポーツをしませんけれども、でも”取り返せない失敗”には、いろんな頭をよぎるものがありますよね。
聴いてくださる方も、たぶん頭をよぎるエピソードがあるんじゃないかなと思います。
それを考えたり想像した時に、この状況というのが、めちゃくちゃリアルに湧き上がってくるんですよね。
そこでふと頭に浮かんだのが、この”喪失”という言葉と、あと”喪失を受容するプロセス”があって、これは”悲嘆のプロセス”なんて呼ばれているらしいのですけれども(私も専門ではないので、詳しく知りたい方はググっていただきたいのですが)、大切なものを失う、例えば、大事な人を亡くすですとか、ある日突然健康を失うですとか、こういった大事なものを失うことを”喪失”と呼びながら、喪失を受容していくのに、5段階のプロセスがありますよ。
その5段階というのは、まず否定が起こります。「そんなバカな」こんな感じですよね。
次に湧き上がってくるのは、怒り。「なぜ自分だけがこんな目にあうのか?」こんな感じ。
次に起こってくるのが、取り引きというプロセス。
どうにかして取り戻そうとするプロセスですね。
”もがく”とか、”祈る”とか、「なんとか挽回できないか」というプロセスがあって、たぶん真波くんは今ここにいるんじゃないかなと思います。
その次に、今度は抑うつといういうプロセスがきて、これは「どんなにあがいても取り戻すことができないんだ」ということが分かったときに、脱力とか無力感を感じる時期。
その先に、ようやく受容というプロセスがきて、起こったことだとか失ったものを、静かに見つめることができるようになる。

この一連のプロセスというのは、すごく時間がかかるものだし、もしくは、プロセスとプロセスの間を行ったり来たりしながら、進むものだったりするのだけれども、最後に受容に行き着く。
この”受容”というのは、なかったことにはならないんですよね。
私の解釈では、”忘れる”とか、なかったことにするとか、そういうことではなくて、たぶん抱えて少しずつでも進めるようになるというのが、最後の受容の段階なのかなと思います。

例えば今回の、ゴール直前でチームの栄光を逃してしまった真波くんのケースというのは、まさに”喪失”ですよね。
例えば、「これまでずっと努力して頑張って、仲間の後押しも受けながら、期待していた物に手を伸ばしたけれども、それが手に入らなかった」だとか、「もしも思う通り成功していたら、結果が出ていたら、手に入った自分やチームの未来、これを喪失してしまった」という、まさに喪失ですよね。

なので、失敗をすぐに取り戻そうとするのだけれども、取り戻そうとしている間は絶対に取り返せない。
本当に東堂先輩の言葉の通りだなと思いました。
私も含めて、今、何らかの喪失を抱えている人もいると思いますし、これからもいくらだって起こってくると思うんですよね。

喪失から立ち直るには時間がかかる

そうした時にどうかと思うと、今回一つ考えたのは、時間がかかるということを受け入れたり、時間がかかるということに、覚悟を持って臨むというのが、やっぱり大事なのかなと思います。
私たちってついつい、いつもポジティブでありたいなとか、成功している自分でいたいなと思ったときに、そうじゃない状態になったときに、早くそういう状態に戻ろうとしちゃうことってあると思うんですよね。
今、こういうご時世だと、早さ、スピードというのが、尊いし、大事だし、価値があると思っちゃうし、もちろんそういうシーンも多いと思うのですけれども、なので、立ち直りが早いとか、すぐに次にいける、忘れられる、みたいなことも、そっちに価値があるって思っちゃうなと思います。
これは、どっちかじゃないといけないということではないと思うのですけれども、大きな失敗、大きな喪失には、それなりに時間がかかる、かかっていいということを、私は改めて考えた週末になりました。

東堂先輩の高校生とは思えない考察の深さ、言葉の重みにシビれまくるし、真波くんが時間をかけても立ち直っていくのを見守りたいなと思った週末でした。

今週のイベント情報

今週もイベント週間になります。
最後に、今週開催のオープンイベントをご紹介させていただきますので、面白そうだなと思うものがあれば、お越しいただければと思います。
まず、3月9日水曜日13時から14時半、主にこれから産育休に入ります、もしくは、育休中ですという方を対象に、【1人よがりにならない復職計画と、上司やパートナーとの対話のポイント】こんな具体的エッセンスでオープンセミナーを開催いたします。
産育休前、産育休中だからこそ、これからの働き方を考えて備えよう。
こんなコンセプトですね。

そして、3月11日金曜日、こちらはランチタイムの12時から13時半ですが、育休コミュニティMIRAISさんと、育休インターンmogさんとのコラボトークライブです。
その名も、【とにかく頑張る”だけが両立じゃない!よくある失敗経験に学ぶこれからの働き方】まさに失敗に向き合うプロセスの中で、気付いたことを持続的な両立のための育休戦略として活かしていこうよ。
育休中、両立期の方にお役立ていただけると嬉しいです。
今日の放送と共通するテーマは”失敗”ですよね。

3月はイベント月間でして、いろんな企画を楽しくお届けできると思いますので、このVoicyを聴いてくださっている皆さんにも、どこかの機会でお会いできたら嬉しいです。

最後までお聴きいただきありがとうございます。
それでは、今日も一日良い日にしましょう。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール育休スクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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