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#290 お悩み「部下の仕事の手戻りが多くて困っているので、改善を促したい」

今週もまた一週間が始まりました。8月ですね。
夏本番感が8月という特別な響きにあるなっていつも思います。

今日は、先週企業研修をやらせていただきまして、テーマは『対話』だったのですけれども、その中で出てきたケースを取り上げて話をしてみたいなと思います。
設計チームの中堅メンバーの皆さんの中でやったのですが、普段仕事の中であるお困りごとをリアルケースに見立てて、これを対話で何とかできないか、みんなで考えてみよう。
こんなワークをやっておりました。
とある方が、「じゃあ、僕のケースをシェアしていいですよ」ということでシェアしてくれたのがこのケースです。

お悩み「部下の仕事の手戻りが多くて困っているので、改善を促したい」

仕事の手戻りが多くて困っています
また便宜上、Aさんとさせていただきます。
Aさんは、設計チームの中でチームメンバーに設計の指示を出す役割を担っている。
なので、例えば、メンバーが、Bさん、Cさん、Dさん、Eさんがいたら、その4人のメンバーに「Bさんはこれやってね」、「Cさんはこれやってね」こんな感じで設計の指示を出して、全体の進捗だとか仕上がり、要件を管理していくのがAさん。
こういった仕事の中で、Bさんだけ突出して手戻りが多い。
もちろんBさんも余計に時間かかっちゃったり、自分が「これどうですか?」と出したものに、都度都度ダメ出しされちゃうわけなので、Bさんも辛いだろうし、一方で、全体のスケジュールを管理したり、忙しい中で複数の案件を動かさなきゃいけないAさんにとっても、この手戻りに生じる手間と時間が、なんとかなくしたいテーマになっている。
Aさん的には、丁寧に指示を出しているし、他のメンバーはそれで問題ないアウトプットをあげてくるので、Bさんはどうしたもんかなと、こんな課題を抱えている。
これがシェアしてくれたリアルケースでした。

「困っているのは自分課題があるのはあなた」ではうまくいかない

相手に仕事を依頼していて、なんか手戻りが多い。
こういうケース、あなたならどうしますか?
テーマが『対話』だったので、どんな対話をBさんに持ちかけますか?
これが一緒に考えたいことなんですよね。
ついやってしまうのが、この場でも多く出ていたのですけれども、「あなたの成果物に手戻りが多いことについて話し合いたい、話し合いましょう」こういうモードをついやってしまいますよね。
Aさんの立場に立って想像すると、自分はいろいろ工夫を凝らしている。
他のメンバーは、問題なくそれでできている。
どうしてBさんだけができないんだろう?
指示をいい加減に受けているんじゃないか?
自分で勝手に解釈して、仕上げてるんじゃないか?
よく読まない中で着手して、我流で仕上げたりしてるんじゃないか?
今、Aさんの頭の中がこんな感じになっているとしたら、ついつい「ちょっとなんとかしてくれないかな」そういうモードになっちゃう気持ちはめっちゃ分かりますよね。

でも、冷静に考えると、これだと実はうまくいかない。
この件についてBさんと話して、かつBさんの行動が変わりにくいということもなんとなく匂うんじゃないかなと思います。
考えてみると、なんでかというと、もう構図が、困っている自分(Aさんですよね)そして相手は、課題があるあなた(Bさん)。
完全にAさんの立場から見ると、こういう構図になっちゃってるんですよね。
自分は困っている。そして課題があるのはあなただ。
もしかしたら事実としてもそうかもしれないけれども、これをBさんの立場でこの構図を受け止めてみると結構分かりやすいと思うのですけれども、今度はBさんの立場になってみて、Aさんが一方的に「あなたに課題があるので、その課題をどうしたらいいか考えましょう」と言ってきたとしたら、それが対話モードだったとしても、ちょっと「はぁ?」って思っちゃいますよね。
手戻りが生じている。これは客観的事実ですよね。
「課題があるのはあなただ」これは相手の否定だとか、一方的に決めつけている。
こういう構図になっちゃうんじゃないかなと思います。

最終的に目指したいのは、どっちに課題があるかはっきりさせることではない

最終的にAさんが目指しているのは、手元りが生じているという事象に対しての問題解決なので、問題を解決したい。
そうなってくると、例えば、設計の要件定義だとか、依頼時のコミュニケーション、Aさん側にあることプラス、例えば、Bさんが今持っている知識だとか、考え方の傾向、設計に対するこだわりの有無だとか、お互いの環境の中で、忙しい、時間がないとか、今、別の事に悩んでいて、集中できない事情があるかもしれない。
こういったことをオープンに複合的に考えながら、とにかく問題解決が図れればよい。
これが目指しているところだと考えると、どこに改善点があるかというのをオープンに考えられた方がいいですし、Bさんが自分の非を認めるかどうかということよりも、その改善に一緒に向かおうということにBさんが合意してくれることの方が圧倒的に大事なんですよね。

ということは、じゃあ、どうやって対話を持ちかけたら良いのか?ですけれども、Bさんの評価というのは一旦脇に置いて、「今、客観的事実として手戻りが生じちゃっているよね。それについては、あなたも私もなくしたいじゃん。だからお互いの仕事のやり方について話をしよう。」こういったモードであれば、Bさんもオープンにテーブルに着いて、並んで一緒に考えて、改善していこうというモードになれるのかなと思いました。

こんな話をみんなでしながら、自分も含めてですけれども、知らず知らずのうちに、「課題があるのはあなたよ。あなたに問題があるから、それを気付いて改善してほしいのよ。」というモードでコミュニケーションをとってることって、職場、家庭に関わらず、やっぱりあるなって思いました。

最終的に目指したいのは、どっちに課題があるかということをはっきりさせることではなくて、その課題を解決すること、そもそもの問題解決に繋げていきたい。
こういうことだと思うと、つい無意識のうちに、「困っているのは自分、課題があるのはあなた」こういう構図で相手に話を持ちかけてしまう、コミュニケーションをとろうとしてしまう、ここに気付いてチューニングできるということが、かなり大事だなと思った次第です。
完全に自分に言い聞かせてます。

ありがとうございます。
今日も早朝にもかかわらず、外で蝉がガンガン鳴いております。

育休スクラ無料体験スクールをやります!

最後に、この8月は私達にとってどんな8月かというと、9月に、運営するオンラインスクール育休スクラの9月期の開校を迎えます。
それに向けて、いろんな機会をつくって多くの方とコミュニケーションをとる最後の一ヶ月がこの8月になります。
ですので、引き続きいろんなイベント機会を紹介させていただきますが、「あ、面白そう」とか、自分の身近にいる「あの人にきっといい機会になるんじゃないか」ピンとくるものがあれば、ぜひ遊びに来ていただきたいなと思います。
ちなみに、8月の私のおすすめは、育休スクラの無料体験スクール、【復職が3倍楽しみになる”仕組み”を体感しよう】というタイトルが付いているイベントがあります。
8月25日水曜日の午前中になりますが、今日の放送みたいに、リアルなケースをみんなで一緒に考えながらワイワイと、その問題を構造化したりだとか、自分で気付いていない着眼点に気付けたり、そういうのって面白いよね、そんな体感をする体験スクールになっておりますので、興味があればぜひお越しいただきたいと思います。
イベントのリンクを貼っておきます。

暑い夏ですけど、皆さん、体調にも気を付けながら、元気に過ごしていきましょう。
それでは、今日も一日良い日にしましょう。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール育休スクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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