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#170 産休引き継ぎ時の葛藤にどう向き合う?〜てつあだちさんのコメントより~

今日もコメントでいただいたテーマを取り上げさせていただきたいと思います。
こんなコメントです。
てつさん、ありがとうございます。
【一つアドバイスを頂きたくコメントさせて頂きます。
私の知人で、あと数ヶ月後に産休を予定している女性がいます。
その方が、仕掛かりの仕事や、本当はやりたかった企画などがある中で、全てをそのまま同僚に託せるわけでもなく、一方スローダウンさせてしまうのはもったいないという気持ちも抱えていて、葛藤があるようでした。
特に仕事の側面で、産休前期間をどのように過ごし、このような葛藤をどう整理するのが良いか、アドバイスいただけませんでしょうか?】

てつさん、いつもありがとうございます。
こちらを取り上げさせていただくのですが、仕事の側面で産休前期間をどう過ごせばいいのか?そこで生まれる葛藤をどう整理するのが良いか?こういうテーマですね。
葛藤というのは、こちらの知人の方の場合だと、仕掛かりの仕事があったり、本当にやりたかった企画がある、同僚にも全部は引き継ぎきれない、自分が関わっている企画やプロジェクトをスローダウンさせちゃうのはもったいない。こういった葛藤ですね。
皆さん、どうですか?一旦仕事を離れなければならない、こういったタイミングで葛藤を抱えるイメージ、あり得ますよね。
仕事に対しては、やりかけの仕事をやりきりたいとか、引き継ぎをすることでチームに負担をかけちゃうんじゃないか、出産の場合は自分自身も体が変わっていくし、体調が不安になる事も多いと思いますし、そもそも出産というイベントに向き合うドキドキや緊張感といったものもすごく大きいんじゃないかなって思います。

それでも仕事は回っていく

私も自分なりに考えてみましたので、これがフィットするかどうかも含めて、いくつか着眼点を共有したいなって思います。
まず一つはですね、ちょうど昨日会社のチームのメンバーが言ってたんですけれども、「自分がいなくても仕事ってまわっていくんですよね。」こんなセリフですが、まさにその通りだと思います。
これはあなたがいなくても大丈夫というメッセージではなくて、シンプルにそれでも地球は回っていくっていう感じですかね。
なので、もし自分がいないことで迷惑をかけるんじゃないか?いなかったらどうしよう、この仕事どうなるんだろう?そういった過度のプレッシャーを感じているようであれば、まずは大丈夫だ、なんとかなる、ここをスタートにしていただくといいんじゃないかなって思います。

引き継ぎの良い側面に目を向けるチャンス

その上で、引き継ぎの良い側面にも目を向けるチャンスかなって思います。引き続きっていわゆる仕事の棚卸だったり、仕分けに繋がる良い機会という側面もあると思うんですよね。
引き継ぎを前提に業務整理をすることで、そもそも目的はなんだっけ?とか、何のためにやってるんだったっけ?成果はどう定義されていて、今どんな状況なんだっけ?というところを人に説明できるように準備する中で、曖昧さが整理されていくことってあると思うんですよね。
たぶん引き継ぎを通じて、本当に必要な仕事は何か?とか、優先度の高い仕事は何か?影響度の大きい仕事は何か?こういった観点で、中に入ってどっぷりやっているうちにはなかなか考えられない仕事の俯瞰ができていくんじゃないかなって思います。
さらに、チームのメンバーに仕事を引き継ぐとしたら、そのメンバーの成長のきっかけになったり、経験の幅を広げるきっかけになるという側面もあると思いますし、チームとしても、例えば主要メンバーが抜けるだとか、コア人材が入れ替わるということを経験するきっかけになるんじゃないかなと思います。
ということで、引き継ぎの良い側面というのは、仕事の棚卸がされ、メンバーの成長機会が増え、さらにチームの経験値を増すことができる。
そんな側面があると思いますので、そのプロセスに自分が関わっていると思っていただくといいかもしれないなって思いました。

ここから考えていくと、引き継ぎを通じてチームを信頼すること、チームに期待すること、これが改めて大事だなって思います。
例えば、自分が担当している仕事であっても、ちょっと引いてみるとチーム全体として持ってる仕事になるんですよね。
なので、それが誰の仕事であるかという以上に、たぶんその時チームの成果にとってより大事なことにリソースを割くように考えられていくと思いますので、自分がいなければこの仕事が実現されないという考え方よりも、個々が担当している仕事も含めて、チームとしての仕事を集め、その中でより大事なことにきちんとリソースが割かれていく、こういった信頼をしてもいいんじゃないかなって思います。
なのでその中で大事なのは、自分にとってどうか?という以上に、チームが困らないように何ができるか?とか、今どう動いたらよりチームに貢献できるか?こういった観点で残りの時間を組み立てたり、仲間との関係性を育みながら仕事をしていけるといいんじゃないかなって思います。

復帰後はもっといい仕事ができる

最後に、こんな着眼点を持ってもいいんじゃないかなと思うところがですね、復帰後は自分はもっといい仕事ができるって思うことですね。
この「いい仕事」というのは、仕事の種類としての良し悪しではなくて、一旦目の前の業務を離れて、いろんな経験を増した新しい自分で臨むのが、たぶん復帰後の仕事なんじゃないかなって思います。
このタイミングを、しばらく仕事を離れて、かつ残業もできなくなって、時間が限られて、両立してて大変でしんどくて、こういった今の自分よりも劣った自分が戻って仕事をしなきゃいけないという考え方じゃなくてですね、そもそも仕事をしていく人生の中で、一旦現場の仕事を離れたり、短いサイクルの中で短期的な成果を追いまくるという仕事環境から身を離すということって滅多にない機会なんですよね。
その上で出産。これは葛藤の連続だと思います。
出産そのものがっていうよりも、子どもを持った自分に進化していくというプロセスですよね。
考え方が大きく変わったりだとか、今までと同じではないという大変化を受け入れたり、その中で新しいパートナーシップを築いていったりだとか、そういった変化のプロセスで葛藤もめちゃくちゃ抱えるんですよね。
こういった経験を積んだ自分、こういった変化に向き合った自分、これってさっき言ったように「経験を増した新しい自分」なんじゃないかなと思います。
なので、進化した自分は、いろんな着眼点や新しい視点で、もっとチームに貢献できる仕事ができるはずだ。
ぜひこんなふうに思っていただくといいんじゃないかなって思います。

どうでしょうか?てつさんの知人の方にフィットした話になるかどうかですけれども、良かったら参考になさってください。

産休に入るときにかけてほしい言葉

ちょっと最後に付け加えると、マネージャーや先輩の立場で、こうしたメンバーにどう向き合うか?というテーマもありますよね。
これは私のケースなので、もしかしたら皆さんに当てはまらないかもしれないんですけれども、かけられて嬉しい言葉、嬉しくない言葉があるなって思ったので、ちょっとシェアさせていただければと思います。

まず、嬉しくない言葉。
まずは子育てに専念してね。
無理しなくていいよ。
そんなに頑張らなくていいよ。
もちろん配慮して気遣ってくれて言っている言葉だというのは理解するんですけれども、これを聞くと、むしろ子育てをしっかりやらなきゃいけない、良い母にならなきゃいけないというプレッシャーを感じたりだとか、職場にとって自分はもしかしていなくていいのかな?みたいなメッセージとして伝わりかねないなって私の場合は思ったので共有させていただきました。

じゃあ、どういう言葉だったら嬉しいんだよ?というところなんですが、これ一本ですね。
待ってる
戻ってきて、また一緒に仕事をしよう
この言葉が、今の葛藤やここから先の出産前後で抱える葛藤を乗り越える一つのエンジンになるなって思うんですよね。
待っててくれる人がいる
また一緒に働きたいって言ってくれる人がいる
ぜひこの言葉を送っていただきたいなって思います。

最後にですね、葛藤はいろいろあるという話をしましたけれども、Voicyマネージャーの池ちゃんが、出産という葛藤に向き合った経験をnoteに書いてくれていまして、これもぜひ必要とする方に届けばいいなと思っている記事ですので、こちらもURLをシェアさせていただきます。

てつさん、コメントありがとうございました。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール育休スクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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