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#286 「逃げる」は大事なカードです〜人間関係で疲弊する前に〜

今日は、「逃げる」ということについて考えたいなと思います。
昨日、とあるスクラメンバーと話をしていました。
またいつものように便宜上Aちゃんと呼ばせていただきます。
Aちゃんと話をしていましたら、Aちゃんは、転職経験があるのですけれども、転職して入った今の会社で管理部門に配属され、総務で仕事をしていたのだけれども、総務にいらっしゃった結構強烈な方との関係に悩んで、異動の希望を出して異動させてもらったと。
そして異動先の部門(今配属されている部門)では、良い人間関係が築けて、仕事に対しても積極的に取り組み、いろんなチャレンジもできて、すごく良い。
ただ、特定の人との関係に悩んで、異動したということが心のどこかに引っかかっていて、そこに対して「困難な状況から逃げたんじゃないか?」そんなふうに思う自分がいる。
こんな話をしました。
心に引っかかっているというのは「逃げたんじゃないか?」と、自分に思ってしまうことと、もう一つは、そういった人間関係の諸々って、至る所であるじゃないですか。なので、そこを避けてしまうと、今後も同じような状況があった際に困るんじゃないか?そんなふうに考えているという話をしてくれました。

Aちゃんの適切&迅速な判断に拍手!

今日は、このAちゃんのテーマを一緒に考えてみたいなと思うのですけれども、皆さんいかがでしょうか?
もしかしたら同じような経験を持つ方もいらっしゃるんじゃないかなと思います。

まず人間関係に悩んで逃げたんじゃないか?
この状況は逃げない方が良かったのか?これについてはどうか。
私の完全な私見ですけれども、「よく逃げた」この一言に尽きると思います。
悩むどころか、むしろそこで適切な判断をして、かつ迅速に動くことができた自分をめちゃくちゃ褒めてあげていいんじゃないかなって思います。
Aちゃんの話の中で、この強烈な方は、圧倒的に力のある上司でいらっしゃったそうなんですよね。
そして、かなり長くそこのポジション、部門にいらっしゃる中で、自分の影響力を保つために、新しく入ってきたり、もしくは一番年少の方を共通敵にしながら、自分の発言力だとか、影響力を維持する傾向にある。
これはAちゃんの見解ですけれども、そういった話を聞く限り、そもそも仕事の目的が違うんですよね。
チームで仕事の成果を最大化するという仕事の目的ではなくて、自分の影響力と発言力をいかに維持するか、こういうことが仕事の目的になっちゃうわけなので、本来の仕事については、価値を発揮することもなかなか難しいし、生産性を上げることやマネージャーとして期待される人材育成、こういったことは実際難しかったんじゃないかなと思います。
ということは、仕事の目的が違って、直接言葉が通じにくいという状況に見受けられますので、ここでAちゃん一人が奮闘するというのは、まったく成果を生まないんじゃないかなと思いました。
ということで、むしろ逃げるべしですよね。
そして、ここでもし「逃げちゃだめ」と、留まったらどうなっていたか?
考えただけでも恐ろしいですよね。
本来の業務、やるべきことに集中できない中で、パフォーマンスはもちろん一切上がらないでしょうし、もっと言うと、そういった状況の中で、心身の健康に不調をきたす
こういったことだって大いに起こりうると思います。
仮にそんなことになってしまったら、仕事どころか、家庭生活の中でもいろんな苦労しなきゃいけない、かつ長く尾を引くことになるんじゃないかなと思うんですよね。
なので、「即逃げ」これ一択だと思います。

「逃げる」は大事なカードです

「逃げる」ということに、もしかしたらネガティブなイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれないですけれども、私は「逃げる」というのは、重要なカードだと思います。
自分の切れるカードとして「逃げる」というカードを必ず持っておく必要がありますよね。
必要な時にきちんと切れるカードとして、認識しておく
これが本当に大事なことだと思います。

人間関係で疲弊する前に

Aちゃんのケースは、たぶん早い段階で「あ、これはやばいな」って思ったから、異動の相談もできたし、その後の部門でまたきちんと良い人間関係を築いて、仕事の中でいろいろチャレンジすることができたんだと思うんですよね。
これがもし、元気やエネルギーを吸い取られ切った後だと、おそらく異動したいという相談をしながら動くこともできなかったですし、仮に異動が叶ったとしても、異動先の部門でまた良い人間関係を作って、そこでちゃんと仕事をしていく、楽しんでいくことができないぐらい疲れちゃってたんじゃないかなと思います。
特定の何か、特定の誰かのために、自分が誠実に向き合いたい仕事でがんばれなくなっちゃうとか、楽しく考えられなくなっちゃうというのは、本当に残念なことなので、そうなる前に元気なうちに適切な判断をして、むしろ迅速に行動できた自分を大いに評価していいし、そういうことができたことを誇っていいことだと思います。

人間関係によって、チームや組織にどんな課題が生じているのかを考える

そしてもう一つ、何ができたのか?というところですけれども、まずもってここでの話は、たぶんその強烈な方に対して何ができたかというのは、あんまり考えても適切ではなさそうな気がしますよね。
もっと引いて考えると、この状況、組織にとってどんな課題があったのか?これを考えることができるようになるといいんじゃないかなと思います。
あくまで、「もしもあの時にこれができたら」ではなくて、「もしも次に同じような状況になったら」未来に向けて話をしていけたらいいと思います。
この問題を「困ったあの人の問題」という感じで語っちゃうと、結局人間関係の問題になっちゃうと思うんですよね。
そうではなくて、今チームの成果がどれぐらい停滞しているか、そして余計なことにパワーを割いているために生産性がどれぐらい低下しているか、こっちにフォーカスをして、この問題を経営陣だとか、もしくは組織に関わる人と話ができる、もしくは問題の景色合わせができるということが大事なんじゃないかなと思います。
自分の権力や発言力を維持するために、仕事を抱えたり、一方で、誰か共通敵を作って攻撃しちゃったりということが日常的に行われていると、まずもって生産性は劇的低下ですよね。
育成も権限委譲も一切進まないでしょうし、そもそも全くもって仕事に集中できる環境ではない。
そういった状態の中で、人が異動で流出するとか、ともすれば辞めるということになると、ここに膨大なコストが生じるわけですよね。
このチームとしての成果の停滞や、生産性の低下の問題を直視できる人とこの状況をシェアするというのが大事だと思います。
さらにもっと言うと、今回は「総務部門」という話ですけれども、この総務という部門に求められている価値も今劇的に変わっていて、そこへの対応がたぶん必要ですよね。
今は強烈な方が長く牛耳っていらっしゃるということですけれども、おそらくそういった状況の中では、対応は一切進んでないんじゃないかなと思います。
例えば、組織のブランディングですとか、会社が目指す方向に向けての社員とのコミュニケーション、採用もそうですし、働き方改革しかり、経理とか勤怠管理を担っているようであれば、そこをいかにクラウド化したりして効率化していくか、もしくは必要な情報を集めていくかという観点での打ち手も必要になってくると思いますし、営業や製造部門のバックオフィスとして、売る力を強化したり、製造に集中できるような業務プロセスを敷くのも、もしかしたら総務が音頭を取って取り組むべきテーマなんじゃないかなと思います。
余計な闘争に時間を割いているために、こういったことが一切できていないとしたら、まったくもって組織には大問題ですよね。
なので、こういう問題を特定の人間関係にせずに、その人間関係によって、チームや組織にどういった課題が生じているのか?ということを問題視できる人、もしくはそこに課題を感じている方と景色合わせをしていけると、また状況は変わっていくかもしれないなと思いました。
そして今、育休スクラで学んでいるAちゃんには、それができると思いますので、そんなエールも込めて放送させていただきました。
「逃げる」は重要なカードとして、私たちも常に携帯しておけたらと思います。

それでは、今日も一日良い日にしましょう。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール育休スクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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