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#568 助け合うことで「頼り過ぎちゃう人が増えないか」という心配を考える

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、キャリア迷子のモヤモヤから抜け出せるオンラインスクール育休スクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

今日はまた、質問を取り上げさせていただく回にしたいなと思います。
今日の質問は、両立サプリでお馴染みの沢渡あまねさんが運営されるコミュニティでいただいた、ヘルプシーキングに関する質問を、この放送でも取り上げたいなと思います。
沢渡さんから、僕は僕でお答えするので、小田木さんの意見も聞きたいですと言ってくれたので、私も一緒に考えたいなと思います。

助け合うことで、頼り過ぎちゃう人が増えないか?

質問者さんは、企業で管理職をされているということで、この放送では、通称”リーダーさん”と呼ばせていただこうと思います。
リーダーさん、ありがとうございます。
【ヘルプや悩みを抱え込むという状態の定義を、言語化できるようになりたいです。
ひとりで悩みを抱えて、周囲に助けを求められる環境や組織にはしたいですが、とはいえ、自ら考え、行動もせず、1から10まで周りに助けを求めてくる思考停止の社員が出てくるのも困るなと思っています。
個の強さを育てつつ、周りとのサポート関係で難局を乗り切る強い組織にしたいので、助けを求める際の条件・状態を定義できたらと思いました。
アドバイスのほど、よろしくお願いします。】

というご質問ですね。
もう一回ポイントをまとめると、ヘルプシーキングの実戦、助けを求めたり、抱え込まない、そういうのって必要だと思う。そして、抱え込まないチームにしたい。そう思うけれども、一方で、それによってメンバーが思考停止してしまうことが怖い。個の成長と連携が両立して、かつ相乗効果につながるチームを作りたいけれども、ここをどう考えたらいいか?
そういうご質問ですね。

質問を拝見して思ったのですが、質問者のリーダーさんは、チーム運営にちゃんとビジョンを持って臨まれているんだなと、すごく感じました。
その中でメンバーの成長も考えている。どういう機会やどういう関わり方をしてあげたら、メンバーがもっともっと成長できるだろうか?
ここを強く思考されているリーダーさんなんだなと、すごく伝わりました。
そして、この放送ではお馴染みの、抱え込まない、周囲と連携して成果をあげる”ヘルプシーキング”という考え方を、どんなふうにチームで実践していくかなというテーマと絡めて、私も一緒に考えたいなと思います。

とにかくなんでも助けを求めていいからスタート

私の考えは、特に最初は、「これはOK」「これはNG」と定義せずに、とにかくなんでも助けを求めていい。ここからスタートするのがいいんじゃないかなと思います。
とにかくなんでも助けを求めていい。ここからスタートする。
共通認識は、できる限りシンプルなほうがいいと思いますので、こう考えてみるのはいかがでしょう?

なぜそうした方が良いか?3つほど着眼点があると思いますので、共有させていただければと思います。
まず一つ目は、ヘルプシーキングの実践によって、見えなかったものが見えるようになる。これがスタートだと思うんですね。
スタートであり、チーム運営上は最大のポイントと言ってもいいぐらいだと思います。
とにかくなんでも助けを求めていい、相談していい、ここからスタートすると、例えば、リーダーにとってみると、メンバーがどこでつまずいているのか分かるようになるんですよね。
例えば、心配されるように、自分で考えることを放棄している状態になるのか、それとも、考えたい気持ちはあるけれども、考えられない。さらに、それってなんで?というところで、例えば、前提とか要件がずれちゃっていて、考えるべきことが考えられていないことで、つまずいちゃっているのか、それとも、単純に知識が足りない、もしくは、情報が足りなくて、これはインプットを追加してあげれば、自分で考えられる状態にあるのか。
それとも、考える力はあるけれども、自信がないのでつまずいていて、「できるよ。大丈夫だよ。あなたのこういう強みを生かしてやってみてね。」と、背中を押してあげると前に進むケースもあるんじゃないかなと思います。
仮に、もうちょっと考えてほしいなという状態だったとしても、それが分かることが、やっぱりスタートだと思うんですよね。
どうして、もうちょっと考えてほしいなという段階で考えられないのか?ここを考えるきっかけが、考えていないことが分かることだと思います。
なので、見えなかったものが見えるようになる。ここにすごく意味があるんじゃないかなと思います。
見えるようになることで、何が理解できていて、何が理解できていないのか分かるとか、どこまでクリアできていて、どこでつまずいているのか分かる。
さらに、考えないといっても、要因分解すると考えられない理由もいろいろ見えてきますので、メンバーの成長のためのさらに適切な関わり方を、リーダーさんが考えられるようになる。
こういったメリットがあると思います。
着眼点その一は、見えなかったものが見えるようになるかなと。

助けを求めることは、仕事を丸投げすることではない

そして、二つ目の着眼点は、私たちの先入観の課題だと思うのですが、助けを求めることは、誰かに仕事を丸投げすることでも、自分で考えることを放棄することでもないと思うんですよね。
上手に助けを求めて、かつ連携しようという視点があれば、「自分の仕事か?誰の仕事か?」といった視点ではなくて、間違いなく、「チームにとってどうか?」という視点で考える必要があると思いますし、さらに、相手や周囲に関心を持って、観察して、かつ先読みできる思考は欠かせないと思いますし、さらに、自分で状況を論理的に説明できる、どう関わってほしいか、期待や希望を言葉にできることが、上手なヘルプシーキングの大前提になるのかなと思います。

ということは、上手にヘルプシーキングを実践できるようになればなるほど、自分でよく考えなきゃいけないし、周りをよく観察しなきゃいけないし、さらに、チームの観点で仕事を見られるようになることが不可欠なので、ヘルプシーキングの実践は、考えることの放棄でも、仕事の丸投げでもない。
トレーニングしていくことで、必ずそういう段階に至るんじゃないかなと思います。

さらに、助ける側の先入観も手放す必要があると思いまして、相談されたり、助けを求められたりすると、私たちはつい無意識的に、「助けてあげなきゃ」とか、「仕事を代わってあげなきゃ」、「代わりに考えてあげなきゃ」とか、「相談内容を自分が解決してあげなきゃ」と考えちゃうのですが、そうじゃなくていいと思います。
助けを求められて、仕事を代わったり、代わりに考えてあげるのではなくて、その人が自分で考えられるようにサポートをするということも、上手な助け方の一つだと思いますので、助ける側も、「助け求められる」=「代わりに考えてあげて、仕事を代わってあげて、相手の問題解決しなきゃいけない」こういうプレッシャーは、いったん手放していいと思います。
どういう助け方・関わり方が、状況や相手にとって適切なのかを一緒に考える。このぐらいのスタンスで、スタートが切れるといいんじゃないかなと思います。
これが二つ目の着眼点ですね。
助けを求める=”自分で考えない”ではない。

私の手応えでは、上手にヘルプシーキングができるようになると、メンバーはますます主体的に積極的に考えることを楽しむようになると思いますし、頼っていい安心感から、積極的に発信したり、チャレンジできるようになる。こういう傾向って、必ず出てくるなと思っています。
だから安心して進めていいんじゃないでしょうか。
というのが、二つ目の観点ですね。

ヘルプシーキングは手段

最後の三つ目は、ヘルプシーキングって、どこまでいっても手段なんですよね。
自分たちにとって必要な目的を達成するための手段ですので、最後の一つは、リーダーさんが考えている「なぜ、ヘルプシーキングが自分たちのチームに必要か?」「それをすることによって、どうなりたいのか?」リーダーさんのコメントから、たぶん、「ひとりで出す以上の成果が出せるチームになりたい」とか、「みんなが臆せずトライして成長できるチームでありたい」こういう思い・願い・目的があると思いますので、こちらをきちんと共有していければ、決して心配されるような、自分で考えることを放棄して仕事を丸投げするような、ヘルプが横行することはないと思います。
三つ目の観点は、ヘルプシーキングは手段ですので、目的や意味や理由を語る。これが三つ目の観点ですかね。

そんな三つの観点で考えてみました。
リーダーさん、いかがでしょうか?
私はぜひリーダーさんが目指すチームを実現するための、道具の一つとして、ヘルプシーキングをオープンに使っていただければなと、心から思っております。

沢渡さん、一緒に考えてみましたが、いかがでしょうか?
皆さんも、お聴きいただきありがとうございます。

それでは、今日も一日良い日にしましょう。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール育休スクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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