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#935 やめることを決めるポイント~「分かってても難しい」の対処法~

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、チームワーキングで仕事をもっとおもしろく、キャリアもっと持続可能に、オンラインスクールスクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

今週も木曜日がやってまいりました。
今日は、毎週木曜日恒例、一緒にこのチャンネルを運営するなつさんの質問コーナーをお届けしたいと思います。

業務が減ることはなく、増える一方

【今週は、やめることを決めるポイントです。
先日の「チームのリソースが足りない」と並び、前職での私の働き方あるあるからの質問です。
前職では、中規模組織の人事領域全般に加え、総務領域も担当していたこともあり、基本、業務が減ることはなく、増える一方でした。
職種に限らず、組織の中で経験を積んでいくと、業務範囲が広がり、対応することも増えていくことが多いと思います。
当時の私は、時間の積み上げ式で、目の前の業務とタスクを終わらせる視点しか持ってなかったです。
やめることの必要性を感じつつ、なかなかその時間も持てず、今まで続けてきたことをやめる決断もできませんでした。
役職者でなくても、やめることを決めて、業務をスマートにしていくポイントについて教えてください。】

ということで、なつさん、ありがとうございます。
今週もリアリティのある質問ですよね。

業務が減ることはなく、増える一方だという状況に、「分かる!」という感覚を持つ方はきっと多いんじゃないかなと思います。
本当に組織の業務って増えていくと思うんですよね。
顧客が増えて、事業が前に進めば、当然やることも増えていくし。
例えば、バックオフィス業務だって、事業の進捗とあわせて当然業務も増えていくし、そこに加えて、法制度が変わったり、世の中の関心や重点テーマの変化に伴って、どんどん求められる役割が増えていく。
そういう構造だと思うんですよね。
増やすことの簡単さに加えて、それをやめていくことの難しさって、結構みんなが感じているんじゃないかなと思います。
私も「増やすのはこんなに簡単なのに、やめるって増やすことに対して数倍難しいな」と感じます。

なつさんの今回の質問は、やめることを決めるポイントについてということなので、ここを一緒に考えてみましょう。
皆さんはどうしていますか。
仕事において、やめることを決めよう。これって結構定着している考え方ですよね。
「そうそう、必要だよね、分かる分かる」というところだと思うんですけど、一般的に業務をやめていくとなると、どういった手法が認知されているかというと、間違いなく業務の可視化ですよね。
棚卸しをしましょう。その中でやめることを決めていきましょう。
これも「分かる」とか「知ってる」というところだと思うんですけど、知っているけれども難しい。ここだと思うんですよね。
業務を可視化、棚卸しをして、やることを決める。

やめていくことの難しさ

なぜこれがこんなにも難しく感じるのか?
ここから考えてみたいと思うんですけど、一つは、業務を可視化するという業務が、必要だけど結構大変なんですよね。
今、やっていることを全部可視化しよう、棚卸しをしようと思ったら、すごく大変だなという感覚がありませんか。
一方で、大変だからって言って、ざっくり可視化してみましただけだと、結局、「うーん、よく分からないね」みたいな話になっちゃいますよね。
なので、業務の可視化、全体を見える化をしたり、棚卸しをしたりするというのが、かなり大変というところがまず一つ、ありますよね。

今度は、「でも、それをやらないことには進まないし」と言って、やろうとするけれども、今の業務の手が止められない問題も結構あると思うんですよ。
そもそもパンパンだから業務を減らしたいけれども、その業務を減らすための時間が生み出せません。
今の業務の手を止めることができない。とめると、そこで仕事がパンクしたりしてしまうから。だから、今の業務以上の時間がなかなか生み出せない。
このジレンマを感じますよね。

そして、業務の棚卸し、そこからやめるということだと、一人じゃ進められないんですよね。
私が個人的にやっている業務なんてほとんどないじゃないですか。
そもそもチームの業務になっていると思いますし、関係者がいたり、会社のルールとつながっていたり、関係部署があったりして、一人じゃ進められない。
なので、パッと思いついて、「よっしゃ、私、やってみよう」だけだと、進められないというところもありますよね。

最後に、これもあるんじゃないかなと思うんですけど、これをやろうとすると、過去の否定になっちゃう
こういう感覚を持って、ちょっと躊躇する気持ちがないでしょうか。
やめることを決めていく中で、なんでこんなやり方をしていたんだろうね。でも、そのやり方で進めて来た人も、始めた人もいる。
あとは、やめることを決めていく中で、無駄とか非効率を洗い出すという前提なので、今までこんなことをやっていたの?これが、やめたいけど、なんか責められてる気がする。
意外とこういう人間的な心理の中で、これは無駄だと思うけど、言い出せない誰かの否定になるんじゃないかと思ってできない。もしくは、自分が批判されるんじゃないかと思って躊躇してしまう
こういう気持ちも生まれてくるのが、難しさの一端にあるんじゃないかなと思います。
そんなことを考えていると、やっぱり重い腰が上がらない。
結局、今のやり方で今の業務を続けざるを得ないというスパイラルがありますよね。

業務を「やめることを決める」ための良い方法はないか

そんな中でなつさんから「やめることを決めていくポイントを放送してください」ということですけど、あと2,3分で共有できる、まずはこの辺から、さっき言ったような難しさもあるけれども、この辺だったら進みやすいんじゃないかというところを共有したいと思います。
難しさはきちんと押さえた上で、だからこそどこから始めるというところですね。
なつさんも、「役職者でなくても、できるポイントについて」と書いてくれてますけれども、役職者じゃなくてもいいけれども、やっぱりチームでやってみる
仲間と一緒に、やめることを決めようというモードで動き出すというところは、不可欠じゃないかなと思います。
その中に、もちろん上司やリーダーも巻き込む。
業務をスリム化する、効率や生産性を上げていくというところでは、目的が食い違うはずがないので、自信を持って巻き込んでいくのは必須だと思います。

やめ軸を決めて対象を絞ってみる

何から始めるかですが、私のおすすめは、やめ軸を決める
これをぜひおすすめしたいなと思います。
やめ軸を決めるというのはどういうことかというと、言葉の通りですよね。
業務をやめていく、やめることを決めるということなんですけれども、広いじゃないですか。
なので、どこに絞って、まずやめていくかを決めていくというのが、やめ軸を決めるということになるかなと思います。
ちょっと一緒に妄想してみていただいていいですか。
例えば、私たちのチームは結構移動に時間をかけているから、移動を伴う業務をやめよう。
すごく範囲は狭いけど、対象がクッキリハッキリ明らかでシャープになりますよね。
そこから、じゃあ、出社の回数を減らそうかとか、訪問を伴うお客様とのコミュニケーションを、半分ぐらいオンラインに変えていこうとか、こんな感じでピックアップができていくと思うんですよね。
他には例えば、社内報告のための業務をなくそう。
社内で報告するための資料作成だとか、その準備にかけている時間をなくしていこう。
これも、対象がクッキリハッキリしますので、どこにフォーカスして業務の可視化や棚卸しをすればいいのかはっきりしますよね。
他にも、過剰サービスになっちゃっている部分を減らさない?とか、もしくは、会議時間にターゲットを絞って、これを減らしていこう。
こんなふうに照準が固まると、じゃあ、参加人数を絞っていこうとか、所要時間を短くできる工夫していこう。会議じゃなくてもいい会議はなくしていこう。
こんな感じで考えられていくかなと思います。
なので、全体に向けて広範に業務の棚卸をするのではなく、やめ軸を決めて対象を絞ってやってみる
そういう発想ですね。

それによって何が変わるかというと、非常に最小の労力でまずは一つの成功体験を積むというのが、仲間と一緒にできると思うんです。
一つ目の成功体験があると、「業務を減らすって気持ちがいいし、それ以外のパフォーマンスも上がる気がするよね」こういった感覚の中で、じゃあ、次のやめ軸を決めて、次のトライをしていこう。
これが、忙しくてもサイクルが回り出すということにつながるのが、やめ塾を決めるというやめ方かなと思います。

今より良い未来を作っていくため活動

なつさんの先日の質問の「チームのリソースが足りない問題」の放送も含めて、チームのリソースって、常に潤沢な状態よりもちょっと少ないですよね。
私の感覚だと、デフォルト7掛けぐらいだと感じるケースが多いんじゃないかなと思いますが、そういった状況下で、今回のやめることを決めることで、無駄や非効率に目を向けて、チームのリソースが足りない問題にアプローチしていくということももちろん大事なんですけど、それとあわせて、価値を生み出すという観点に目を向けながら、何をやめるのかとあわせて、生み出した時間で何をしたいか、そんな発想になると、関わる人の気持ちもさらにぐっと前を向けるんじゃないかなと思います。

前半の話で、やめることを決めることが、過去の否定になっちゃう問題があったと思うんですけど、過去の否定感をなくして、誰が、なんで、どうやってたかは一切不問。それよりも、今より良い未来を作っていく活動そのものだよね。
そんなふうにできるといいななんて思いながら、今日はやめることを決めるポイントとして、やめ軸を決めるを紹介させていただきました。
なつさん、ありがとうございます。

放送開始から3周年へのコメントやメッセージ、ありがとうございます!!

続きはぜひVoicyでお聴きください。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクールスクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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