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#766 思考が止まる?仕事の「やることリスト」問題

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、これからのチームワーキングを手に入れよう、オンラインスクール育休スクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

仕事の「やることリスト」問題

今日は、「最近、私が思うこと」を放送にさせていただこうと思います。
タイトルをつけると、『仕事のやることリスト問題』こんな感じのタイトルになるかなと思います。
やることリスト、いわゆるタスクリストですよね。
「今日、これをやる。あれをやる。」「今週、これを進める。」みたいな形で、やることリストを運用してる方は多いと思います。
もちろん私も、最終的に仕事はやることに分解して、Outlookに登録しながら時間を確保していますので、私もそういう意味ではやることリストを運用している一人なんですけど、やることリストはすごく必要だと思うんですよ。
何を避けたいと思っているのかというと、頭の中までやることリストだけになっちゃうこと。
そして、コミュニケーションもやることリストベースになっちゃうこと。
こうならないように気付けることがすごく大事だなと思っている。なんていう話を放送させていただこうと思います。

まず、やることリストだけで考えることと、やることリストだけで考えないことというのはどう違うのか、具体的なイメージを含めて共有できればと思うのですが、例えば、議事録を書くというやることリストがあったとするじゃないですか。
なので、当然、「議事録を書いて、そのリストを片付ける」に入ると思うのですが、議事録といってもいろいろありますよね。
例えば、今回のケースでは、決定事項が分かればいいのか、それとも、相手が言う微妙なニュアンスも含めて、発話録を残した方がいいケースなのか、違いますよね。
何のために書くのかというところも、ミーティングの当事者や関係者だけが後で分かればよい、当事者のリマインドように書くのか、それとも、第三者が見ても理解できるように、第三者への情報発信として書くのか、これによっても、どう書くかが変わってくると思います。
「議事録を書く」だけだとやることリストですが、「何のために書くか?」まで考えると、やることリストに対して、仕事を「成果ベース」とか「完了状態ベース」で考えることに近いのかなと思います。
これは、議事録という小さいタスクでしたが、もっと大きい仕事のサイズにも、同じようなことが言えるんじゃないかなと思います。
例えば、私の仕事は既存顧客対応ですという人がいる。
もちろん、やることリストで自分の仕事を語ると、既存顧客対応という言葉がそのままだと思うのですが、これを「何のために?」とか「どういう役割を担って、どんな成果を実現する人?」ベースで言い換えると、例えば、今あるやり方で、もれなく必要な対応をする人という言い換えになるかもしれないし、でも一方で、自分はそう思ってたけれども、チームからの期待は既存顧客から最大の再受注をあげる人だとしたら、やることリストは同じ既存顧客対応だけれども、何を頑張るかとか、そこで頑張ったことが適切に評価されるかは、全然違うものになっちゃいますよね。
もっと言うと、例えば、今あるやり方で最大の再受注をあげることが役割なのか、それとも新しいやり方を模索しながら、今とは違うやり方で最大の再受注をあげる方法を考えることが期待されているのか、これもまた全然結果そのものも変えていくんじゃないかなと思います。

自分の頭の中までやることリストだけになるのは避けよう

ということで、最初に戻ると、やることリスト、いわゆるタスクリストというのは、もちろん仕事において必要だけれども、何を避けたいかというと、自分の頭の中までやることリストになっちゃうことだとか、あと、仲間や上司とのコミュニケーションもやることリストになっちゃうこと、これを避けたいよねというのが、今日の「仕事のやることリスト問題」に該当するのかなと思います。

頭の中もやることリストになっちゃうことや、コミュニケーションもやることリストになっちゃうことで、それの何が問題かというと、ここまで聴いていただいて、なんとなくイメージがついたと思うのですが、やることリストだけになっちゃうと、そもそもとか、目的、それによって実現したい成果のほうを見失いがちになっちゃうんですよね。
そうなると、せっかく頑張っても、たぶん本質的じゃないことに時間を割くことになっちゃいますし、さらに、仲間とか上司とか顧客とのコミュニケーションが食い違っちゃったり、その結果、仕事が楽しくない。自分のやっていることの意味が見えなくなっちゃうとか、手応えが感じられない。モチベーションが上がらないという状態になると思いますし、私はこれがすごく中長期的に影響するんじゃないかなと思うのですが、やることリストだけで頭の中を埋めて、コミュニケーションもやることリストになっちゃうと、人って(私も含めて)思考が止まっちゃうと思うんですよね。
たぶん考える力が落ちちゃいますし、もっと言うと、考える習慣そのものがなくなっちゃうかもしれない。
そういうリスクをはらむんじゃないかなと思います。

日常そこかしこに、やることリスト問題が潜んでいる

「そりゃそうだよな」と思っちゃうと思いますが、結構日常そこかしこに、やることリスト問題が潜んでいるなと思っていて、例えば、すごく身近なところで家庭でもありませんか。
毎日、忙しいので、タスクリストもすごくたくさんあったりだとか、パートナーと家事分担ということで、いったんタスクリストに落として「こっち、よろしく。私、こっち。」こういうコミュニケーションをとったりしますよね。
もちろん、やるべきことを忘れない手段としてとか、お互いのやることを明確にするための手段としてはいいかもしれないですけど、それがやることリストだけになっちゃうと、やることリストをこなすことが目的になっちゃって、「あれ?私は結局どうしたいんだっけ?」「完璧にきれいなすごい空間を実現したいんだっけ?」「いや、そうじゃないよな。家族で笑顔でリラックスできればそれがいいと思ってたはずだよな。 なんか違うぞ。」みたいなことにはまったりしますよね。
私もはまった一人だから言えるのですが。

あと例えば、上司と1on1とか、目標設定面談といったコミュニケーションをとる際に、なぜか二人ともやることリストでの話しかしていない
「じゃあ、今期の業務は、これとこれとこれをよろしく。」「これに基づいて目標を立てといてね」みたいな。
メンバーのほうも、「はい、分かりました。」みたいな感じになっちゃう。
1on1の中でも、業務の進捗確認や、やることの進捗確認になってしまって、本当に大事な景色合わせがされないとか。
本当に日常そこかしこに潜んでいると思います。

さらに、ビジネスパーソンもこの観点でざっくり二つのタイプの人がいるなって思っていて、それはどういう人かというと、自分の仕事をやることリストで語る人
例えば、「仕事は、既存顧客対応とか、集客の企画を立てることが仕事です。」これは、やることリストで語る人ですよね。
でも、もう一方で、自分の仕事を役割や成果で語れる人もいて、同じ業務をやっていたとしても、「既存のお客様に最大の満足を提供して、最大のリピートをいただくことが私の仕事です。」こんなふうに語れる人もいて、皆さんだったら、どっちの人になりたいですか?
どっちの人と一緒に仕事がしたいなと思ったり、どっちの人が仕事を楽しんでる、かっこいいなと思いますか?
こういう話なんじゃないかなと思います。

言い換えと言語化で適切なとらえ方をしよう

最後に、「仕事のやることリスト問題」に対して、具体的にどんな一歩を踏み出せたらいいかなと思っているかというと、これは一言で言えます。
言い換えと、言語化
これに尽きると思います。
いったんやることリストでいいと思うんですよ。
仕事においては、やることリストを運用することが非常に便利だし、抜け漏れがなくていいと思うのですが、やることリストだけになることを避けるという意味では、やることリストをつぶす前に頭の中で「これは何が実現できればいいんだっけ?」みたいな感じで言い換えをしたり、上司だとか仲間とコミュニケーションをとる際には「こういうことですよね?」と言い換えたり、言語化してみる。
もし、そこで言い換えができなかったり、言語化ができなかったとしたら、それはグッドサインですよ。
もうちょっと仕事の要件に対してコミュニケーションをとろうねというグッドサインですので、そのサインに従って、「もうちょっと具体化していいですか?」こういうコミュニケーションがとれればいいんじゃないかなと思います。

最近、私が思うのが、私たちの仕事は、タスクが完了すれば、成果も予定通り実現されることが結構少なくなっていると思うんですよね。
今日はずっと既存顧客対応の事例が出てきましたので、それで言っても、「既存顧客全員にこういうメールを送る」というタスクの完了と、そのメールに対してニーズや関心がある人が手をあげるという成果の実現って、たぶんイコールじゃないと思うんですよ。
ということで、私たちの環境は、やることリストだけで仕事をとらえたり運用しちゃうと、手ごたえも得られないし、期待する成果も実現できないという環境にますますなっているので、ここで「仕事のやることリスト問題」をいったん頭にアンテナを立てておいて、言い換えと言語化で適切なとらえ方、適切なコミュニケーションがしていけることが、これからのチームワークにおいても、すごく大事なんじゃないかなと思っているという話をさせていただきました。

最後までお聴きいただき、ありがとうございます。

それでは、今日も一日良い日にしましょう。

小田木朝子プロフィール


「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール育休スクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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