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#651 出向先は長時間労働が当たり前、環境変化にどう向き合う?

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、『「ボーダーを越える」組織づくりを語ろう、10月開催のHRライブみんな来てね。』by NOKIOOより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

今日も、10月開催スペシャル企画案内版のタイトルコールでスタートさせていただきました。
「ボーダーを越える」組織づくりを語ろうイベントの詳細は、番組のプロフィール欄にリンクが貼ってありますので、こちらもご覧ください。

今日も、チャンネルの質問ボックスにいただいたご質問を取り上げさせていただこうと思います。
送ってくださる皆さま、ありがとうございます。
基本的に、ご質問は時間がかかっても全取り上げ方針でおりますし、質問ボックスを使って感想をくださる方も本当にありがとうございます。
放送にならなくても、ちゃんと目を通させていただいてますし、そしてなによりもとても嬉しいですし、一方で、「ちょっとこれはお役に立てないな」「ちょっと下手なことは言えないな」という質問、例えば、ちょっと恋愛が入ってたりする側面に関しては、私は超ポンコツですので、「これは下手なことは申し上げられないな」という場合は、心の中で大エールを送らせていただいてますので、どうかどうかご容赦ください。

今日の質問は、たえさんからいただいた質問です。
たえさん、ありがとうございます。


出向が決まり、環境が変わるのが不安

【2年間、外部団体に出向することになりました。
出向先は、長時間労働が当たり前の環境です。
これまで在宅で家庭と仕事が両立しやすかったので、ペースが変わってしまうことが不安です。
アドバイスをいただきたいです。】

こちらでございます。
たえさん、一緒に考えましょう。

まず、出向が決まって、いろいろ環境が変わるのが不安だという気持ち、本当にあると思います。
文面からも、若干気乗りがしないんだろうなという感じが伝わりますので、その通りなんだろうな。生活や働き方が変わる不安とか、異動先が見えない不安。チームが違えば文化も違いますし、人が違えば常識も違う。そういった中で見えない不安や、一方で、今の環境を変えたくない気持ち、こういった思いを抱えながら、2年間の期限付き出向である。
こういう状況ですね。

では、一緒に考えていきたいのですが、まずいただいたご質問から最大の懸案点は、出向先が長時間労働が当たり前の環境であると感じるところ。
そこでしょうね、きっと。
そういう意味でいくと、”本来そもそも”へいったん立ち返ると、残業前提の職場は本来はないと思います。
労働時間というのは、雇用契約に基づいて、合意された労働時間・勤務時間の中で仕事をすることが前提になっていますので、そういう意味で私たちは時間内でいかに終えるか、時間内でいかに最大の成果を上げるか、工夫をしながら仕事をすることが大前提になっていますし、上司は部下の労働時間を管理しなくてはいけないので、”残業の常態化”という現実があれば、そこは工夫して改善していかなきゃいけないですよね。
なので、そもそものところでいくと、残業前提という職場は基本的にないですよ。

お互いの景色を見合う対話が大事

では、残業が前提じゃないとしたら、新しいチームでどんな合意をしていくかですが、そもそも時間内でどんな役割を担って、どういう成果が期待されていて、チームとどんな連携をしながら仕事を前に進めるか、求められていることや期待を確認して、その上で限られた時間をどう使っていくか、組み立てたり連携をしたり手を借りながら、いろんな判断をしながら、仕事をしていく。これが前提ですよね。
とはいえ、「正論は分かるんだけど…」たぶん、そんな気持ちもあるんじゃないかなと思います。
出向だけじゃなく、異動や転職も全部同じだと思うのですが、基本的に新しい環境に入っていくときに何が大事かというと、やっぱり対話が大事だと思うんですよね。
私はよく、”ボタンの掛け違いがある”と思うのですが、対話が大事というと、自分の思っていることや心配していることや要求したいことを伝えていかなきゃいけないと思われてしまうのですが、もちろん最終的にはそこを共有しながら、じゃあどうするかを話し合っていく必要があるのですが、対話というのは本来、お互いの景色を見合うというところが前提になるので、相手の景色を見る以前に、自分の不安・要求・要望を一方的に伝えることは、対話ではないなと思っています。

誠実なコミュニケーションを心がけよう

ちょっと回りくどいかもしれないですが、今のたえさんの環境にアドバイスをするとしたら、異動先の仲間や上司とちゃんと信頼関係を築くところが大事だと思いますので、「そんなの言われなくても分かるわ」と思うかもしれないですが、くれぐれも、”いやいや来た人”、”戻ることが前提の腰掛けで来た人”という印象を与えないように、そう思われないように、誠実なコミュニケーションをとっていきましょうねと思います。

誠実なコミュニケーションとはどういうコミュニケーションかというと、いきなり要望・要求・不安を一方的にぶつけるのではなく、自分は新しい環境、今、目の前にいるチームやこの職場に貢献したいと思っている。まだ右も左も分からないけれども、この状況で大事にされていることや、力を入れている仕事について理解をしたいと思っている。その上で、勤務時間やいろいろな制約があるけれども、工夫して連携して、一緒に仕事を前に進めたいと思っている。
こういう姿勢が伝わって、言葉で相手に伝えられることによって、「なるほど、あなたはそう考えているんですね」と、伝わる、理解されるというのが、スタートじゃないかなと思います。

”貢献したい”、”理解したい”という気持ちを表す行動が何かというと、それがやみくもな長時間労働ではなくて、自分が最大限に使える時間内でどんな役割を期待されているのか、どういう成果をどういう連携をしながらあげる必要があるのか、これを聞いて具体的に理解していくことが、”貢献したい”、”理解したい”と思っているという気持ちが、実際に行動で伝わるコミュニケーションになるんじゃないかなと思います。

それってどういうコミュニケーション?何を聞くことなの?という点については、以前に”期待役割を明らかにしよう”というテーマの放送をさせていただきましたので、リンクを貼っておきます。
そちらを参考にしていただけると、もしかしたら役に立つ観点があるかもしれませんので、よかったらお聴きください。
#555 期待役割とは?チーム仕事に欠かせない最強武器』というタイトルの放送です。

慣れるまでの期間を見積もっておく

そういったコミュニケーションのポイントを押さえた上で、最後に二つ、具体的なアドバイスをさせていただくと、一つは、出向されて慣れるまでの期間を見積もっておくことがすごく大事だと思います。
明日出向して、あさってには慣れる。これは絶対にありえないじゃないですか。一定の期間がかかることを、自分の中でも見積もって受け入れておくと、全然大変さが違いますよね。
一般的には、私もこれを教えてもらったのですが、人って人間関係に慣れるまでに3ヵ月、新しい業務に慣れるまでにもう3ヵ月、トータル6ヵ月のオンボーディングの期間を要するそうです。これはベテランの新人も同じだそうです。
なので、人間関係と業務に慣れるまでに6ヵ月の見通しを立てておくことと、そしてなにより、新しい生活リズムに慣れていく期間ですよね。
これは自分と家族が新しい生活リズムを作っていくために必要な期間
これも6ヵ月見通しておくと、家庭面・仕事面での約半年間のテイクオフ期間が、家族とも共有すれば、家族の中でも見通しが立てられるんじゃないかなと思います。
見通しがないと、「1ヵ月ずっとしんどかったな、これからもずっとしんどいような気がするな」と、気持ちが沈むんですよね。
なので、見通しを立てておくことが結構大事なポイントだと思います。

すごくいいチャンスなのかもしれない

そしてもう一つ、今回の出向が自分自身のキャリアにとってはどういう意味を持つかをつかんでおく・理解しておくのもすごく大事ですよね。
それはたえさんなりにあるのかもしれないですが、お話を聞いて思ったのは、見ようによっては、転職体験・異文化越境体験ができる往復航空券を会社からもらったって感じですね。
実は、超ラッキーなことなんじゃないかなと思います。
本当に転職しようと思うと、普通は片道切符。行ったが最後、戻れないし、行った先がどうであるかに関わらず、次のところでうまくやらなきゃいけないので、不確実性という意味でのリスクは高くなると思います。
それが2年間の期限付きで、さらに往復航空券方式で、実はリスクを取らないとできない転職や異文化越境体験ができる。
実は、中長期のキャリアではすごくいいチャンスなのではないかなと思います。
たえさん、いろいろ不安があるかと思いますが、心から応援しています。
焦らずに取り組んでみてください。

今日も一日良い日にしましょう。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール育休スクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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