【読書感想】バー・オクトパス

私はたこが好きで、背表紙のタイトルにひかれて思わず手に取った。表紙の絵もとても可愛い。人魚のお姉さんとたこのマスター。

人魚のお姉さんはきっと私と同じくらいの年齢だ。職場で後輩も入ってきて、中堅。。とはいかないけどもう新人さんではないなー、のような。ちょっと人見知りの人魚さん。後輩が飲み会の幹事をちゃんとできるかなーって心配したり、後輩に嫌われてるんじゃないかって気にする先輩の話をきいてあげたり、体がぷにぷにしてきたからちょっと運動しようって思ってみたり、普通のOLだ。

休みの日になにもする気になれなくて料理もしない。急にナンパされてびっくりする。同窓会でみんなに気をつかう人気者！って子に話しかけられて、そのときはすごいなーって思うけど後で「やっぱりあの子苦手！」って叫んですっきりしちゃう。そしてひっそり「私って性格悪いな・・・」って思っちゃう。そういうところに少しづつ共感できる。

彼女にとってこのバーはきっとたこつぼなんだろう。ひっそり落ち着いて過ごせる居場所。マスターがたこなのはそれの象徴なのかも、と考えたらちょっと楽しくなった。私も自分の家以外にたこつぼがほしくなった。ちょっとうらやましい。