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感想:砂糖菓子の弾丸は打ち抜けない

「ご本、出しときますね?」の中で「閉塞感がある人へ~」のような紹介をされていたのと、よく本の話をしてくれる人が勧めてくれたので読んだ。

閉塞感がなくなったかというと・・・正直うーんという感じ。読み終わった感想は「胸が痛い」ひたすら胸が痛い。最後のクラスの担任の先生の叫びも胸が痛い。先生はヒーローになれる、大人だから藻屑を救えると思っていたのに実際何もできなくて、大人になっても無力だっていうのを嫌というほど見せつけられたという痛さ。中学生の時私も早く大人になりたかったなあと思うけど、実弾が欲しい、までは考えたことなかった。藻屑となぎさが住んでいたのがもっと都会だったらこんな結末にはならなかったと思う。独特の檻というか、箱があるような地方の田舎の風景だからこんな結末になってしまったのか。バラバラになって山に置かれることはないだろう。東京の高層マンションの一室でバラバラになって積まれるのは違うし、そんなところにいたら人魚姫は泡になって消えない。海のそばの街だからこそ人魚姫は泡になれる。街、というより町、のほうが正しいか。
自分は大人になって、実弾を手に入れられるようになったけれども、逆に砂糖菓子の弾丸が欲しいのかも。というのもあって胸が痛いんだと思う。

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